- パク
- 自分の国の料理を食べる時が、一番幸せ。
- ーー
- ああ、やっぱりそうですよね。
- パク
-
休みの日に、新大久保とか赤坂に行ったり。
自分の作れないものとか、いっぱい食べちゃう。
- ーー
-
うん、わかります。
パクさんはなんで日本でバーテンダーを?
- パク
- もともとは、軍隊終わったあとに・・・
- ーー
-
ああ、軍隊!そうですよね。
何歳からですか?大変でしたか?
- パク
-
19歳から。2年です。
その時は大変だったけど、
もう終わってから7、8年経ってるので。
- ーー
- はい。
- パク
-
で、軍隊終わって、大学戻って。
そのとき、学校通いながらお金稼がなくちゃいけない状況で。
- ーー
- 家庭の事情とかで?
- パク
-
家の事情と、自分でちゃんとしたいなっていうのもあって。
そのとき姉と一緒に住んでた場所が、
ソウルの、東京でいう六本木みたいなところだったんです。
外国人もいっぱいいて。
横には米軍基地があって。
そこにアイスホッケーのゲームを
流しっぱなしにしているパブがあったんです。
- ーー
- アイスホッケー?
- パク
-
アイスホッケーってカナダが有名じゃないですか。
お母さんの妹の旦那さんがカナダ人で、
その人にすすめられて、自分、高校のときに
アイスホッケーやってたんです。
それと、ビールが一番好きだったから、
働くなら、絶対そこがいいって。
- ーー
- なるほど。
- パク
-
2年ぐらいビール注ぐだけ。
お酒のことなんにも知らなかったけど、
でもやっぱり気にはなっていて。
だんだんバーにも行くようになりました。
そこで、うわ、いろんな世界があるんだなって知って。
それで、バーテンダーをやってみようって。
学校卒業するまでの経験としてっていう、そんな軽い気持ちで。
それが始まりでした。
- ーー
- へええ。
- パク
-
パブから、カジュアルなカクテルバーに移って、
バーテンダーの仕事を始めたんですけど、
そこが閉店することになって。
そのときに、そこの社長さんが、
本当にやってみたいなら、
クラッシックスタイルのバーで
勉強した方がいいんじゃない?って。
就活しようと思ってたんですけど、
やっぱり中途半端だったし、
卒業まではお金稼がないといけないし、
じゃあやってみようって。
で、行ったのが日本に来る前にいたバーです。
- ーー
- そうですか。
- パク
-
そこには2年半くらいました。
めっちゃ怒られながら。
マネージャーが、すっごい厳しかったんですけど、
でも、めっっちゃかっこよくて。
- ーー
- へえ!
- パク
-
その人を見て、ああ、バーテンダーって
ただカクテル作って、
サービスするだけじゃないんだ、
もっと深いところがあるんだなって、わかりました。
自分、本当に中途半端だったんだなって。
それで、自信を持ってバーテンダーやってたんですって
言えるようになるまで頑張ろうって。
- ーー
-
なるほど。
日本に来たきっかけは?
- パク
-
今働いている東京のバーのマネージャーが、
韓国のそのバーにセミナーで来たんですよ。
で、縁ができて、日本に来るたびに挨拶に行ってました。
実は、今はもういないんですけど、
その東京のバーに、女性のバーテンダーがいたんです。
その子、めっちゃ可愛くて。
- ーー
- ほお。
- パク
-
それで、何回か、日本に行って、
そのたびにマネージャーにも挨拶して。
- ーー
- はい。
- パク
-
でも、一番の目的はその子に会いたくて。
マネージャーへの挨拶はついで、というか(笑)、
彼女に会いたくて。
(恋に国境なんて?!つづきます)