もくじ
第1回(プロローグ)偏食なのに 2016-06-28-Tue
第2回バターロールとカラス 2016-06-28-Tue
第3回ピザを注文したいだけ 2016-06-28-Tue
第4回うみたてたまごと、しお 2016-06-28-Tue
第5回青いうみたてたまご 2016-06-28-Tue
第6回「クッキー」にまつわる、にくい話 2016-06-28-Tue
第7回2ドルの「しお」と、良心 2016-06-28-Tue
第8回グルメ旅行のお土産品 2016-06-28-Tue
第9回ポーキーとプリン 2016-06-28-Tue
第10回(エピローグ)プレイ日記と食べ物日記 2016-06-28-Tue

ライター、ルポエッセイスト/著書『「ぼっち」の歩き方』、『ひとりっ子の頭ん中』/Twitter @moyomoyomoyo

『MOTHER2』グルメの旅

担当・朝井麻由美

第3回 ピザを注文したいだけ

 2番目の街「ツーソン」に入ると、
登場する食べ物がより一層、魅力を増す。
この街には食べ物に関する仕掛けがとにかく多いのだ。
まずは「ピザ」。「マッハピザ」のお店に入ると、
デリバリー専門だからと言われ、電話番号を教えられる。
電話をかけてしばらく歩いていると
ピザ屋のおじさんが宅配にやってくるのだが、
その様子が面白くて、用もないのに注文してしまう。
『MOTHER2』で持ち歩けるアイテムの数は
あまり多くない。
道端に落ちているものをくまなく拾い、
アイテムを使い過ぎないように慎重に歩いていると、
あっという間にリュックサックの中はパンパンになる。
その状態でピザ屋のおじさんが
デリバリーにやってくると、
「あれっ、荷物がいっぱいみたいですね。
じゃ、またよろしくー」
とあっさり帰っていってしまうのだ。
ああ、すみません、買います買います、
ちょっと今、この「クッキー」ひとつ食べますから、
そうしたらリュックが空きますからね、
と言う間もなくまくしたてて、去っていく。

 また、注文しておいてダンジョンの奥地などへ
進んでしまうと、しばらくして
「どうやら、お客様がとんでもないところに
いらっしゃるらしくて(ハアハア)
配達できませんでした。
ピザはかちかちになっちゃうし、
足はくたびれるし…
今回はあきらめて帰らせていただきます。
…か、帰れるかなぁ(ハアハア)」
などと電話がかかってくる。

 買いもしない「ピザ」を
頼み続けてしまったプレイヤーに
一泡吹かせるためだろうか。
エンディングでこんなことを言われるのだ。

「マッハピザでーす。
配達係が疲れちゃってやめちゃいましてね。
いっそ、店をたたむことにしたんですよ。
長い間、ありがとうございました」

疲れさせてしまった自覚は、おおいにある。

(続きます。次は「うみたてたまごと、しお」)

第4回 うみたてたまごと、しお