第3回 みんなに対する拍手をおしまずに。
シェフ
中島みゆきさんの曲は、
カバーされることが多いですよね。
福山雅治さんとか。
あやや
「ファイト!」、歌ってますよね。
シェフ
歌ってますね。
槇原敬之さんや徳永英明さんなど、
男性シンガーも結構カバーしてますね。
あやや
あと、提供曲も多いですよね。
「宙船(そらふね)」、「本日、未熟者」は
TOKIOですよね。
シェフ
そういう新しい曲も含め、
過去、現在までを全部通して、
2007年にコンサートをするっていうのは
どういうことかってことを
みゆきさんってすごく
考えてるような気がするんですよ。
何かね、久しぶりに、
強烈にメッセージのあるライブを
観てしまったなあとぼくは思いました。
もう、何か、柔なこと、許さないぐらい、
厳しく頑張るしかないんだみたいな、
こう、強ぉーいものが、あったですよね。
山下
ね。わりとこう、なんとかなるよ、
大丈夫だよみたいな曲が多い昨今、
みゆきさんは厳しいですよね。
ゆーないと
厳しい。
シェフ
厳しいです。
山下
頑張んなきゃだめだっていう。
アンコール前の最後の曲には
「頑張ってから死にたいな」
という歌詞がありましたね。
コウノ
「重き荷を負いて」ですね。
シェフ
すごいタイトルだよね。
中島みゆき苦手、っていうひとって
こういうところで
びっくりしちゃうんだろうね。
あやや
でも、ちゃんと聞くと、
ちゃんと励まされますよね。
わたし「1人で生まれて来たのだから」にも
結構、励まされましたよ。
コウノ
うん。
あやや
人が1人で生まれてくることは
1人で生きていくためなのよ、
ってメッセージ、
結構、来ちゃいました、わたしは。
山下
『歌旅』、残念ながらコンサートは
行けなかったんで、
DVDを楽しむしかなかったんですけど、
すごくいいですよね。
DVDとしても。
ゆーないと
うん、何回も観れた。
シェフ
ドキュメント部分が
見られてよかったなぁと思うのは、
中島みゆきさんに対する
孤高のイメージというか、
もちろん作るときには
大変な思いして
作詞作曲されてるんでしょうけども、
それをコンサートにかけるにあたって、
1回、全部、プロデューサーに預けちゃって、
自分は、歌という楽器の一部のようになって、
いい興行、公演を作るっていうところに
みゆきさんという人が入っていく姿が
よくわかったということなんです。
すごいフラットな感じが。
ゆーないと
そうですね。
シェフ
プロデューサー‥‥瀬尾一三さんという
髭のおじさんが音楽監督ですよね。
完全に裏方として、
すごい厳しかったですね。リハーサル。
よこさと
ね、ヴァイオリンの音の、
何かこう、細かいことを指示していましたね。
あやや
そう、ビックリした。
ほんとうにこまかいニュアンスまで
指示しているから。
よこさと
音の終わり方が、
それだと重いだろう? なんて。
山下
新鮮でした。
厳しいのはみゆきさんなのかと思ってたから。
シェフ
みゆきさんはそこで
歌の表現について悩んでいる
ひとりの音楽家でしたよね。
必死ですよね、中島みゆきは歌い手として。
コウノ
うん、うん、うん、
ビックリしました。そうなんだと思って。
シェフ
あれ、作り手の中島さんじゃないですよね。
よこさと
この『歌旅』を成功させたいっていう
メンバーの1人なんですよね、みゆきさんもね。
DVDがそういう作りになってて。
山下
‥‥最後は素晴らしいですね。
シェフ
ドキュメントの最後ですね、
素晴らしかったですね。
交互に、2、3曲やったら
ドキュメンタリーが入ってみたいな作りで、
ステージは1回の公演の曲順通りに、
ドキュメンタリーの方は
初日から楽日までを追ってくんですが、
最後の最後は、アンコールの最後の曲で
先にはけるみゆきさんを
裏のカメラが映すんです。
舞台ではエピローグのように演奏が続いている。
みゆきさんは、袖から、
ジャンパーを羽織ったまま、
しゃがんで、終演間際の演奏者たちと
観客を、本当に嬉しそうに見てるんですよね。
コウノ
うん。
山下
そして、1人で拍手をしてるんです。
シェフ
拍手してましたね。
あれは、みんなにたいする拍手ですよね。
言ってて鳥肌が立ちますが。
あやや
すごかったですね。
シェフ
いまの世の中でがんばっている人に
本気でメッセージを伝えたい、
応援したいと思っている
中島みゆきっていう人がそこにいて、
で、ちょうどちらっと、客席で、
背広着てるおじさんが踊ってるんだよね。
山下
そう、チラっと見えるんです。
「背広の下のロックンロール」が。
「背広の下のロックンロール」という曲は、
背広を着ている男たちは、
ほんとうは願いや怒りや哀しみや悔しさや愛を
たくさんかかえこんでいて、
でも、しっかりと生きている、
というようなことでしたね。
あやや
DVDでは、みごとにそのロックンロールが、
見えた気がしましたね。
コウノ
ハイ、見えましたね。
シェフ
アンコールが
「本日、未熟者」
「地上の星」
「背広の下のロックンロール」。
みごとな構成だと思いました。
さらにドキュメンタリーはもう1回戻って、
最初のステージにのぼる中島みゆき、
ってところで終わりましたよね。
あの瞬間で、また観たくなるんですよね。
あやや
何回も観たくなるんですよね。
コウノ
また観たい!
山下
美術の、武士道というテーマを聞いてたから、
やっぱ勝負に出て行ってるんだっていうような
見え方もするし。
シェフ
自分に置き換えて見ちゃうよね。
山下
甘くないぞみたいな。
シェフ
自分の仕事に対する姿勢をね、
もうほっんとに、反省しました。
よこさと
(笑)。
シェフ
こんな、命を削るようにしてさあ。
ゆーないと
ほんと、削ってましたね。
山下
リハーサルのときに、
譜面に埋没するみゆきさんの横に
トローチが映ったでしょう。
シェフ
そしてトローチがここにあって、
譜面を食らいつくようにして見ている
みゆきさんが映っているんですよね。
ああ、努力なんだと思うんですよ。
‥‥あの人、ほんとに近眼なんですね。
もう3センチぐらいまで近づいて
譜面を見てましたよね。
あやや
ステージでも、近眼のままですよね。
よこさと
あ‥‥。
あやや
あ‥‥いえ、だから、
みゆきさんはよこさとさんを
見てたと思うんですけども!
コウノ
(笑)。
シェフ
フォローしなくていい。
あやや
DVDを観る限り、
みゆきさんがどこを観ているかは
分からないくらい
遠くを見たような目をされてたんですよ。
よこさとさんを見ながらも。
シェフ
フォローしなくていい。
(笑)。
あやや
あれは、近眼ゆえなんですね。
よこさと
じっさいステージに立って、
ライト、当たっちゃうと、
目がいい人でも、
あまり客席のこまかいところは
見えなかったりもしますからね。
シェフ
見えないですね、多分。
でも、大きく、「みんな」のほうを
向いているわけですよね。
ゆーないと
マイクのある場所への
小さな階段の上り下りも
何度も練習されていましたよね。
コウノ
そう、はけるときも、
ちょっとかっこよく、
スカート、たなびかせて。
シェフ
『夜会』で3時間、お芝居をする人ですから、
ステージ上での記憶力と再現力は
半端無くある人なんだと思いますよ。
眼をつぶっててもできるように
なってるんじゃないですかね、もしかして。
 

うまく表示できない方は、こちらからどうぞ。
(つづく)
2008-10-13-MON
 
協力
ヤマハミュージックアーティスト
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
ダ・ヴィンチ
JASRAC許諾番号   9008687008Y3802


最新のページ 次へ

今回の感激団メンバー
シェフ シェフ 山下
あやや こうの ゆーないと
     


感激団による『歌旅』の紹介。
 
くわしくは、こちら

中島みゆきさんのオフィシャルサイト  「でじなみ」はこちら。
ヤマハミュージックコミュニケーションズの  中島みゆきさんのページはこちら。
web ダ・ヴィンチはこちら。


DVDはこちら CDはこちら



いままでのほぼ日感激団

鴨とアヒルのコインロッカー

メタルマクベス

五右衛門ロック

キサラギ

大徳川展

自虐の詩

クワイエットルームにようこそ

朧の森に棲む鬼