燃え殻さん×糸井さん銀座ロフトでの対談 - ほぼ日の塾発表の広場

けんほの

燃え殻さん×糸井さん</br>銀座ロフトでの対談

燃え殻さん×糸井さん
銀座ロフトでの対談

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第５回対談からみえた燃え殻さんのお人柄

糸井: 自分が思ってて気づいてなくて、
あなたはすごいですよって
はっきり言えるものがあって。

燃え殻: はあ。

糸井: それはとんでもない方向からいろいろ質問を受けている
あの人生相談。
相談に答えている燃え殻さんは
質問者とすごく同じ場所に立ってて
一生懸命考えてて
全部おもしろい。

燃え殻: えー、ありがたいですね。

糸井: あれは、あれが職業名であるならば
人生相談士というのに

燃え殻: また怪しい

一同: 笑

糸井: なってもいいくらい、あれはいい！

燃え殻: ぼく、人生相談っていう文春オンラインていうのを
やっているんですが
全く同じではないけど
そういう気持ちになったことあるよって
その話をまずしよう、その人と握手したいって。
そういうことばかりなんですよ。

糸井: うんうん。
一番効率的で、真実に近いところで回答するんだったら
その人を傷つけてでも、こうしたほうがいいんじゃないかって
言えるんですよね。
ぼくもよくそれやるんです。
だけど、燃え殻さんはその人が嫌な目になりませんようにって
話している。

燃え殻: あれ拙くてもそのまま載せてくださいって
いっているんです。
でないとつまらないし、ぼくもやる気起きないんで。

燃え殻: 自分の悩みをネットに相談するって
それくらい悩んでる、答えが欲しいってことで
真剣ですよね。
つまりはそれくらい傷ついてるから
ぼくはもういいじゃないかって半分思ってて。
そこまで悩んだらいいよ、
投げ出さなかっただけすごいよ、みたいな。

糸井: だからあれは人生相談に答えているというよりは、
その人と隣り合わせで慰めているんだよね。

燃え殻: あ、そうです。そう思っていました。

糸井: だから、このところ僕がものすごく考えてる
「慰め」ってことの大事さ。
燃え殻さんの人生相談の中にそれがあるんです。
「演歌を歌ってこの悲しみをごまかしてはいけない」
っていうのが厳しい人の
言うことかもしれないけど、
じゃあこの悲しみを慰めてくれる他にどんな道があるの？
責任持ってくれるんかい、っていうのがあって。

燃え殻: そうなんですよ。

糸井: 自分のために詩をかくとか歌を歌うんだとかで
弱いところの自分を抱きしめたい、撫でたいという
そっちがもっと大事になると思うんだよね。
これは、ぼくになかった部分なんです。

燃え殻: へーそうなんですね。

糸井: そのくせ自分は慰められたいから夜中に音楽を聴くんだけれど。
本当にはまるのは演歌だったり、中島みゆきだったりするね。

燃え殻: あーそうなんだ。

糸井: いっぱい難しいことを言った時代があったけれど
これからは慰めの重要さをわかってもらえる時代が
くるようなきがする。

燃え殻: 傷がかさぶたになって、それがとれて
きれいになりましたって
素晴らしいけど、そんなことばかりじゃないから。

糸井: そうそう、そうそう。

燃え殻: そのかさぶたのまま、止血しながらでも生きていかなきゃ
いけないじゃないですか。

糸井: そうそう。

燃え殻: 悩みでいえば、一旦保留にしようぜっていう人生相談って
どうしてなかったんだろう。
ぼく、いったん保留にして生きてこれたってことがたくさんあって。

糸井: うんうん。

燃え殻: 手帳をみても解決していないことばっかりなんですよ。
それが全部解消して、済みって線が引けて
「はい、俺こんだけ成長できた」って優越感のもとに
手帳を見ているわけじゃなくて。
うわーこんなに保留にしているって思い出すために
見てるんです。

糸井: あるある。

燃え殻: でも保留にして、将来の自分がなんとかしてくれるって
そういうほうがリアルな気がします。

糸井: グシャグシャしたことでも語っているうちに
泣いちゃって、
そうするとテーマ忘れて泣き止むかどうかに
なりますよね。

燃え殻: わかります（笑）

糸井: だからモテるのよ、この人。

燃え殻: モテない、モテない。

糸井: 女の人とかすごく頷くもん。それで田中泰延とか怒るの。

一同: 笑

糸井: あの人は全部解決できるから。泣いている最中でも
「それはギリシヤ時代からずっと言われてるんや」って。

燃え殻: しっかりしてる。

糸井: そう、しっかりしてる。
でも今泣いている「痛い」っていうときに、それを説明されても困るんだよね。

燃え殻: 人生に、答えいらないときって多いと思うんですよね。
お腹いっぱいになると結構解決したりしません？

糸井: あと、歩く。

燃え殻: あー、歩くもあるか。

糸井: 自分は歩くでだいたいごまかしているね。

燃え殻: 歩くとアイディアでますもんね。
書くことも、そう。
いいことも悪いことも書いちゃう。
それが何かにつながるとかいやらしいこと考えない。

糸井: うん。

燃え殻: 何に使うかわからないけれど、っていうものが
どれくらいあるかってことで
人と対したときに言葉がでてくると思うんですよね。

糸井: それでしのげるだけで、一番大事なところに傷がつかないと
思うんだよね。

糸井: いくらでも続けてもいいのですが、飽きたのでもうやめます。
これをほぼ日の塾の生徒さんたちがまとめたものが
やがてほぼ日に載ると思います。
ここにこれた人はラッキーですが、同時に世界の人たちに
この喜びを分けて差し上げたいと思うので、

燃え殻: なにを言って（笑）

糸井: 喜んでください。
今日は無口じゃない燃え殻さんが味わえたと思います。
ありがとうございました。

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