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学生の時はどうだった?
カオル:
中1の時に女子のグループにうまく入れなかったんだよね。
私も面白い人間じゃないし、
おしゃべりしててもうまい返しができなくて、
どんどんはぶられてくるのが分かって。
たまたまそのとき中間テストで10位くらいになって。
あいつ勉強できるのかって一枠できたっていうか。
それから私は勉強に一生懸命だから、
そっち側には混じりたくないんですっていう風にしたかった。
- ───
- ストイックに勉強してたよね。
- カオル
-
勉強をがんばるキャラでしかやっていけなかったから
そこにしがみついていたんだはず。
でも進学校の高校に行ったら、元があんまり賢くないから
成績ががた落ちして、びっくりした。
- ───
- 分かるー! 私もそうだった。
- カオル
-
壁の3面が黒板になっている数学専門の教室があったさ。
数式をズラズラーって書いていくんだけど、
何を書いているのかまったく分からなくて、怖いって思った。
- ───
- よく数学で赤点取って、一緒に追試とか再追試とか受けてたね。
- カオル
-
先生にも心配された(笑)。なじめなかったからかな。
国語の便覧(資料)見てリナコとしゃべったのよく覚えてる。
便覧であんなに話すことある?ってくらい(笑)。
- ───
- 本当よね。何話してたんだっけ(笑)。
- カオル
-
でもリナコとお互いに「キツイね」って共感し合えてたから、
気持ち的にはだいぶ楽だったな。

- ───
- 大学は国立だったよね。
- カオル
-
一浪して入学したけど、1回除籍になった。
何か変な癖が出て、人が怖くなって。
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- 休学じゃなくて除籍だったんだ。除籍って?
- カオル
- 必要な単位が足りなくて2年生に進級できなかった。
- ───
- 何でそうなったの。
- カオル
-
もともと集団は得意じゃないし勉強もついていけないし
サークルにも入ってみたけどなじめなかった。
周りは楽しげで大学生活を謳歌しているような気がした。
大学にいる意味も本当に分からなくなって。
なんかぐらぐらして。
大学の人が多い通りが歩けなくなるくらい人が怖かった。
せっかく40分かけて学校にいくのに、
教室のドアをどうしても開けられなかったりした。
授業にも出られなくなって、出席数が足りなくなって。
あれは、今考えてもすごい親不孝だね。
- ───
- 辞めることも考えた?
- カオル
-
親にお金出してもらうのも申し訳ないし苦しいし。
親に大学に行きたくない、働きたいって言ったのよね。
でも父親は何をしなくても、とにかく卒業しろと。
大学を辞める選択肢が許されなくて。
もう1回入り直すのは、すごいしんどかった。
このまま車で事故ったら入り直さなくて済むかなと、
バカなことも考えたくらい。
また同じことになるだろうと思ったけど、翌年戻った。
- ───
- 復学したんだね。
- カオル
-
相変わらず勉強についていけないし同級生は2歳年下だし。
一緒に入学した子は就活を始めていて、
何だかなぁと思ったけど。
私がぼんやりしてるからか、周りの人に優しくしてもらって。
年下の子が世話を焼いてくれたり、先生に気にかけてもらって。
それで何とか寂しさとか疎外感を感じずに卒業したなぁ。
- ───
- 卒業して良かった?
- カオル
-
卒業したからって何かを修めたわけじゃないけど、
ドロップアウトをした負い目は抱かずにすんだなぁ。
- ───
- 頑張ったね。
- カオル
-
長いこと大学生やったねぇ。
卒業は24歳だったなぁ。
(続きます)