男とか女とか、強いとか弱いとか、できるとかできないとか
いったいなんなのでしょう。
「おとこのこは強いからぼうけんできる」
の例をはじめ、幼い頃からすこしずつ何度も、
私は自分の性別に悩み、傷ついていきました。

おじいちゃんに「女」にされる。

ポケモンとはちょっと話がそれますが、子どもながらに
ショックだった私のおじいちゃん事件を話します。

私のおじいちゃんの家系は、茨城県のある土地で
代々、米農家を営んできました。
小学生の私は、その家業を継ぎたかったのです。

毎年夏休みや冬休みには田んぼや畑で遊ばせてもらい
10歳になる頃には、すっかり農業を気に入っていました。
それに当時から後継者問題はよく話題にのぼっていて、
一族の悩みのタネになっているように見えました。

サラリーマン研究員の父親。
カラダが弱くて、心臓に病気があった弟。
代わりに「コメ」をやるのは私しかいないだろう！
と熱い思いを育みながら、畑作業を手伝っていました。

ある夏、ドキドキしながらおじいちゃんに
その思いを明かしてみます。
するとおじいちゃんは、
「この家を継ぐのは、たかし（父）かかつみ（弟）」
「昔から決まっていることで、えみはダメだ」
「女が継ぐなんて聞いたことがない。ご近所の恥」
と、容赦なく一蹴。

冷たい言葉をかけられ胸のうちの炎は
一瞬でシュッと消えてしまいました。

これが私の二度目の挫折でした。
（つぎにつづきます）

（ちなみに、おじいちゃんは私のことをよく
「ぺっぴんさん」と褒めてくれるので大好きで、
現金な私はそれからもずっと仲良くしていました）