もくじ
第1回はじめの気づき 2019-03-19-Tue
第2回診断がついたとき 2019-03-19-Tue
第3回夫の障害受容 2019-03-19-Tue
第4回療育に通ってみて 2019-03-19-Tue

子育て系メディアの編集者。コラム・エッセイの執筆も。
元療育指導員。2歳の娘と陽気な夫の3人家族。

障害って、なんだろう</br>ぐうたらこさんとお話しました。

障害って、なんだろう
ぐうたらこさんとお話しました。

担当・瀧波 和賀

第4回 療育に通ってみて

瀧波
では、実際に療育である支援園に通われて、
いかがですか?
たらこ
もともと発達障害に興味があったので、
イメージは悪くなかったです。
なんとなく、リハビリとかお勉強のイメージでした。
瀧波
イメージ悪くないって嬉しいです~。
通ってみて、印象は変わりましたか?
たらこ
予想してたより、ずっと素晴らしかったです!
 
習い事や幼稚園より、丁寧にみてもらえて、
ただの遊びにみえるけど、この動きに意味があるとか、
こうやって声かけするのか~とか、
今まで手探りだったことを親も教わってます!
瀧波
おお~たらこさんにもプラスなのですね!
たらこ
もちろんです!
接し方を教えてもらえるのも嬉しいし、
リラックスの場でもあるんですよ。
 
「レッスンはここでするから、
おうちでは無理させずに楽しくやって。」
と言ってもらえて、すごくラクになったんです。
瀧波
いい支援者だ…尊敬…。
たらこ
甘えさせたい気持ちと、
教えなきゃって気持ちの狭間で悩んでたから、
ほんとにありがたかった。
瀧波
うんうん、いい。
たらこさん自身にも、支援が届いているんですね。
たらこ
あ、そうだ!そうそう、それ!(笑)
 
あとね、娘ができることが増えると、
我が子のように一緒に喜んでくれるんですよ。
この存在がすんごい大きくて。
 
他の子に追いつかなきゃって思ってた頃には、
なかった感覚なんです。
瀧波
娘さんの成長をシンプルに喜べるかんじ?
たらこ
まさに!
「みんな違う」って当たり前なのに、
ずっと「普通」の基準を気にしてばかりだった。
瀧波
いまは、気にならないですか?
たらこ
ならないです。
娘が楽しく笑顔で過ごせるなら、なんでもあり!(笑)
瀧波
あり!!
2人
あははははは(笑)

たらこ
あのね、ちょっと聞いてほしいんですけど。
瀧波
はい、もちろん。
たらこ
前の園のときにね、お誕生日会があって。
娘はね、おお~きな声で自分の名前を言えたんです。
瀧波
うんうん。
みんなの前でね、がんばりましたね。
たらこ
そう、娘なりにがんばったのよ。元気にさ。
でもね、滑舌がわるくて、
先生とかお友達は聞き取れなくて。
瀧波
はい。
たらこ
みんな、笑うの…あははって…。
ヘンなの~みたいにさ…。
瀧波
…はい。
たらこ
別にね、悪気なかったとおもう、みんな。
娘のことバカにしたってより、
ちょっとおかしくて笑っただけだと思うの。
瀧波
そうですね、はい。
たらこ
でもさ、私はもう、心がザワザワして。
誕生日のお祝いだったのにって。
 
このさき、同じようなことを繰り返して、
自信をなくして萎縮していく娘を想像してさ。
もうほんと悔しくて悲しくて、
帰りの車で泣いたよね…ああ、いまも…。
瀧波
はい…。たまらないです。
悲しいことがありましたね…。
 
どうして、お話してくださったんですか?
たらこ
成仏!!
瀧波
ふふふ(笑)
 
いまの園では、なにか変わりましたか?
たらこ
支援園で、この状況は一変しましたね!
娘があいさつすると、他のお母さんまで褒めてくれて、
お友達も誰も笑いません。
先生たちも、親のことまで気にかけてくれます。
瀧波
それは安心できますね~。
たらこ
はい。娘自体は変わってなくても、
環境がちがうと、こんなに安心できるんだって。
それが一番の変化ですね。
 
ついていけてないかもって見守る気持ちは、
つらかったんです。
ザワザワしちゃって。不安でした。
瀧波
なるほど。
たらこさんにとっても療育は、
「安心の場」なんですね。
なんというか…聞けてよかったです。
たらこ
すごいお仕事だなって思う。
最初にあった、無意識の抵抗感は、
通って2か月で、すっかりなくなりました。
 
いまはもう大満足で、
心から転園してよかったです!
娘が笑顔でいられる場所がみつかって、
とにかく嬉しいですね!
瀧波
よい園に出会えてよかった…。
 
療育に通われてるいま、
たらこさん自身の考え方も変化しましたか?
たらこ
うん。知らなかった世界がみえたかんじ。
いまの日本は、とにかく、
協調性が大事にされているじゃないですか?
瀧波
はい。
たらこ
その足並みをそろえる感じが、
特に発達障害の人には合わないんだと思う。
私も、娘を「普通にしなきゃ」ってなってた。
瀧波
それも親心ですよね。
たらこ
そう。
親だから、生きる力はつけさせてあげたい。
依存や二次障害から守りたいしね。
瀧波
はい、わかります。
たらこ
でも、この子たちを「普通」にはめこむより、
世の中が「多様性」をもつほうが、健全じゃない?
とも感じるの。
瀧波
まったく同感です。
障害とは個人ではなく、環境の側にあると、
私が勤めていた施設は考えていましたね。
たらこ
環境って?
瀧波
社会リソースや人々の無理解ですね。
 
私は視力がわるいのですが、
たまたまメガネとコンタクトがあるので、
日常生活に不便はないです。
たらこ
あ、メガネがなかったら、
視覚障害者ってこと?
瀧波
ですです。
開発してくれた人のおかげです。
同じように、
車イスの方の不便は、世の中の作りにあります。
健常者中心に作ったから、こうなってます。
たらこ
うわ~ほんとそうだわ~。
娘も、一斉教育だから困ってた…。
 
なんか、大げさかもしれないけど、
発達とか不妊とか多国籍とかさ、
マイノリティが生きやすい社会は、
すべての人が生きやすい社会じゃん、って。
瀧波
おお!そのとおりすぎる~。
たらこ
ね!そのほうが、楽しいって思う。
 
療育は娘に生きやすさを教えてくれて、
家族一同すっごく感謝だけど、
そもそもの社会が、
もっと多様になってほしい。
瀧波
はい、そうですね。
たらこ
私個人としては、いろんな人がいることを知って、
発信していきたいなって。
人間全体の、おもしろさ、みたいなものをさ。
瀧波
はい。すっごく、楽しみです!
たらこ
あ~話した!楽しかった!!
瀧波
いえいえ、こちらこそ!
 
また、お話を伺いたいです。
半年、1年と通って、娘さんの学年があがると、
また課題感やご心境はかわると思いますので。
たらこ
そうだろうな~想像できない!
でもまた、成仏させてほしい(笑)
瀧波
しましょう、しましょう(笑)
 
このたびは、本当にありがとうございました!!

(おわります。)