もくじ
第1回男の人が苦手だった 2019-03-19-Tue
第2回学生時代はきつかった 2019-03-19-Tue
第3回絵で人とつながれた 2019-03-19-Tue
第4回出会い系で結婚 2019-03-19-Tue
第5回力を抜いて過ごせる日々が待っている 2019-03-19-Tue
第6回一つの出会いで世界が変わる 2019-03-19-Tue

沖縄で編集・ライターをしています。
おいしいものと心地いい陽気が好きです。

あのころ苦しかった私たちへ

あのころ苦しかった私たちへ

担当・カワノリナコ

第5回 力を抜いて過ごせる日々が待っている

カオルをインタビューした翌日(ちなみに締め切り前日)の早朝5時、
カオルからラインでノートが届きました。
ぜひ載せたいなぁと思ったので、許可を得て載せます。

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夜中ふと目が覚めて、リナコと話したことを思い出してました。
幸せそうに見えると言ってもらって、なんだかとてもうれしかったよ。
そういえば時期を問わず「おめでたなの?」って聞かれることが多いです。
ただ単に、出っ腹といえばそれまでなんだけど、
それを言われるのが毎回なんか全然イヤじゃないのよね。
夫に「いつも幸せそうに見えるからじゃないの?」って言われたせいかな。

昔しんどそうだったって言われて、ああそうだったって思い出した。
あのころ(中高~28歳くらいまで)、よくべそべそに泣いていた。
何があんなに苦しかったんだろう。
たしか自分のことを、周囲を不快にさせることしかできない、
居ない方がいい人間だ。消えてしまいたいと強く感じていた。
あのころ目を腫らして泣いてノートを小さい字で真っ黒に埋めてた自分は、
たしかに私なのに、どこか別の人間のことのように感じる。

あんなに長く強く自分の中にあったネガティブな感情を、
ずっと思い出すことがなかった。
これってちょっとびっくりよね。

あのころの私に、
この先もっと力を抜いて過ごせる日々が待ってますよーと教えてあげたい。
悩みなさげに、幸せそうに、妊婦さんに見られてしまう毎日が。

逆に言えば、あまりものを深刻に考えず、考えてもすぐ忘れて、
あーまた失敗しちゃったわあって言いながら、
日々のあれやこれに飲み込まれていく毎日でもある。

あのころの自分は、今の私を見てがっかりするかな。
きれいでも賢くもなく、ズボラでいいかげんだし、
なんかいつも全体的にゆるんでいる。
そういえば、あのころは何をするにも緊張してたな。張りつめてた。

今のゆるい自分を、そんなに嫌いでないのは、
いろんな人に肯定してもらえたからなんだろうな。

しんどくて、相当面倒くさい人間だった時期から、
つながり続けてくれたリナコの存在も大きいと思う。
一緒に絵の活動をしてた友だちも、私の鬱々した部分を知ってくれていた。

あの状態の私に友だちが居たことは、実は奇跡的なことなのかもしれない、
と思ってなんか涙が出ました。ありがとう。

絵の展示会のタイトルで
「ちまり ゆるり わさり」というのがありました。
当時は感覚的につけたけど、私の活動をよく表しているようにも思う。
ちまちまと空間埋めるように描き、姿勢としてはゆるく
(技術的な向上とか、これを職業にしようとかあまり考えてない)、
結果的になんかわさわさした、森のような絵が生まれる…みたいな。

     

絵の活動を、いいねと言ってもらえたことは、
私が生きるのにすごく力になった気がします。
あの活動を通して、いろんな人達と出会えた。
妹たちや友達含め、いろんな人達の助けが無かったらできないことでした。
すごく恵まれた、ミラクルなことだったのだとあらためて感じます。

そうして、今のゆるくていいかげんな私を、
そのままでいいのよって言ってくれる夫の存在はやはり大きいのだと思う。
この人は多分、よっぽどのことが起こっても、
わたしの味方でいてくれるだろうと信じられる。

あとね、私が絵に描こうとしてるイメージについてすこしだけ。
好きな音楽を聴いてるときに
(たとえばEGO-WRAPPIN’のWHOLE WORLD HAPPYとか)、
どうしようもなく嬉しく気持ちよくて、
体のあちこちから沢山の芽が出て、それらがぐんぐん伸びて、
わたしの体は養分になって、枝葉はどんどん広がって、
こんもりした森のようになってーという感じになります。
多幸感というのかな。
私の中で、一番気持ちのいいしあわせなイメージ。
トトロのドングリの発芽シーンとか
もののけ姫のシシ神が歩いた跡から植物がにょにょって生えて伸びて朽ちる
みたいなシーンにすごく近いと思うのです。

長くなっちゃった。
だらだら書いちゃうのは、父親の血なのかねー(笑)
インタビューのときに思い出せなかったので、参考までに☆
最後になったけど、私のこと書いてくれようとしてくれて、ありがとう。

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その翌日、カオルから来たメールの一部を紹介します。

私がイヤイヤながらも大学に復学したときも、
恐々と出会い系サイトに登録したときも、
不安ながらも人前で絵を描き始めた時も、
実際に行動してみると、ものごとがすごく動きだした。
後から考えると、そうだった。
そうして、助ける手がちゃんと待っていた。
及び腰で行動をおこしてみると、私のまわりがぐんぐん動き出していた。

              (続きます)

第6回 一つの出会いで世界が変わる