もくじ
第1回誤字・脱字は、あたりまえ。 2019-02-26-Tue
第2回笑っちゃうから、やめてくれ。 2019-02-26-Tue
第3回おばあちゃんの、魔法のことば。 2019-02-26-Tue
第4回おわりに。 2019-02-26-Tue

生まれも育ちも愛知県名古屋市の、24歳。
自他共に認める、おばあちゃん子です。
おばあちゃんがつくる料理の中で一番好きなものは、カレーライスです。

わたしの好きなもの</br>おばあちゃんとのメール。

わたしの好きなもの
おばあちゃんとのメール。

担当・こばやしつぐみ

さいきん、家族とメールしてますか?

わたしは、一緒に暮らしているおばあちゃんと
毎日のようにメールをしています。

この2月で80歳になった
おばあちゃんとのメールは、
「今日は何時に家に帰るよ」だとか、
「晩御飯は食べますか?」だとか、
そういった内容がほとんどで、
決して特別なものではない。
ついこのあいだまで、そう思っていました。

ですが、何かの拍子に
おばあちゃんとのメールのやり取りをSNSに載せたところ、
「なんだかほっこりする」
「会話が面白い」という感想が。

それからおばあちゃんとのメールを読み返してみると、
その時はなんとも思わなかった会話が、
とても大切で、
いとおしいものに思えてきたのです。

今回は、
そんなわたしとおばあちゃんのメールの内容を、
いくつか紹介したいと思います。

第1回 誤字・脱字は、あたりまえ。

おばあちゃんが携帯電話を買ったのは10年ほど前のこと。
そして、携帯(ガラケー)からスマホに機種変更したのは、
7年前くらいのことです。
年数だけ聞くと、まあまあ使いこなしているじゃないか、
と思うのですが、
いまでも誤字・脱字のクセは抜けていません。

例えば、こちらのメール。

(白色の吹き出しがおばあちゃんの発言、
緑色の吹き出しがわたしの発言です。)

・解説
これは2013年、8月23日のメール。
わたしの現在使用しているスマートフォンのデータ中で
一番古い、おばあちゃんとのメールのスクリーンショットです。
機種を変えてしまったので、もうこの時のメールは
データとしては残っていません。
わたしは当時大学2年生、おばあちゃんは74歳でした。

おばあちゃんは、いつもいそいで生きています。
固定電話が鳴ったら、全力疾走します。
(正直危ないのでやめて欲しい)
その生き方は、メールを打つときも同じで、
誤字・脱字・誤変換がとても多いのです。
 
つまり、わたしのおばあちゃんは、
とてつもなくせっかちなのです。
 
「ご飯ことて” 」は、おそらく
「ご飯を食べるということでいいですか」
といった旨を伝えたいと思うのですが、
「で」の打ち方がわからず、
ええい、この点々(ダブルクォーテーション)でいいや!
と思ったのでしょう。
おばあちゃんのせっかちさが大いにわかるメールの文面です。
※2019年現在では、「で」の打ち方は克服しました。

 
同じように、
おばあちゃんのせっかちさが分かるやり取りがあります。

・解説
わたしの家の最寄駅は星ヶ丘駅という、
なんともきらきらした名前の駅なのですが、
文学好きなおばあちゃんの手にかかると、あら不思議。
一気にショートショートの巨匠の名前になってしまいました。
そんなに急いで打たなくてもいいのに…。

 
メールをし始めたときは、
「おばあちゃん、ここ間違ってるよ」とよく指摘していましたが、
さいきんは「ああ、またやってるな〜」くらいの気持ちで
あえてつっこまないでいます。
おばあちゃんのせっかちさは折り紙つきだし、
なんだかんだで、おばあちゃんの「いいまつがい」を
たのしんでいる自分がどこかにいるのです。

第2回 笑っちゃうから、やめてくれ。