もくじ
第1回2枚しか書かない人は、10枚読まないんです 2017-12-05-Tue
第2回デザインがなくても、本人と世界で繋がれる 2017-12-05-Tue
第3回ひとりで楽しんでたら、広まらない 2017-12-05-Tue
第4回協力があるから、頑張り続けられる 2017-12-05-Tue
第5回恥ずかしさの壁を越えてでも、言いたいこと 2017-12-05-Tue

都内の大学生です。本と服と世界史と日本のロックバンドが好きです。つらいときには、メイトーのなめらかプリンをたべます。心を落ち着かせる大事な「儀式」です。

伝えるためなら、かまわない!</br>フリーランス美大生・はましゃかインタビュー

第3回 ひとりで楽しんでたら、広まらない

わたしは文章がきっかけで、
はましゃかさんを知ったんですけれど、
もうひとつ、
Instagramという、
はましゃかさんの核をなしてるものについても
お聞きしたくて。
はましゃか
「核」ですか(笑)
Instagramをはじめたのは、いつからなんですか?
はましゃか
大学1年生からです。
新品のiPhone握りしめて上京したら、
みんなInstagramやってたので、
「おしゃれな子はやってるんだ~」って。
美大なので、情報感度の高い子が多かったんですよね。
オリジナルの写真加工術「しゃかコラ」を
はじめたのは?


(※はましゃかさんのInstagramより)

はましゃか
しゃかコラはじめたのは、大学3年生の春だと思います。
大学2年生の終わりまでは、
手書き文字のこと忘れてたんですよ。
iPhone手に入れたりして、
ツールがデジタルに移行してたので。
「そういえば、最近文字書いてないな~。
これ、写真の上に書けたらいいのにな~。
コラージュできないかな~。」って
ふと思って。
インスピレーションですね!
はましゃか
インスピレーションなのかな?(笑)
手書きの文字を使ったデザインって、
よく使われるんですよ。
たとえばあの番組、「情熱大陸」とか、
わざわざ出演者の名前を自筆にして、
書き順を動画で再現までして。
あれは、手書き文字には、
その人の「人となり」がでるからだと思うんです。
あぁ、言われてみれば、
たしかに手書きですね。
はましゃか
そんな感じで、手書き文字のデザインって、
プロの世界では常套手段なんですね。
それをInstagramっていう、
プロのデザイナーたちが関わっていない世界で
やろうと思ったんですよ。
しゃかコラは、
ぜんぶiPhoneのアプリで作ってるんですけど、
どのアプリがいいか、すごく試行錯誤しましたね。
あるウェブメディアの記事で、
しゃかコラの技法を詳しくご紹介されてましたよね。
「こんなに手がかかってるのか!職人だ!」って、
読んで驚きました(笑)
はましゃか
ありがとうございます(笑)
「この画像は、はましゃかが作った」って
名刺がわりになるようなものを作りたかったんですよね。
はましゃかさん、
しゃかコラの技法を紹介した記事、
「みんなもマネしてみてね!」ってニュアンスで
書かれてましたよね。
わたし、もしはましゃかさんの立場だったら
「自分が一生懸命考えて生み出したんだから、
この企業秘密はパクられたくない!」って
考えちゃうかもと思ったんですけれど。
はましゃか
うーん、「パクられたくない!」って
ひとりで楽しんでたら、
広まらないじゃないですか。
広めるのが、わたしのテーマというか、
やりたいことなので。
「流行を作る・ブームを起こす」っていう
広告の考え方が染みついてるんです。
「ひとりで遊ぶより、みんなで遊ぼうよ」って
感覚なんでしょうか?
はましゃか
そう、そう、そうです。
あの、「#しゃかコラ」っていう
検索タグつけてねって
言ってはいるんですけど、
技法つかってるのに
タグつけないで写真投稿している
Instagramのアカウントとかあるんですよ。
でも、もうそれでもいいやって。
つけてほしいなとは思うんですけど。
だけど、
「もともとは、はましゃかがやってた」って
いつか画像を見た人がわかってくれたら、
それでいいやって。
ほう。
はましゃか
「マイブーム」って言葉をつくったのは、
みうらじゅんさんじゃないですか。
いまは「マイブーム」って言葉が
独り歩きして有名ですけど、
知ってる人は知ってますよね、
「みうらじゅんが生みの親だ」って。
そういう風になりたいんです。
あれ?
「広告は、
スーパースターが作ったものじゃないと、
作り手に目線がいかなくて悲しい」って
過去に思われたんですよね?
「自分の名前がすぐに広まらなくても
うれしい」っていう今のお話と、
ずれを感じるんですが。
はましゃか
それは、広告っていうツールを
通してるか通してないかの差です。
広告代理店に就職するっていう
人生の選択をしなくても、
人に伝え広めることができるなら、
私はそっちを選びたいっていう。
あぁ、なるほど。
はましゃか
スーパーデザイナーやスーパーコピーライターは、
そういう下積み時代があって、
そうなったのかもしれない。
 
でも、いまのSNS時代なら、
もしかしたら身ひとつで、
デザインや伝え広める仕事に関われるかもってことです。
フォトショップとかのパソコンソフトを完璧に使いこなして、
クライアントの望みどおりのデザインを作ることを
10年続けなくても、
広める仕事はできる時代に、
もうなってると思うんですよ。

(つづきます。)

第4回 協力があるから、頑張り続けられる