もくじ
第1回チョコミントとわたし 2016-06-28-Tue
第2回チョコミントのはじまり 2016-06-28-Tue
第3回チョコミントの聖地へ 2016-06-28-Tue
第4回チョコミントメニューの誕生 2016-06-28-Tue
第5回チョコミント中毒 2016-06-28-Tue

とあるIT企業で企画職をしています。
お酒とプロレスと野球があれば、いつも幸せです。

担当・合田 知佳

「チョコミント」。
それはミントとチョコの
不思議なコラボレーション。
「歯磨き粉みたいだね」って言われても、
このあふれる愛は止められない。

いま、巷では
「チョコミント」に魅せられた人々のことを
「チョコミン党」(ちょこみんとう)と呼ぶという。
近年その活動が活発化している。

以前はどちらかというと
日陰の存在だった
「チョコミント」を、時代が求めているのだろうか?

なぜ「チョコミント」はおいしいのか。
なぜ「チョコミント」にこんなに惹かれるのか。
なぜ「チョコミント」は生まれたのか。

「チョコミン党」のひとりである
わたしがそれを知るための旅へ出てみた。

第1回 チョコミントとわたし

わたしと「チョコミント」との出会いは、
小学生のころにさかのぼる。
たぶん1、2年生ぐらいのときだったと思う。

週末、イトーヨーカドーの広場で
母の買い物の帰りを待つのが恒例だった。
広場にはアイスクリームショップがあり、
待っている間、
ここのアイスを食べることができた。

「好きな味をひとつ選んでいいよ」と言われて、
お店のガラスケースの中をのぞくと
魔法みたいな名前のついた色とりどりの
アイスクリームがたくさんならんでいた。

そこで見つけたのが、
絵本の中の雪山みたいな色をした、
「チョコミントアイス」だった。
「これがいい」と指をさしたら、
「これはちょっとからいやつだよ」と
親には止められた気がする。

ちょっとだけグリーンがかかったブルー。
見たこともないきれいなこの色が
どんな味なのか知りたかったのだと思う。

食べてみると、
スーッとするミント味の中で、
パリッとしたチョコレートが層になっている。
ひと口食べるたびと、
スコップで冬の朝に畑に生えた霜ばしらを、
ざくざくと掘るような食感がして楽しい。

おいしい。
こんなものはいままで食べたことがないし、
たぶん、どこに行っても食べられない。

衝撃を受けたわたしは、それから
「チョコミントアイス」を食べ続けた。
どんなに食べても飽きることがなかった。

「バニラ」や「ストロベリー」を頼むことは、
「とてもこどもっぽい」ことに思えた。
「チョコミント」を選んでいるわたしは、
時代の最先端にいると思っていた。
「チョコミント」を選ぶことで、
すこし大人になれた気がした。

あれはきっと中毒のようなものだったと思う。
食べるたびに、
脳内からしあわせになる物質が出ていた。

あれから歳をとって
お酒とか大人ぶれるものをたくさん知った。
「チョコミント」は昔の思い出になっていた。

そんなある日、わたしはSNS上で、
「チョコミン党」という人々の存在を知った。

「チョコミン党」(ちょこみんとう)
2010年前後よりブログやツイッターを中心に広まった、
「チョコミント」をこよなく愛する人々の呼称。
特定の団体などではなく、それぞれが独自の意志で、
「チョコミント」の啓蒙活動をおこなっている。

「活動記録」と名付けて
「チョコミント」を食べた報告や
新製品レビューをしている
チョコミント愛にあふれる人々の声。

それを見たときに、
あの幼いころのしあわせな記憶がよみがえった。
「チョコミント」がわたしを駆り立てたのだ。
「チョコミント」を広めよ、伝えよと。

なぜ「チョコミント」はおいしいのか。
なぜ「チョコミント」にこんなに惹かれるのか。
なぜ「チョコミント」は生まれたのか。

わたしは「チョコミント」を、
深く知るための旅に出ることにした。

(つづく)

第2回 チョコミントのはじまり