父から私へ。
昔よりほんの少し遠くに立った視点だから
みえてくるプレゼントが、いくつかあります。
例えば図書館へ通うこと。
父は、毎週末、市の図書館へ
私を連れていってくれました。
家族それぞれ、本を3冊ずつ選んで、
最後にモールに行ってお買い物をするのが決まり。
私は、静かでまだ読む本がたくさんある
あの空間が大好きでした。
本が私の人生にとって欠かせないものとなったのは、
この習慣がおそらく関係しているのだろうと思います。
そして、美味しいものを食べること。
といっても
グルメで贅沢なものを食べるということではなく、
その土地の美味しいものを父が選んで、
私たち家族に食べさせていました。
福島の家なので、主に地元の野菜や果物。
時には、岩手の牡蠣なども取り寄せていました。
私の果物好きって、おそらくこういう環境に
恵まれていたからなのだろうな。
実家は農業に近い仕事をしていたので、
こどもに向かって「このトマトはどういう栽培だ」など
父なりの解釈を語りながら
食べろ食べろと勧めてきた思い出。
私は幼いながら、時折「うるさいな……」と思いつつ、
ちゃっかり美味しいものを誰よりも食べていました。
私を彩るいろんな「好き」は、
出会いや経験が積み重なって
できているものだけど、
それがどこからつながっているのかなって考えると
やっぱり家族との思い出は外せないものみたいです。
そして、やだわ。うん、似ているわ。
そんな父だったので、私が上京してからも
季節折々の福島の野菜や果物を
箱いっぱいに送ってきてくれていました。
2011年の3月までは。