- 瀧波
-
では、実際に療育である支援園に通われて、
いかがですか?
- たらこ
-
もともと発達障害に興味があったので、
イメージは悪くなかったです。
なんとなく、リハビリとかお勉強のイメージでした。
- 瀧波
-
イメージ悪くないって嬉しいです~。
通ってみて、印象は変わりましたか?
- たらこ
-
予想してたより、ずっと素晴らしかったです!
習い事や幼稚園より、丁寧にみてもらえて、
ただの遊びにみえるけど、この動きに意味があるとか、
こうやって声かけするのか~とか、
今まで手探りだったことを親も教わってます!
- 瀧波
- おお~たらこさんにもプラスなのですね!
- たらこ
-
もちろんです!
接し方を教えてもらえるのも嬉しいし、
リラックスの場でもあるんですよ。
「レッスンはここでするから、
おうちでは無理させずに楽しくやって。」
と言ってもらえて、すごくラクになったんです。
- 瀧波
- いい支援者だ…尊敬…。
- たらこ
-
甘えさせたい気持ちと、
教えなきゃって気持ちの狭間で悩んでたから、
ほんとにありがたかった。
- 瀧波
-
うんうん、いい。
たらこさん自身にも、支援が届いているんですね。
- たらこ
-
あ、そうだ!そうそう、それ!(笑)
あとね、娘ができることが増えると、
我が子のように一緒に喜んでくれるんですよ。
この存在がすんごい大きくて。
他の子に追いつかなきゃって思ってた頃には、
なかった感覚なんです。
- 瀧波
- 娘さんの成長をシンプルに喜べるかんじ?
- たらこ
-
まさに!
「みんな違う」って当たり前なのに、
ずっと「普通」の基準を気にしてばかりだった。
- 瀧波
- いまは、気にならないですか?
- たらこ
-
ならないです。
娘が楽しく笑顔で過ごせるなら、なんでもあり!(笑)
- 瀧波
- あり!!
- 2人
- あははははは(笑)

- たらこ
- あのね、ちょっと聞いてほしいんですけど。
- 瀧波
- はい、もちろん。
- たらこ
-
前の園のときにね、お誕生日会があって。
娘はね、おお~きな声で自分の名前を言えたんです。
- 瀧波
-
うんうん。
みんなの前でね、がんばりましたね。
- たらこ
-
そう、娘なりにがんばったのよ。元気にさ。
でもね、滑舌がわるくて、
先生とかお友達は聞き取れなくて。
- 瀧波
- はい。
- たらこ
-
みんな、笑うの…あははって…。
ヘンなの~みたいにさ…。
- 瀧波
- …はい。
- たらこ
-
別にね、悪気なかったとおもう、みんな。
娘のことバカにしたってより、
ちょっとおかしくて笑っただけだと思うの。
- 瀧波
- そうですね、はい。
- たらこ
-
でもさ、私はもう、心がザワザワして。
誕生日のお祝いだったのにって。
このさき、同じようなことを繰り返して、
自信をなくして萎縮していく娘を想像してさ。
もうほんと悔しくて悲しくて、
帰りの車で泣いたよね…ああ、いまも…。
- 瀧波
-
はい…。たまらないです。
悲しいことがありましたね…。
どうして、お話してくださったんですか?
- たらこ
- 成仏!!
- 瀧波
-
ふふふ(笑)
いまの園では、なにか変わりましたか?
- たらこ
-
支援園で、この状況は一変しましたね!
娘があいさつすると、他のお母さんまで褒めてくれて、
お友達も誰も笑いません。
先生たちも、親のことまで気にかけてくれます。
- 瀧波
- それは安心できますね~。
- たらこ
-
はい。娘自体は変わってなくても、
環境がちがうと、こんなに安心できるんだって。
それが一番の変化ですね。
ついていけてないかもって見守る気持ちは、
つらかったんです。
ザワザワしちゃって。不安でした。
- 瀧波
-
なるほど。
たらこさんにとっても療育は、
「安心の場」なんですね。
なんというか…聞けてよかったです。
- たらこ
-
すごいお仕事だなって思う。
最初にあった、無意識の抵抗感は、
通って2か月で、すっかりなくなりました。
いまはもう大満足で、
心から転園してよかったです!
娘が笑顔でいられる場所がみつかって、
とにかく嬉しいですね!
- 瀧波
-
よい園に出会えてよかった…。
療育に通われてるいま、
たらこさん自身の考え方も変化しましたか?
- たらこ
-
うん。知らなかった世界がみえたかんじ。
いまの日本は、とにかく、
協調性が大事にされているじゃないですか?
- 瀧波
- はい。
- たらこ
-
その足並みをそろえる感じが、
特に発達障害の人には合わないんだと思う。
私も、娘を「普通にしなきゃ」ってなってた。
- 瀧波
- それも親心ですよね。
- たらこ
-
そう。
親だから、生きる力はつけさせてあげたい。
依存や二次障害から守りたいしね。
- 瀧波
- はい、わかります。
- たらこ
-
でも、この子たちを「普通」にはめこむより、
世の中が「多様性」をもつほうが、健全じゃない?
とも感じるの。
- 瀧波
-
まったく同感です。
障害とは個人ではなく、環境の側にあると、
私が勤めていた施設は考えていましたね。
- たらこ
- 環境って?
- 瀧波
-
社会リソースや人々の無理解ですね。
私は視力がわるいのですが、
たまたまメガネとコンタクトがあるので、
日常生活に不便はないです。
- たらこ
-
あ、メガネがなかったら、
視覚障害者ってこと?
- 瀧波
-
ですです。
開発してくれた人のおかげです。
同じように、
車イスの方の不便は、世の中の作りにあります。
健常者中心に作ったから、こうなってます。
- たらこ
-
うわ~ほんとそうだわ~。
娘も、一斉教育だから困ってた…。
なんか、大げさかもしれないけど、
発達とか不妊とか多国籍とかさ、
マイノリティが生きやすい社会は、
すべての人が生きやすい社会じゃん、って。
- 瀧波
- おお!そのとおりすぎる~。
- たらこ
-
ね!そのほうが、楽しいって思う。
療育は娘に生きやすさを教えてくれて、
家族一同すっごく感謝だけど、
そもそもの社会が、
もっと多様になってほしい。
- 瀧波
- はい、そうですね。
- たらこ
-
私個人としては、いろんな人がいることを知って、
発信していきたいなって。
人間全体の、おもしろさ、みたいなものをさ。
- 瀧波
- はい。すっごく、楽しみです!
- たらこ
- あ~話した!楽しかった!!
- 瀧波
-
いえいえ、こちらこそ!
また、お話を伺いたいです。
半年、1年と通って、娘さんの学年があがると、
また課題感やご心境はかわると思いますので。
- たらこ
-
そうだろうな~想像できない!
でもまた、成仏させてほしい(笑)
- 瀧波
-
しましょう、しましょう(笑)
このたびは、本当にありがとうございました!!
(おわります。)
