もくじ
第1回はじめの気づき 2019-03-19-Tue
第2回診断がついたとき 2019-03-19-Tue
第3回夫の障害受容 2019-03-19-Tue
第4回療育に通ってみて 2019-03-19-Tue

子育て系メディアの編集者。コラム・エッセイの執筆も。
元療育指導員。2歳の娘と陽気な夫の3人家族。

障害って、なんだろう</br>ぐうたらこさんとお話しました。

障害って、なんだろう
ぐうたらこさんとお話しました。

担当・瀧波 和賀

育児ブロガー・ぐうたらこさん。
あかるく赤裸々な記事で人気の彼女は、
2018年、年少の娘さんに発達障害があると知ります。

障害の可能性を感じたきっかけ。
診断がでたときのお気持ち。
旦那さんと障害受容していく過程。
そして、療育に通う現在の心境まで。

PC画面越しの対談で、たっぷり伺いました。

この記事で「正解」や「お手本」は語られません。

最愛の我が子に、障害がみつかる。
その現実を体験された、ひとつのご家庭。
ありのままの、記録です。

ぐうたらこさんと以前からSNS上で交流があった、
元・療育指導員の瀧波が担当します。


(※障害受容…自身や家族に障害があると知り、受け入れていくこと。)
(※療育…主に発達障害のあるお子さんに対して、専門的な支援をする通所施設。)

プロフィール
ぐうたらこさんのプロフィール

第1回 はじめの気づき

瀧波
本日は、よろしくお願いいたします。

ぐうたらこ(以下、たらこ)
いえいえ!
こちらこそお声がけいただき、すごい嬉しかったです!

瀧波
なんと恐縮な…。
テーマとしてはセンシティブなので、
お引き受けいただきありがたいです。
たらこ
ふふ、私もね、グルグル考えていたものを整理したくて。
診断がでて、幼稚園を転園して…。
本当に怒涛の数カ月だったので。
瀧波
はい…そうですよね。
順番に伺えたらと思ってます。
たらこ
はい!楽しくお話したいです!!
瀧波
ありがとうございます!
 
さっそくですが、
診断が出た段階で、娘さんは年少さんですよね。
受診のきっかけは、なにかありましたか?
たらこ
はじめにアレ?と思ったのは、1歳半くらいのときです。
語彙とか滑舌…全体的に、ことばが遅いなって。
 
あと、うまく表現できないのですが、
表情や動作に、妙にカタさがあるなって。
他の赤ちゃんと比べると、なんだかちがう気がしました。
瀧波
違和感がある…という感じでしょうか?
たらこ
ですです。
でも、まだ赤ちゃんだし、個人差もあるし、
不安だけど、深刻には考えてなかったんです。
マイペースな子なんだなって。
瀧波
ええ、ええ。
たらこ
そしたら、2歳前後で、
クレーン行動やつま先歩きが気になってきて…。
自閉症の子の症状だっていわれていることを知っていたので、
不安が強くなって、旦那にも相談しました。
 
でも、ちっとも共感してもらえなかった。
むしろ、私の育て方や接し方を指摘されました。
瀧波
ええ!それは…おツラかったですね…。

たらこ
そう…もうなんかね、予想できたけど、キツかった。
 
実はね、旦那も私も発達の傾向あるよねって前から話してて。
彼は経験のないことや、感情に共感するのが苦手。
私は注意散漫だなって、自分で思います(笑)。
 
だから、子供にも何かしらあるかもって、
ずっと思ってはいたんですよ。
瀧波
そうだったんですか。
でも、予想があってもいざ直面すると、ちがいますよね。
たらこ
ほんとそうでした。
覚悟してたつもりでしたけどね。
 
旦那に不安を共有してほしくて、娘の様子を話すんです。
あれができないこれができない、他の子はこうだって。
 
でも言えば言うほど、
娘の悪いところを探しているような気がしてしまって…。
瀧波
はい…苦しい気持ち…ですね。
たらこ
うん…。
旦那にわかってほしくて、あれこれ言うくせに、
心の別の場所では、
「自分のせいであってほしい」とも思うんです。
 
私の接し方が悪くて、そのせいで成長が遅いだけなら、
私さえうまく育児できるようになったら、治るからって…。
  
でもでも、「心配だね、君のせいじゃないよ」って、
言っても欲しかった。
ああそう、そうだ、そう思ってた。
ぐっちゃぐちゃでした。
瀧波
いえ、どちらも当然のお気持ちだと思います。
たらこ
ないんだよね、まだ診断がでる前に、
こういうぐちゃぐちゃを聞いてくれる場所。
いま言葉にして、やっとなにかが成仏した気がする…。
瀧波
成仏…わかるような、気がします。
 
私は療育の指導員でしたので、
すでに支援を受けているご家庭にしか触れてきませんでした。
そこまでの道のりを、いま教えてもらっています。
たらこ
…えへへ(笑)
瀧波
ふふふ(笑)
 
では、本格的に障害の可能性を考え出したのは、
娘さんが2歳をすぎた頃だったのですね?
たらこ
いえ、2歳半検診で異常なしだったこともあり、
まだうっすら心配していただけでした。決定的じゃなかった。
 
ことばが特に気になったので、
言語聴覚士さんの「ことばの教室」に相談しました。
瀧波
なるほど。
診断はない状態で、お教室に通ったのですね。
たらこ
そうです。
そこでも、別にそんなに心配してないよって自分と、
本当はすっごく不安って自分が、両方いました。
 
「母親なら我が子を信じなきゃ!」
みたいな思いがありましたね。
先生と話してるときに泣けて、気が付きました。


瀧波
成仏…だいじ…。
たらこ
ほんっっとに!
プロに相談できるだけで、ずいぶん救われましたね。
 
そのまま娘は一般の幼稚園に入園して、
はっきりと障害の診断がでたのは、
3歳半のときです。年少さんの夏でした。

(続きます。)

第2回 診断がついたとき