もくじ
第1回2枚しか書かない人は、10枚読まないんです 2017-12-05-Tue
第2回デザインがなくても、本人と世界で繋がれる 2017-12-05-Tue
第3回ひとりで楽しんでたら、広まらない 2017-12-05-Tue
第4回協力があるから、頑張り続けられる 2017-12-05-Tue
第5回恥ずかしさの壁を越えてでも、言いたいこと 2017-12-05-Tue

都内の大学生です。本と服と世界史と日本のロックバンドが好きです。つらいときには、メイトーのなめらかプリンをたべます。心を落ち着かせる大事な「儀式」です。

伝えるためなら、かまわない!</br>フリーランス美大生・はましゃかインタビュー

第2回 デザインがなくても、本人と世界で繋がれる

はましゃかさんって、
大学ではグラフィックデザイン専攻なんですよね。
はましゃか
そうですね。
わたし、文字がデザイン的に好きなんですけど、
そういう勉強をしようと思って。
でも、
同じ学科で文字を勉強している人たちと比較すると、
わたしは挫折したほうかもしれなくて。
えっ、挫折?
はましゃか
彼ら、本当に、狂ったように文字が好きで。
ひとめ見ただけで、
なんのフォントかわかるんですよ。
「○○ゴシックの△△体のBだね」とか!!
へぇえー!!
はましゃか
大学に入って衝撃だったのは、
自分も文字がすごく好きではあったけど、
自分以上にそれを好きで
突き詰められる人がいるってことでしたね。
文字組みっていう、
視覚的に違和感がないように
字の幅を整える作業があるんですけど、
それを飽きずに
永遠にやれる人とかいて‥‥。
私はパソコン苦手なので、
「あれはできないな」って。
 
じゃ、その方たちは、
「デザインの仕事は食うに困らなさそう」ってことで
専攻を選択したというよりは、
作業をする気持ちよさのほうが先にあるんですね。
はましゃか
そうですね‥‥。
わたしがグラフィックデザインを専攻した理由は、
広告代理店の
アートディレクターになって、
大きなポスターとかをつくって、
そういうのを通して自分の表現を、
より多くの人に届けたかったからなんです。
でも、大学には、
「届けたいから」っていう目的以前に、
デザインそのものに熱心な人たちがいて。
デザインという、手段そのものを愛していた人たちが。
はましゃか
そう。
わたしにとっては
「まず言いたいことがあって、
それが多くの人に届く」っていう
目的のほうが大きかったから、
その人たちほどデザインに熱中しきれなかったんです。
 
それで、
こっちのインターネットの、
SNSの世界にでてきてから感じたのが、
「あれ?
この、デザインっていう媒体がなくても、
わたし本人と世界で繋がれる。
自分個人で発信できちゃう」ってことで。
あぁー。
はましゃか
広告とかの大きな力を使わないと、
自分の表現はできないと思ってたんですよね。
でも、広告を使わなくても、
ブログ、お芝居、自分そのもの‥‥
そういう他の手段で、
伝えたいことを伝えられるんじゃないかって可能性を
いまは感じてます。
なるほどー。
はましゃか
広告だと、どんなにいいものがあっても、
糸井さんくらいのスーパースターじゃないと、
作り手には目がいかないじゃないですか。
そういうことも考えちゃって。
「さみしいな」って思われたんですか?
はましゃか
そうですね。
広告代理店って下積み期間が10年あるんですけど、
そのあいだの激務の中で、
広告の賞に応募したりして、
やっと芽がでるかでないか。
広告業界のきれいな面しか知らずに、
北海道から上京してきたんですけど、
大学で、はじめて業界の闇とぶつかって。
アートディレクターとしてやっていけるか、
自分にも問いかけて。
わたし、働く気満々で大学に入ったんですよ。
アーティスト志望で上京したわけじゃなくて、
本当に、はやく就職して働きたかったんです。
おぉ‥‥。
(いまの活動だけみてると、なんだか意外だなぁ。)
はましゃか
はやくアートディレクターになりたかったんですけど、
そこまでに10年のきつい下積みがあるとわかって。
それで、「夢をあきらめた」じゃないですけど‥‥
「もっと直接、世の中に対してなにかできるんじゃないか」
「その10年、わたしらしい使い方があるんじゃないか」って
思うようになったんです。
 
それで、大学の友達のハヤカワ五味ちゃんを通して
マネージャーさんをつけてもらって、
フリーランス活動をしていこうって
ふみきったんです。
 
※ハヤカワ五味さん‥‥
株式会社ウツワ代表。
ランジェリーや洋服のブランド経営のほか、
美大出身クリエイターのマネジメントなどもてがける。
 

(つづきます。)

第3回 ひとりで楽しんでたら、広まらない