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- 日本で仕事をされていて、どうですか?
- リンさん
-
日本は、デザインの考え方も印刷技術も、
全面的になんでも優れていると思います。
でも日本のルールに関しては、
おかしいと思うことも少なくないですね。
- ーー
- ルール、ですか?
- リンさん
-
本当はできるのに、
「マニュアル外のことはやらない」といったような。
印刷で言うと、少し変わった素材は対応してもらえません。
- 瀧澤さん
-
台湾の印刷業者さんやデザイナーは、
とにかくチャレンジングですね。
- リンさん
-
そうかもしれないね。台湾はどんなことを提案しても、
「めちゃくちゃだけどやってみよう!」となります。
- ーー
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そういえば、はじめてNIBUNNOに来たとき
瀧澤さんにこの見本帳を見せてもらって驚きました。
紙以外にも、色んな素材に箔押しできるのですね。

(チョコレートの銀紙のような素材や
ガサガサしたフェルト、スポンジやコルクといった
多様な素材に箔押し印刷が施してある見本帳)
- リンさん
-
これは、台湾の実験精神を日本のみんなに見せたくて
台湾の職人さんとつくったものです。
印刷されている「No pain,No gain,」
という言葉は、日本のルールに対して伝えたかったこと。
失敗して少し痛い思いをするかもしれないけれど、
やってみなくちゃわからない。
- ーー
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たしかに日本は「失敗しないように」が
前提になりがちですよね。
「やってみよう」と言ってくれる
台湾の職人さんは頼もしい。
- リンさん
-
私もそう思います。
だから、台湾の市場が小さいゆえに
彼らに仕事がないのが本当にもったいないと思っていて。
- ーー
- それで、日本で印刷マネジメントのサービス(EP)を?
- リンさん
-
はい。新しく立ち上げた「EP」は、
私が長年お世話になっている
台湾の印刷所と組んでやっています。
-
このまえ箔押しの見本帳が完成したのですが
かなりこだわってつくり込みました。
日本人の目線も絶対に必要だと思ったので、
日本デザインセンター出身のアートディレクター
加藤亮介さんにも加わってもらって。


- ーー
- こんなにたくさんの箔が……。
- リンさん
- 日本では見かけない箔も含めて、86種類あります。
- ーー
-
金箔や銀箔のイメージがありましたが、
マットなものやホログラム系まで、色々あるんですね。
楽しそうですが……いざやるとなると高そう(笑)。

- リンさん
-
意外とそうでもないんですよ。
台湾はそもそもの物価が安いので。それと、
仕組みとしても印刷工程を統合し、コストを抑えています。
- ーー
-
意外です。日本より費用を抑えて
台湾で箔押しや特殊加工の印刷が実現できるとは。
- リンさん
-
日本人にとっては、表現の幅が広がると思います。
仮に予算が限られていても、
柔軟に仕様を考えてデザインができる。
台湾にとっては印刷産業の振興にも繋がります。
EPを通して、日台の橋渡しができればと思っています。
- ーー
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予算とにらめっこしているデザイナーは多いはず。
リンさんの印刷知識や職人さんの実験精神の力を借りたら、
日台でおもしろいものがつくれそうですね。
(つづきます)


(箔押し印刷、実は職人さんの手仕事なのです)