もくじ
第1回ピアスの店員さんに声をかけてみた 2017-04-18-Tue
第2回「鮮度は、お客さんとの約束です」 2017-04-18-Tue
第3回「明け方まで、チラシ2000枚配りました」 2017-04-18-Tue
第4回「八百屋は仕事場じゃなくて、家です」 2017-04-18-Tue
第5回一生懸命なひとが好きなのだ 2017-04-18-Tue

コピーライターです。

行列のできる八百屋さん

行列のできる八百屋さん

担当・小森谷 友美

東京都国立市。
昭和のにおいがまだ残る商店街の一角に、
いつも人でにぎわう八百屋さんがあります。

目の前には超有名な大型スーパーがあるのに、
その八百屋さんは、レジまで30分以上並ばないと
野菜が買えない日もあるのです。

私はこのあたりに引っ越すまえは、
ほとんど外食をしていました。
八百屋へ行くことはたぶん、
3年に1度くらいでした。

デパ地下の野菜やくだものは高くて、
ついついコンビニで野菜ジュースを買って
すませてしまう日もありました。

そんな私が、いまや、
この八百屋さんへは週に3日は行き、
食卓には新鮮な野菜やくだものが
毎日ならぶようになりました。

そう、私の好きなもの。
それはこの八百屋さんです。

どの野菜も新鮮でとびきりおいしいのに、
驚くほどに安いのです。
そして今まで食べたことなかった
新しい野菜に出会えたりもするんです。

それにしてもなぜ、
いままで八百屋に行かなかった私が、
この八百屋さんにだけは
ハマってしまっているのだろう?

この八百屋さんへ通うにつれて、
その謎は深まるばかりでした。
どうも「安いから」「おいしいから」
ばかりが理由ではない気がしたのです。

今回、私はこの課題を口実に、
八百屋さんに話を聞いてみようと思い立ちました。
そうして見えてきたのは、
かかわるひとと野菜に対する、
若い店長の一生懸命な姿勢です。

最近、私がもっとも心ゆさぶられた
この体験をどうぞお楽しみください。

第1回 ピアスの店員さんに声をかけてみた

わたしは「ほぼ日」の課題が出た次の日、
迷うことなくその八百屋さんへ向かいました。
お店の名前は「フレッシュショップ シマノ」。

威勢のいい店員さんのかけ声に惹きよせられていくと、
真夏の子どもたちみたいな、
色とりどりの元気な野菜が並べられています。

今回の取材のために、
店員さんに声をかけようか、どうしようか迷っていたら、
いつも店にいる元気なお兄ちゃんと
目があってしまいました。
お兄ちゃんはピアスをしています。どうしよう、怖い。

(意を決して)すみません!
あの‥インターネットのサイトに
このお店のことを書かせていただきたくて。
お話を聞かせてもらえないでしょうか。
店員さん
え!?
インターネットのサイト?
そうなんです。
「ほぼ日刊イトイ新聞」っていって、
手帳とかもだしてる
有名なサイトなんですけど‥‥
店員さん
はあ。
それで、その記事のテーマが
「私の好きなもの」で。
今回、このお店のことを
題材にさせてもらいたいと思ったんです。
店員さん
ああ‥いいですよ。
これ、名刺。
(え、だめかと思った。いいの?
しかもこのひと店長さんだったんだ!)
どうもありがとうございます!
じつはこちらの都合で申し訳ないのですが‥‥
どうしても来週月曜に提出しなくてはいけなくて。
明日とか、明後日にお時間を
30分ほどいただけないでしょうか。
店員さん
わかりました。
それじゃ明日の昼すぎで。
どうもありがとうございます!

こうして私は、ピアスの店員さんこと、
店長の牛島武志さんとお話させていただくことになりました。

(つづきます)

第2回 「鮮度は、お客さんとの約束です」