もくじ
第1回2枚しか書かない人は、10枚読まないんです 2017-12-05-Tue
第2回デザインがなくても、本人と世界で繋がれる 2017-12-05-Tue
第3回ひとりで楽しんでたら、広まらない 2017-12-05-Tue
第4回協力があるから、頑張り続けられる 2017-12-05-Tue
第5回恥ずかしさの壁を越えてでも、言いたいこと 2017-12-05-Tue

都内の大学生です。本と服と世界史と日本のロックバンドが好きです。つらいときには、メイトーのなめらかプリンをたべます。心を落ち着かせる大事な「儀式」です。

伝えるためなら、かまわない!</br>フリーランス美大生・はましゃかインタビュー

今年の5月のこと。
Twitterで、
とあるブログの記事が話題になっていました。

かわいいと言われて吐き気がしたことがあります」と
題されたその記事。
「ずいぶん挑戦的なタイトルだなぁ‥‥」と、
わたしはすこし身構えながらクリックしました。

ところが、実際に読んでみると
「ただのかわいい自慢」ではありませんでした。

女子校時代、
校則どおりに
ノーメイク・ひざ下スカートの制服だった筆者。
それが大学生になり、
メイク・私服・モテ技という
新たな武器を手に入れたところ、
「モテてモテて仕方なかった!!!!」のだとか。

はじめは、
その全能感を楽しんでいた彼女でしたが、
やがて違和感を感じるように‥‥。

そんな体験談とともに、
「かわいさとは誰のためのものか」という論考が
ハイテンションでユーモラスな文体でつづられていました。
面白いだけでなく、
読み手を励ます愛まで感じられる記事だったのです。
 
筆者は「はましゃか」という名の女の子。
美術大学に通う4年生‥‥
えっ、私と同じ学年!?
 
彼女が書いたほかの記事など読み漁っていくうち、
自らの「恥」を積極的にさらけだしつつ,
最後には何かしら気づきを与えてくれるという
そのギャップの虜となり、
すっかりファンになってしまいました。

「どうやら、ただの美女じゃないらしいぞ‥‥。
はましゃかさんって、いったい何者なんだ?」
 
そのジャンル不明の魅力を探るべく
取材を申し込んだところ、
めでたく実現しましたので、その内容をお届けします。

「フリーランス美大生」を名乗るまでに、
どんな道を歩んできたの?

独自の写真加工技法「しゃかコラ」を、
「マネしてやってみてね」と惜しげもなく言えるのはなぜ?

かわいいのに、
どうしてそんなに「恥」をさらけだせるの?

そんな疑問をとおして見えてきたのは、
はましゃかさんの
「伝えること」への
飽くなき情熱でした。
 
全5回です。
よろしければ、おつきあいください。

プロフィール
はましゃかさんのプロフィール

第1回 2枚しか書かない人は、10枚読まないんです

取材、ひきうけてくださって
本当にありがとうございます!
本日はよろしくお願いします。
はましゃか
いえいえ、こちらこそありがとうございます。
よろしくお願いします。
 
あの、
かわいいと言われて吐き気がしたことがあります」の記事ではましゃかさんを知ったんですけれど、
もう、ほんとうに、他の文章もぜんぶ面白くて。
はましゃか
ありがとうございます!
うれしいなぁ。
文章を書くことって、前からされてたんですか?
たとえば、日記をつけていたとか。
はましゃか
日記はずっとつけてましたね。
小学校5年生から、大学入学くらいまで。
「毎日書かなくてもいいけど、やめない」って
ルールを決めて、ノートに書いてましたね。
ぜんぶで20冊以上にはなってるかな。
そんなに長く!
はましゃか
あと、
友達に手紙とか書くの好きだったんですよ。
小学校3年生くらいから書いてたので、
日記をつけはじめるよりも前ですね。
文房具屋さんで売ってた、
かわいいメモパッドをつかって、
分厚く6枚とか書いてて。
そのうち、
相手に対する手紙というより、
自分語りみたいになっていったんです。
ほう、自分語り。
はましゃか
そうなると、
あげるのがもったいなくなっちゃって(笑)
頑張ってたくさん書いたし、
自分で読んでも面白いから、
また読み返したいなって。
でも、手紙は、
あげちゃったら読み返せないんですよ。
たしかに、たしかに。
はましゃか
いつでも読み返せる状態にしたいっていうのが、
きっと、あったんですよね。
だから、日記に力がはいるようになって。
もともとが手紙から始まってるので、
ただの記録じゃなくて、
自分にむけて書く手紙みたいな。
「自分を含めて、
読んだ人が面白いように書こう」っていう、
読み手への意識がずっとありました。
はましゃかさんのブログを読んでいると、
ぜんぶの記事に、
読者への呼びかけがあるんですよね。
「この文章に出会った誰かの背中を、
ちょっとだけ押せることを願って。」みたいな。
それで、
「すごいサービス精神旺盛な方だな!」って思って。
はましゃか
あはははは(笑)
今、自分も「ほぼ日の塾」で
文章を書くことと向き合ってるんですけど、
書いてる最中だと、
読み手の目線を持つのがほんとうに難しくて‥‥。
はましゃか
あぁ‥‥。
なんか、話も文章も、
長くて量が多くなりがちなんですね、わたし。
言いたいことが、たくさんあるんです。
そのぶん、
「受け取ってほしい、飽きられたくない」って
気持ちがあって。
うん、うん。
はましゃか
小学生のころから、
たとえば作文とか、
わたしは原稿用紙10枚書いても書き足りないけど、
周りは2枚くらいしか書かない。
で、それだけ書かないってことは、
それだけ読まないってことじゃないですか。
あっ、たしかに‥‥!
はましゃか
2枚しか書かない人は、10枚読まないんです。
そういう、
長文に慣れていない人に、
いかに読ませるか。
「読み手を飽きさせないぞ」って気持ちが
常にありました。
おぉ。
はましゃか
手紙も、
わたしが10枚書いて返信が2枚とか、
しょっちゅうありましたよ(笑)
それでもくじけずに、
読んでほしかったので、
工夫して書き続けてましたね。

 
(つづきます。)

第2回 デザインがなくても、本人と世界で繋がれる