もくじ
第1回57通りの"東京" 2019-03-19-Tue
第2回きれいなままにしておきたい場所 2019-03-19-Tue
第3回「自分もできそう」と思える中心地 2019-03-19-Tue
第4回テレビで見るはじまりの場所 2019-03-19-Tue
第5回あたりまえの存在 2019-03-19-Tue
第6回これからことばにしていきたい街 2019-03-19-Tue

平成生まれゆとり育ち。会社勤めのグラフィックレコーダーです。絵の表現を学びつつ、文字にももっと馴染みたいと勉強中です。

"東京"って、なんだ?

"東京"って、なんだ?

担当・明日美

第2回 きれいなままにしておきたい場所

最初、Kに”東京”について質問したとき、
「わたしも昔、東京について書いたことある!」って
紹介してくれた記事(※)がすごく面白くて。
K
あの記事はもう6~7年前、就職直後に、
仙台で働いていたときに書いた文章なんだよね。
東京に戻る選択肢があった頃だから、今の感情とは違うかな。
そっか。Kは名古屋出身で、東京、仙台、京都…って
たくさんの街に住んできたと思うんだけど、
住んでいた場所とか時期で、東京への印象って違うんだ?
K
ぜんぜん違うと思う。大学4年間東京で過ごして、
最初の勤務地が仙台、ってなったときは、
「東京からはじかれてしまった」って感じてた。
はじかれてしまった。
K
うん。大学の友だちはみんな東京に残っていたから、
人間関係がほとんど全部東京にあったのが大きかったと思う。
記事の中でも、東京は「会いたい、会わなくてはいけない
人たちがたくさんいる」場所って書いてあるもんね。
K
うん。就職直後は仕事でいっぱいいっぱいだったし、
仙台に友だちが少なかったからね。
はじかれてしまった、って孤独を感じていたのかも。
 
今となっては、仙台のよさはすごく感じていて。
観光地もあるし、本当に住みよい街で好きだったなぁ。
友だちが少ない状況っていうのは、
名古屋から東京の大学に進学したときも同じだった?
K
そうだね、友だちがいない状態で東京に出てきたけど、
大学寮に入ったから、入学式前から顔見知りはいたんだよね。
 
東京で過ごした大学4年間は、
楽しいことでいっぱいいっぱいで、
孤独を感じるヒマはなかったかな。
そうか、東京に住んでたのは大学の間だけだったんだ。
K
うん。だから、働くストレスも感じたことないし、
ルンルンな思い出ばっかり詰まってる。
 
東京で就職していたら、違った思い出の場所になったかも。
東京はきれいなままにしておきたい場所かな。
地元の名古屋から東京に出るときは、
「東京に来たい!」って思って出てきたの?
K
ううん、本当は名古屋も離れたくなかったよ。
仲良い友達も多かったから、名古屋大好きだったしね。
名古屋便利だもんね。
K
うん、名古屋も都市だから、
楽しいものは事足りるんだよね。東京ほど混んでないし。
それでも名古屋を出たのはなんで?
K
第一志望の大学が東京だったからね。
18歳のときに、好きな土地を出る決断するの、すごいなぁ。
K
あとは、両親が「なんで名古屋を出なきゃいけないの?」
というタイプだったこともあって、
大学進学のタイミングで出ないと一生出ないかもな、と。
出てよかったな、って思う?
K
うん、いろんな土地に住んでよかった。
今でもネタになるよ。
一回名古屋を出て、今は名古屋に住んでいるわけだけど、
戻ろうって思ったきっかけはある?
K
仙台から異動して、京都で働くようになってからは、
名古屋に帰るという道が見えはじめたと思う。
今の旦那と付き合い始めて、彼も名古屋に住んでいたしね。
状況が変わると、また東京に対するイメージは変わるものなの?
K
うん、東京に戻る選択肢がなくなったから。
今の東京は、結婚式で行く場所になったかな。
東京に来る目的が変わったんだね。
K
あとは、行く場所も変わった。
昔は、吉祥寺とか高円寺とかこまごま行ってたけど、
今思えば住んでいるから行きたいエリアだったなって思う。
今は、行きたい場所は違う?
K
今、観光として東京に行くなら…
絶対に行きたい場所って、ないかもしれない。
たしかに。わたしも東京観光で案内したい場所ってないかも。
K
なんだろう…ディスニーランドとかになるかも。
東京に住んでたころ、行ったことなんてほぼないのに(笑)。
東京で行きたい場所って難しいね。
ほかに、東京について思いつくことってある?
K
今でも変わらず東京を感じることと言えば、
名古屋から新幹線で東京に向かうとき、
品川に入るより前から急にビル群が見え始めるんだよね。
 
それが見えると「こんにちは、東京」って心の中でつぶやく。
一番東京を感じるときかもしれない。
そうなんだ、いいね。
K
あと、山手線に乗って窓から原宿の竹下通りが見えるとき、
今でもガッツポーズしたくなるんだよね。
竹下通り?
K
そう。高校1年生の頃、初めて家族と東京旅行に来たとき、
絶対に竹下通りに行きたくて連れて行ってもらったことがあって。
 
当時は雑誌の「Seventeen」とかマンガの「GALS!」とかを読んで、
渋谷とか原宿に憧れてたんだよね。
東京で生活し終えた今でもそう思うんだ。
K
うん、高1の頃の気持ちが今でも残ってる。
この先もずっと、見る度にガッツポーズしたくなるんじゃないかな。

(次のインタビューは、東京に来た人です。)

(※)以前開設されていた小沢健二さんの公式tumblrへの、Kによる投稿文はこちらです。

第3回 「自分もできそう」と思える中心地