もくじ
第1回(プロローグ)偏食なのに 2016-06-28-Tue
第2回バターロールとカラス 2016-06-28-Tue
第3回ピザを注文したいだけ 2016-06-28-Tue
第4回うみたてたまごと、しお 2016-06-28-Tue
第5回青いうみたてたまご 2016-06-28-Tue
第6回「クッキー」にまつわる、にくい話 2016-06-28-Tue
第7回2ドルの「しお」と、良心 2016-06-28-Tue
第8回グルメ旅行のお土産品 2016-06-28-Tue
第9回ポーキーとプリン 2016-06-28-Tue
第10回(エピローグ)プレイ日記と食べ物日記 2016-06-28-Tue

ライター、ルポエッセイスト/著書『「ぼっち」の歩き方』、『ひとりっ子の頭ん中』/Twitter @moyomoyomoyo

『MOTHER2』グルメの旅

担当・朝井麻由美

 「細部までこだわったテキストと世界観」
――『MOTHER2』というゲームの
素晴らしさについて語られるとき、
しばしばこういったフレーズが使われます。
これ以上なく『MOTHER2』のことを
正しく言い表していて、
だからなのか、
その“細部”が一体なんなのかについてが
紹介されることはほとんどありません。
糸井重里さんが作った『MOTHER2』は、
敵と戦ってレベルを上げ、
世界の危機を救いに行くゲーム。
文字にすればよくあるロールプレイングゲームと
同じに見えますが、
とにかく熱狂的なファンが多いと言われています。
それは、プレイした人たちが
具体的な“細部”に触れたからこそだと、
私は思っています。
だから私はここに、
細部についてを書いていきたいのです。
私が大好きな、
『MOTHER2』に出てくる食べ物のことを。

第1回 (プロローグ)偏食なのに

 私はけっこう偏食で、
オムライスが好きだからと
オムライスばかりを食べたり、
毎日餃子でもいいと思っていたりする。
けれど、それがこと『MOTHER2』を始めると急に、
今日は「クロワッサン」を食べたから、
明日は「ハンバーガー」を食べたい、などと言い出す。
「やぎバターがゆ」という
食べたことのない食べ物だって食べてみたいし、
レストランへ行って「シェフのおすすめ」を
注文するのもいい。

 『MOTHER2』は
食べ物に関するゲームでは決してない。
やろうと思えば、お店で食べ物を一切買わずに
クリアすることだってできてしまう。
 言わば道草的な、なくたっていいようなものなのに、
『MOTHER2』に登場する食べ物は、いちいち魅力的だ。
ただゲーム画面に文字が表示されているだけなのに、
実際に食べたわけではないのに、
どうしてこうも惹きつけられるのだろう。
この魅力には、何か秘密があるに違いない。
食べ物のことばかり考えながら、
『MOTHER2』をプレイし、その秘密を探りたい。

(続きます。次は「バターロールとカラス」)

第2回 バターロールとカラス