もくじ
第1回24年間、居心地がよかったです。 2017-03-28-Tue
第2回読み手として待っているんです。 2017-03-28-Tue
第3回アマチュアでいたいんです。 2017-03-28-Tue
第4回それぞれのリンダリンダがあるんです。 2017-03-28-Tue
第5回身体性を大事にしていきます。 2017-03-28-Tue

社会人5年目の27歳実家暮らし女性。なんでも省略する父親から、名前も略され、み(ぃ)と呼ばれています。趣味は野球観戦。

田中泰延と糸井重里の</br>尽きない話

田中泰延と糸井重里の
尽きない話

担当・みぃ

第5回 身体性を大事にしていきます。

糸井
僕は釣りでつながりましたけど、
泰延さんは、バンドを組むこと、なのかな。
田中
あぁ、そうかもしれません。
高校時代のバンドの名前は、
「ヒロノブ&ジ・アザーズ」でした。
一同
(笑)
田中
それでよし、とするメンバーがいたんですよ。
「これは誰が聞いてもひどいと思うから、
ひどい中で不機嫌に弾いてるお前たちは、
たぶん『最高』って言われる」。
糸井
その説得力がすごい。
田中
「ご近所」の話も、釣りの話もそうですけど、
糸井重里さんと話していて、
身体性の話に行くとは思ってもいませんでした。
糸井
‥‥身体性の話の中で、こう、
ちょっと、編集的に都合悪いかもしれないんですが、
‥‥あのぉ、僕、トイレ我慢してまして。
田中
今?
糸井
今。
田中
それはね、止める人いないです。
糸井
ちょっと行ってきます。
すいません。
永田
テープは止めずにいきましょう。
田中
只今、身体性について、
糸井さんが実証されています。
一同
(笑)
田中
身体性の発露が、盛大な水の話からつながる、
水の何かによって、
今、流れて行っているわけです‥‥。
永田
身体性、といえば、ほぼ日も多いですね。
田中
あぁ、はらまき、とかね。
‥‥この間、手帳のキャラバンに行ったら、
すごいんですよね、皆さんの手帳。
写真を貼るとか、何かを折り込むとか。
自分の一部として、
身体の延長に手帳の使い方がありますよね。
永田
そうですね。
田中
それを皆さんうれしそうに語ってて。
それがすごい、おもしろかったです。
糸井
‥‥すごい、身体性ですよ。
田中
戻ってきた(笑)。
永田
身体性の話でつないでいました。
糸井
身体性つながりですけど、
今まで、我慢できなくて中座したのは、
僕、2回目です。
田中
2回目ですか(笑)。
糸井
話しがおもしろくて、予定よりも長引いたので。
田中
光栄です。
糸井
もう1回は、
誰もトイレに立てないような長い時間、
出たくても言えないっていうケースで、
‥‥高倉健さんです。
田中
それは、それは無理です(笑)。
糸井
弱ったなぁと思いつつ、「すいません!」と。
田中
「すいません!」っていうのも健さんっぽいですね。
一同
(笑)
糸井
いやぁ、田中泰延、第2の。
田中
うわぁ。
糸井
もう、田中健と呼びたい。
田中
(笑)
‥‥高倉健さんのすごさを認識したのは、
小学校の時にテレビで観た、
映画の記者会見でした。
「高倉さんは、主人公と同じような立場になったら、
どういう気持ちになられますか?」、
「気持ちですか‥‥」と考えて、
フラッシュがピタッと止まる。
1分ぐらい経って、「わかりません」。
一同
(笑)
糸井
あぁー。
田中
高倉健さんってどんなに偉い人なんだ、
と思いましたよ。
糸井
そのあたりは、高倉健さんっていう、
人物が1つの企業でもありますからね。
俳優として素晴らしい、よくできた、
高倉健を抱えた社長だなぁと。
田中
なるほど。
‥‥矢沢永吉さんも、もちろん、
巨大化したブランドを抱えていますよね。
糸井
永ちゃんはね、
本当に「ご近所の人気者」なんですよ。
田中
そうなんですか。
糸井
社員が、引っ越し先を探していたとき、
早朝に電話がかかってきて、
「あ、俺だけど。豪徳寺となんとかに、
いい物件あったから」。
田中
矢沢永吉が、物件みてくれるの‥‥?
糸井
そう。
で、「A、B、C3つあるんだけど、
BとCは俺、話しつけたから、何時に行くといいぞ」。
永ちゃんに言われたら、行かないわけにいかない。
田中
絶対行く(笑)。
糸井
「どっちかに決まったの?」ってきいたら、
「いや、決まらなかったんです」。
一同
(笑)
糸井
その、「決まらなかったんです」も含めて
「ご近所」の人なんですよ。
  
永ちゃん家で、「バーベキューしよう」ってときも、
火の世話から全部永ちゃんがやるんです。
田中
ご本人が(笑)。
糸井
腹いっぱいになったあとは、
居間で永ちゃんのDVDを観るんです。
僕と一緒に行った若いやつの肩組んで、
永ちゃんが言うの、
「いいね、矢沢」、「矢沢、最高だね」って。
田中
おおーー。
糸井
それはね、「受け手の永ちゃん」なんだよ。
田中
はじめてききました。
糸井
永ちゃんは、楽屋に人を呼ばないから、
しゃべる人がいないですよ。
  
‥‥健さん、永ちゃん、泰延さんってね(笑)。
田中
とんでもないです(笑)。
なんですかね、
吉本隆明さんとかもそうなんですけれど、
「偉そうくならない」んですよね。
大阪弁です、「偉そうくならない」。
糸井
あぁ、そうですね。
鶴瓶さんとかも、ものすごく上手。
さんまさんも。
いい見本が関西には多いね。
あの人たちにとってみれば、
みんな「ご近所」なんですよね。
田中
たしかに、そうなんでしょうね。
糸井
いやぁ、今日はおもしろかったです。
‥‥ここでは、田中さん「これからどうなる?」
なんて、聞きませんから。
 
ただ、なんかこう、釣りの「当たり」みたいな
おもしろさにはたどり着いてみたいですよね。
魚が、生存をかけてひったくる、あのかんじ。
田中
ああ、そうですね。
いやぁ、身体性の話は、
何か僕のこれからに影響してくると思います。
本当にいい時間でした。
糸井
みんなは、こんなおもしろい話を
ただで聞けましたしね(笑)。
田中
(笑)
ほんと、今日はありがとうございました。
糸井
ありがとうございました。

(おしまい)