- 古賀
- 仕事は辛いです、ほんとに辛いです。
子供の頃にドラクエにはまってたのと、
あまり変わらなくて。

- 古賀
- ドラクエも、おもしろさと辛さと
両方あるじゃないですか。
なんでずっとこんなスライムと
戦ってなきゃいけないんだ、
早く竜王行きたいのに…っていう感覚が結構、
仕事と近いんですよね。
やっていく1個1個はほんとに面倒くさくて、
スライムと戦うような日々なんですけど、
でもそこをやっておかないと竜王に会えないし。 - 糸井
- それは今、組織を作ってから思ったことですか、
それとも前から同じですか。 - 古賀
- 前から同じですけど、
でも前はもっと露骨な出世欲みたいなのが
あったんですよね。
ライターの中で一番になりたいとか、
あいつには負けたくないとか、
そういうチンケな欲がすごくあって。

- 古賀
- でも今は、
そこで競争して消耗するのはもったいないな、
という気持ちがあります。
外に目を向けたときのおもしろさを、
今ようやく知りつつある感じですね。 - 糸井
- その意味でも、組織を作ってよかったですね。
- 古賀
- そうですね、ほんとに、はい。
会社の子が10万部いって、
それが嬉しかったですね。
自分のこと以上に全然。 - 糸井
- 人が喜んでくれることこそが
自分の嬉しいことですっていうの、
綺麗事として言葉にすると
すごく通じないんだけど。

- 糸井
- 例えばお母さんが子供にイチゴを食べさせて、
お母さんは食べないでいる…みたいな、
そういう経験をすればするほど、
人の喜ぶことを考えつきやすくなりますよね。 - 古賀
- そうですね。

▲仕事は苦しくって、辛い。
でも、それを語る2人は、
なんだかちょっと楽しそう。
糸井さん、この日の最後に
「僕ぐらいの年になるまでの間に、
おもしろしいことはたくさんあるから」
と言っています。
おもしろいことって、
苦しくて辛いことの後にあるのかもしれません。
