すごく近いのに、私とすごく違う母。

喧嘩もたくさんして、いまだに思い出しては、
むむむ・・・と思うこともたくさんあるけれど、
やはり尊敬していることに間違いはないのです。

こんな色んな気持ちを込めながら、
感謝をしっかり伝えられる絶好な場があります。

そう、結婚式での「花嫁の手紙」。

３年前に結婚式をした私は、「花嫁の手紙」は経験済み。

花嫁の手紙を書いたときのことは忘れもしない。
スケジューリングが、ど下手くそな私は、
結婚式の直前は、仕事のピークで３日間ほぼ徹夜。
結婚式当日が入籍日だった私たち夫婦。

独身最後の日は母と過ごせるよう、結婚式をするホテルで
せっかく前泊を確保したのに、式の準備が終わらない。
感動的になるはずだった前夜は、
終わらない直前の準備に、母を夜中まで付き合わせました。

結局、式の準備は当日朝まで持ち越すこととなり、
気付いたら、「花嫁の手紙」が書けていない！
独身最後の夜に、母が寝ている横で、
気持ちを込めて書くのだと思っていたけれど、
準備に付き合わされ、目が冴えてしまった母が寝ない。

ねえねえ、そういえばさあ、こんなことあったよね。
嬉しそうに話す母。

ようやく描いていた「独身最後の母娘」を始められて
こんな時間を過ごしたかったの、と思った時には
もう夜更けもだいぶ過ぎた頃。
ふんふん、そうだったね、と相槌を打ちながらも
書けていない手紙のことで、もはや頭はいっぱい。

お願い！母さん！寝てーー！

何度も願って、書きだせたのは朝４時を過ぎた頃でした。
でも、そんな状況で書いたからこそ、
絶対伝えたいと思ったことは、書いたつもりでした。
でも、ある時ふと、小さな問いが生まれたのです。

あの手紙、本当に伝えたかったことだったのかな。

式当時の私が、伝えたいと思っていたことは２つ。
すごく苦労をして育ててもらえたことへの感謝と
私を育てるために、色々我慢もさせたと思うので、
これからは自分の人生を楽しんでほしいということ。

時間が経って、思い返すと、
この内容、とても一人よがりな気がしてきたのです。

私は、きっと母と同じことを経験したら、
大変だったな、苦労したなと思う。
でも母は、きっとその苦労も面白かったというでしょう。

私なら、子育て期間は人生の一部を子どもに捧げた、
と思うかもしれないけれど、母ならば、
子どもがジョインした愉しい自分の人生と思うでしょう。

そう考えると、とても独りよがりなことを、
「花嫁の手紙」という衆人環境の下で、
母に押し付けてしまった気がしてきたのです。

同時に、きっとあの時列席した方々には
とても仲が良く、素敵な親子に見えたと思うけれど、
実際の私たちは、なんというか・・・そうじゃない。

トップ10を作れるくらいには、しこたま喧嘩して、
トップ３はまあまあ壮絶かなと思います。

でも、尊敬していて感謝していることはちゃんと
伝えたかった。

伝わっていたのかなあ。

（つづきます）