4人目の相談相手は、私の元上司・Fさんです。
Aさんよりも現場に近く、チームリーダーという立場でした。
現在は、ウェブサービスの会社に勤めています。
- ーー
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36才にもなって仕事のことを悩むのも恥ずかしいのですが、
相談に乗ってください。
- Fさん
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36才!
俺が山ちゃんと最初に出会った頃の年齢になってる。
早いねえ。
(山ちゃんとは、私のことです)
- ーー
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そのときに働いていた会社のこと、
あまり言いたくないんですよ。黒歴史だなって感じています。
でも、どうしてそう思うのだろうというのを考えているんです。
- Fさん
- 黒歴史なの?
- ーー
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その会社で得た経験を生かして、
正社員としての再就職ができなかったからではないかな
と考えています。
そうなると、実力は元からなくて、たまたまラッキーで
あの会社にいたんだろうなという気持ちが強くなって…。
- Fさん
-
山ちゃんにとっては黒歴史かもしれないけど、
今はライターという仕事をしているんでしょう?
自分でやりたいことが見つかっているんだったら、
いいんじゃないかな。
- ーー
- どうして再就職ができなかったのか、気になっていて。
- Fさん
-
応募したり面接を受けたりした仕事が、
実はやりたいことじゃなかったんじゃないの?
立場上、俺は面接することが多いけど、
学歴やスキルだけを信じて面接しちゃだめだなって思うことも
度々あるよ。
心からこの会社で働きたい・仕事したいと思っている相手とは
フィーリングが合う気がする。
- ーー
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出産で休んでしまったから、
早く復帰しなくちゃいけないと思っていたんです。
仕事を選んでる場合じゃないなと。
心から働きたいという会社はあったかもしれないけれど、
書類で落とされていますよね。
あとは、自分のスキルが合う仕事を片っ端から受けていました。
- Fさん
- 君のよくないところだね。そういうとき、焦るでしょ。
- ーー
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焦りますね。惨めに感じてしまうし。
悲しいと怒っている気持ち、両方ありました。
- Fさん
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仕事ってね、タイミングだと思うよ。
入りたい会社に空きがなかったら入れないわけだし。
- ーー
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仕事をしていないと不安になります。
でも、仕事をしていれば安心というわけでもなくて。
- Fさん
- 走り続けていないとだめなの?
- ーー
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ちゃんと働いていたのに、
次の仕事が決まらないという経験をしていますよね。
じゃあ、もっとちゃんと働いてないとダメなのか
という不安があります。
頑張っているのに認められない。
認めて欲しいし、選んで欲しいという気持ちはあります。
承認欲求が強すぎるのかも…
- Fさん
-
ボランティアワークで、満足度は得られないのかな?
収入を得るだけの仕事と、
そうでない自分の活動をやってみるとか。
収入は大事?
- ーー
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大事ですね、食べていかなきゃいけないし。
これは、ライターという仕事とは関係なく。
- Fさん
-
では、あの人の書く文章はとてもいいと言われたいのか。
それとも、すごく良い車に乗って、
まわりからチヤホヤされたいのか。
自分基準で満足したいのか、人から羨ましがられたいのか、
どっちなの?
- ーー
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海外旅行にいつも行きたいとか、いい生活をしたいという欲求は
そこまでないです。
- Fさん
- 自分の仕事を、誰かからスゴイ!と言われたい欲求は?
- ーー
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仕事そのものをスゴイと言われたい願望はないです。
書いた記事を読まれたり、
感想をいただいたりすることは嬉しいです。
- Fさん
-
そうか…。
こうなりたいな、こうあると安心だなという
一番大事なポイントはどこだろうね。
- ーー
- ……ないがしろにされたくないということ、ですかね。
- Fさん
- 誰に?
- ーー
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誰に対しても、です。
ないがしろというのは違うか、
仕事でなくても、関わる人とは尊重し合いたいです。
でもそれって、
優しくされたいという気持ちの裏返しでもあるし…。
周りのことを気にしすぎなのかな。
- Fさん
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俺も40代前半までは、周りを気にすることが多かった。
なんでアイツが俺より評価されるんだ、
と思うことがあったよね。
でも、どこかのタイミングで人と比べてもしょうがないし、
いいやと考えられる時が来る。
- ーー
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Fさんも、
他人と比較したり羨んだりしていたことがあるんですね。
- Fさん
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あるよ。やっぱり欲求ってあるし。
だけどまあ、大人になったということです。
どこかで来ると思うよ。その時が。
- ーー
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前に、ほぼ日の塾で「負けに慣れる」という話があって。
すごく気になっている言葉なんです。
それに似ているのかな。
- Fさん
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負けに慣れるってちょっと嫌じゃない?
負けじゃないな、そもそも負けだと考えなくなり始めたら
そっちのほうが強いよね。
- ーー
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勝負をするなではなくて、勝負ではないよということですかね。
ああ、私はなんでも勝負だなと思って謎の敵を作りがちです、
心の中に。
採用面接を受ける人、面接をする人。
どちらにも、選ぶ・断るという権利はあります。
そう分かっているのに、いざとなると怯んでしまう。
タイミングだよ、焦ってはいけないよと言われても
やっぱり悩むものです。
でも、勝ち負けではない。
誰とも争う必要は、ないみたいです。
(悩みは、もう少し続きます)