もくじ
第1回朝と夜 2019-02-26-Tue
第2回かなしいとうれしい 2019-02-26-Tue
第3回晴れと雨 2019-02-26-Tue
第4回子どもと大人 2019-02-26-Tue

「The U(ザ・ユー)」ウェブマガジン編集長。イラストレーター。デザイナー。3月8日から3月15日まで原宿のカフェ「bio ojiyan cafe」で個展を開催。

ぼくの好きなもの混在。

ぼくの好きなもの混在。

担当・マスダ ヒロシ

好き。うつくしさを発見し、こころが向かうこと。
ぼくは、混じり合うものが好きです。

日本と海外の血が混ざった女性。
赤い糸と青い糸で編んだセーター。
自然と人の手を組み合わせたデザイン。

異なるものが混じり合うグラーデーションに、うっとりします。
みどりと青の星には、そんなうつくしい濃淡があふれています。

ぼくの好きな「混在」を、4つご紹介します。

第1回 朝と夜

2017年から1年半、海外をあっちこっち旅していました。

「旅してきて、なにが一番きれいだった?」という質問に、
「朝日や夕日かなあ」と答えると、
たいていの人はポカーンとします。
「朝日と夕日だなんて、どこでも見られるじゃないか」と
がっかりされるのかもしれません。

でも、ぼくは「朝」と「夜」が入り混じる景色が好きなんです。

暗闇のなかで朝日が顔を出す瞬間は、
赤ん坊が産声をあげたときのようなうつくしさ。
明るみのなかで夕日がさよならしていく瞬間は、
とことん生きた人が人生をおえたときのようなうつくしさ。

なーんて、たとえてみたけれど、
本物の朝日と夕日のうつくしさには、どんなことばも足りません。

人間が朝日や夕日を「うつくしいなあ」と思う感情は、
今だけじゃなくて、100年前、1000年前から
あったんじゃないでしょうか。
そして、これからも変わらないんじゃないかなあ。

1000年前から建てられたミャンマーのバガン遺跡。
そんな場所で夕日を見ていたとき、
愛を口ずさむカップルが隣にいました。

そんな二人を見て、夕日を見ながら「好きだよ」と告白するシーンは、
1000年前にもあったんじゃないかと想像をします。
そして、100年後、1000年後もあるんじゃないかなあ。

もし、2119年、3019年に
この文章を読んでいる人がいたら、教えてください。

そこで見える朝日や夕日はうつくしいですか?
まだ、夕日を見ながら、プロポーズをしますか?

「今はもう、地球でプロポーズじゃなくて、
木星でプロポーズが主流ですね」
そんなことを言われるのだろうか。

まあ、常識なんてひょいっと変わる。
そんな返答も覚悟をしておこう。

毎日休まずに、地球でこんなうつくしい出来事が
2回も起こっているなんて、すんごいですよね。

第2回 かなしいとうれしい