もくじ
第1回チョコミントとわたし 2016-06-28-Tue
第2回チョコミントのはじまり 2016-06-28-Tue
第3回チョコミントの聖地へ 2016-06-28-Tue
第4回チョコミントメニューの誕生 2016-06-28-Tue
第5回チョコミント中毒 2016-06-28-Tue

とあるIT企業で企画職をしています。
お酒とプロレスと野球があれば、いつも幸せです。

担当・合田 知佳

第2回 チョコミントのはじまり

そもそも、
「チョコ」と「ミント」という組み合わせを、
最初に考えたのは誰なのだろう?
わたしはそれを知りたいと思った。

「チョコミント 起源」
「チョコレート ミント 歴史」
などで検索してみても、それらしき情報は得られない。

どんな記事や資料を見ても、のっていない。
同じ疑問を持ち、追求を試みたものもいたようだが、
みな志なかばで断念し、その謎に到達できずにいた。
「チョコミント」の真実を追う旅は、
いきなり暗礁に乗り上げた。

わたしは仮説を立てた。
アイスクリームの歴史を追えば、
最初に「チョコミント」フレーバーが
考案された場所にも、近づけるかもしれない。

記事や資料を調べていくうちに、
日本に初めてチョコミントが販売された場所がわかった。
あのサーティーワンアイスクリームである。

サーティーワンアイスクリーム(バスキン・ロビンス)
1945年アメリカのカリフォルニア州の郊外で
Baskin(バスキン)氏、Robbins(ロビンス)氏によって
創設された世界最大のアイスクリームチェーン。
「サーティワン」は英語の「31」の意味で、
1ヶ月(31日)毎日違う味のアイスを楽しんでほしい、
という願いがこめられている。

「チョコミント」アイスクリームも、
現地で人気のフレーバーであったという。

その「サーティーワンアイスクリーム」が、
日本に上陸したのは1974年のことだ。

泉麻人さんが書いた
おやつストーリー』にこんな記述がある。

「日本で最初にチョコミントが売られたのは
昭和49年4月23日、サーティーワン1号店として
オープンした目黒店においてである。
いまでこそカワイイといわれているその風貌も、
当時は毒々しく見えたのか
売れ行きは芳しくなかったという」

「超能力ブーム」が巻き起こり、
巨人の長島茂雄氏が現役引退したその年、
日本で初めて「チョコミント」が販売されたのだ。

あの美しいミントグリーンが災いして、
売れ行きはよくなかったという。
また、本の中にはこうも書かれている。

「『チョコミント派』の子は、
『チョコミント』一筋に
青春を捧げている場合が多い」

これは当時すでに
「チョコミン党」がいたことを示す
たいへん貴重な記述である。

今日の「チョコミント」の人気は
こういう時代の「チョコミン党」たちの
努力によるものなのかもしれないと思う。

さらに周囲にヒアリングを重ねると、
「サーティーワン」とならび、
「初めてチョコミントを食べた」
と、その名がでてくる商品があった。
それがセブンティーンアイスだ。

セブンティーンアイス
グリコが自動販売機で展開するアイスブランド。
1985年誕生。アイスを街中を食べ歩きすることが
女子中高生を中心にトレンドとなっていた当時、
「17歳を中心とした若い女性」をターゲットとして
「セブンティーンアイス」と名づけられた。

「サーティーワンアイス」と「セブンティーンアイス」。

この二つが日本人のDNAに刻まれた
「チョコミント」の記憶の原点であるということは、
たぶん間違いないと思う。

わたしはあらためて、
この二種類のチョコミントアイスを食べてみた。

その1:「サーティーワンアイス」のチョコレートミント

カラーチャート



「これぞチョコミントの王道」といえる、
とても美しいミントグリーン。
あまたのチョコミントの手本となったに違いない。

チョコレートチップが粗めに入っているのがうれしい。
ミントのさわやかさが抜けた後に、
チョコの風味がやんわりと残る。
冷たい甘さがとても心地よいと思う。

主役級の存在感をもちながら、
またダブルやトリプルで注文した時にも
相手役のフレーバーをも引き立ててくれるような
余裕と柔軟性も感じる。

その2:「セブンティーンアイス」のチョコミント

カラーチャート



「サーティーワン」よりもやや青みがかった、
クールなミントカラーにしびれる。

チョコは断層のように配合されていて、
食感はクリーミーさよりも、さくさく感が強い。
手早く食べられて、溶けにくい印象。
食べ歩きに適しているというのは、その通りだと思う。
あっというまに食べてしまった。
爽快な後味でもう1つ、2つ食べられそうな気がする。

日本の「チョコミント史」を紡いできた、
この2つを食べくらべて気づいたのは、
食べやすさ、
甘さと清涼感の絶妙なバランスだった。
はっきりいって、どちらもすごくおいしかった。

世間ではまだまた苦手も人が多いという「チョコミント」。
わたしの頭に浮かんだのは、
「昔よりも『チョコミント』はおいしくなったんじゃないか」
「みんな今ではチョコミントが好きなのではないか?」
という疑問だった。

なぜ「チョコミント」は
こんなにも広まり、
日本で長い間愛されているのだろう。

実際の「チョコミン党」の声を聞いてみたいと思った。
ほかのみんなは、
いったいどんなきっかけで
チョコミントを好きになっているのか。

そう思っていたある日、
わたしは「チョコミン党の聖地」と呼ばれる場所が
京都にあることを知ったのだった。

(つづく)

第3回 チョコミントの聖地へ