もくじ
第1回キャリアウーマンネタ 文字起こし 2017-11-07-Tue
第2回さて、なぜ面白いのかを考えてみよう。まずは「見た目」から。 2017-11-07-Tue
第3回もしも「社内恋愛のネタ」だったら、笑えていたのか。 2017-11-07-Tue
第4回「35億」が、「40億」だったら。「50億」だったら。 2017-11-07-Tue
第5回“面白さ”を考えることが、面白い。 2017-11-07-Tue

がんばる20代男性です。

ボクの好きなもの</br>人が笑う仕組み

ボクの好きなもの
人が笑う仕組み

担当・あいうえお

第4回 「35億」が、「40億」だったら。「50億」だったら。

今回ブルゾンちえみさんを世間に知らしめたワンフレーズがあるとしたら、
それは「35億」だと思う。
「キャリア・ウーマン」も同じオチパートに使われているものの、
「35億」の方が、圧倒的に世間の言の葉に乗っているだろう。
それはやはり「キャリアウーマン」のように既存の言葉ではなく、
「35億」という、何とも絶妙な数字の【オリジナルワード】だったから、
だと思う。

このようなワンフレーズを持つと、世間への浸透力は高くなる。
「ゲッツ!」しかり、「そんなの関係ねぇ!」しかり、
「ラッスンゴレライ」しかり、
「この芸人に、このワンフレーズ!」というものがあると、
言葉と共に、芸人の名前や顔まで覚えてもらえる。

では、ここで思う。
もしこの数字が「35億」ではなく「40億」だったら、笑えたのだろうか。
ここからは、もう本当に各自の想像の世界でしかないが、
ボクは「No」だと思っている。
皆さんの頭の中でもイメージしてみてほしい。

「地球上に男は何人いると思ってるの?…40億。」

なんといえばいいのだろう。
「40億(よんじゅうおく)」の6音節だと、なんだか座りが悪いのだ。
しっくり来ない。
「35億(さんじゅうごおく)」の7音節だと、ちょうどよい。

日本人には、言いやすい音節やリズムがある気がしている。
この国が「5・7・5」を大切にしてきたように。
「7音節」は、日本人の遺伝子に染みつく
“言いやすい音節数”の1つな気が、ボクはしている。
(物凄く個人的な意見でごめんなさい。)

また、「35億(さんじゅうごおく)」の言葉のリズムもいい。
このリズムをあえて表すならば、「タン・ター・タ・タ・タ」だ。
「ビバリーヒルズ」と同じだ。
「ネイチャーメイド」とも同じだ。言いやすい。
例外がありすぎて、「なんじゃそりゃ!」となる方もいるかもしれないが、
本当にそういった音節数やリズムが、浸透する言葉にはとても大切だと、
ボクは本気で信じている。

また、もう1つ思うのは、この数字が「50億」だったとしても、
ここまで世間には広まらなかっただろう。
「35」という普段あまり触れない数字だからこそ、
日常の中で偶然何かのアンケート結果が約3割だった時に、
「…35%」と言いたくなる。
偶然時計の針が「7」の所を指していた時に、
「…35分」と言いたくなるのだ。
もしも「50億」だったら、時計の針が「10」を指していたとしても、
「…50分」とヒトボケしたくならないだろう。
「50」という数字が、とてもよく見る数字だからだ。

なんにせよ、「35億」という7文字の【オリジナルワード】を、
これまた7文字の「ブルゾンちえみ」が獲得したことは、大きい。

お決まりのワンフレーズがあると、笑いになりやすい。
学生時代に、担任のお決まりの口癖(=オリジナルワード)を披露して
笑いを取っていた友達が、きっと皆さんも思い出せるのではないだろうか。

第5回 “面白さ”を考えることが、面白い。