- 瀧波
-
旦那さんには、
たらこさんから診断内容を伝えたんですか?
- たらこ
-
そうです。
これがもう…大変で!
- 瀧波
- おお…どんな様子でした?
- たらこ
-
とにかく診断を信じてなかったですね。
障害ってほどかな?個性の範囲でしょ?って。
- 瀧波
-
うんうん。
ピンとこなかったのですね。
- たらこ
-
そうそう。
1日中一緒にいる私とちがって、
他の子との「ちがい」を目の当たりにする機会がないから、
心底不思議がってましたね。
なんなら、私の教え方の問題だ、
みたいなニュアンスのことも言われてしまって。
今から自分がきちんと教え直せば、
周囲に追いつけるって思ってました。
- 瀧波
-
旦那さんの気持ちもわかるけど、
たらこさんはツライですね。
- たらこ
-
そ~!あの時はピリピリしちゃった。
私のせいで娘に診断がでた、
みたいに言われてる気がして…。
他のご夫婦も、
夫の方が受容しにくいとかありますかね?
- 瀧波
-
そうですね…。
もちろん、ご家庭によってそれぞれです。
ただ、他児と接する機会が多い親が認知しやすい、
という傾向はあるかもしれません。
旦那さんが保育士さんや教職だと、
アレ?と思うフックが多いはずなので。
- たらこ
-
あ、それはそうかも!
一概に言えないものですね。
- 瀧波
-
ですね。
子も親も、それぞれですね。
旦那さんはその後、
どういった反応をされたんですか?
- たらこ
-
パズルとか、カードや教材を買いまくってました。
私が障害受容してほしくて、
発達検査でこれができなかった、って言うでしょ?
- 瀧波
- はい。
- たらこ
-
「じゃあそれ、今日から練習しよう。
それで挽回しよう。」って言うんです。
- 瀧波
- ああ…はい。
- たらこ
-
ね、そういうことじゃないよね。
何もパズルできないから障害とか、
そんなことじゃなくて。
これは総合的にみた結果なんだよって言っても、
「練習がたりないだけ。」の一点張りで、
まったく話になりませんでした。
- 瀧波
-
まさに障害受容の過程ですね。
そう…簡単じゃない、ですよね。
- たらこ
-
そうだと思う。
時間がね、必要だったのかもね。
あと情報と。
- 瀧波
- 情報ですか?
- たらこ
-
娘のリアルな「困り感」の情報かな。
運動会の練習で、一人だけ指示についていけないとか。
お絵かきのレベルが周囲より低いとか。
そんなことを根気よく説明していきました。
そしたら最後には、
「娘にとって一番いい場所を探そう」って。
- 瀧波
-
たらこさんが、寄り添われたのですね。
説明のためとはいえ、
できない部分を伝える会話は、苦しかったのでは?
- たらこ
-
そう…うん。
自分でも再確認しながらになっちゃうし、
娘のいいところたくさん知ってるから、
ツライ会話でしたね。
- 瀧波
-
ですよね…ありがとうございます。
娘さんのいいところ、ぜひ聞かせてくれませんか。
- たらこ
- え、めっちゃありますよ?(笑)
- 瀧波
- あはは、ぜひぜひ!

- たらこ
-
まず、優しいです。
お友達にも家族にも優しくて、
いじわるしたり乱暴したりしません。
穏やかなんです。
- 瀧波
- うんうん。
- たらこ
-
あと、まじめで、
苦手なことにも一生懸命とりくみます。
自分ができなくても、
できた子に「すごいねー!」って言えます。
弟のこともすごくかわいがってて、
2人が仲良く遊んでるのをみると、
いいお姉ちゃんだなって、
私がジーンとしちゃって…。
- 瀧波
-
めっちゃ素敵なエピソードに、
私もデトックスしてます…!
- たらこ
-
ふふふ。
ほんとにね、かわいい。
旦那も、そこは同じように思ってるんです。
- 瀧波
-
はい。わかります。
旦那さんも、娘さんがだいじで、
だからこそ、簡単に納得できないんですよね。
どうでもいいことじゃないから。
- たらこ
-
うん。
私も旦那も、必死だった。
「娘にとっていい環境」がわからなくて。
あ、でも診断がでて、夫婦にはプラスでした。
- 瀧波
- というと?
- たらこ
-
それまでは、
育児は専業主婦の私が担当って思ってたんです。
お風呂にトイレ…生活のことから、
ことばや勉強まで、ひとりで教えなきゃって。
- 瀧波
- はい。…大変そうです。
- たらこ
-
そう、大変!
だから、診断をきっかけに、
夫婦でグループラインを作ったんですよ。
療育や発達のことを細かく共有して、
できなかったことを夫が教えてくれたりして。
- 瀧波
- へー!いいですね~!
- たらこ
-
私が教えなきゃ!ってプレッシャーがなくなって、
なんだ~みんでやればいいのか~って思えました。
娘と夫の仲も深まったように感じるし、
夫婦で育てている実感が、いますごくあります。
- 瀧波
-
そうか~。
障害受容のために娘さんの成長をシェアした時間が、
すごくいいカタチの習慣になったのですね。
- たらこ
-
いまはほんとにそうです!
旦那は上司じゃなくて、仲間だよって、
診断がでる前の私に言いたいくらいです(笑)
- 瀧波
-
ふふ(笑)
いまは支援園(療育)に移られてますよね。
こちらもなにか、変わりましたか?
- たらこ
-
変わった!
やっぱり、専門家だらけの園は、
ぜんぜんちがいました。
- 瀧波
- では、つぎは支援園のお話を聞かせてください。
(続きます。)
