怪・その35

「横の動きと縦の動き」



実家に住んでいたころ、
眠っていると誰かが部屋に入ってきました。

部屋の電気を消しに、
父が入ってきたのだと思ったら、
金縛りにあいました。

すると、誰かが抱きかかえる形で
私は横に引き出されたのです。

腕の感触から、男性なのだと感じました。
動けないなりに抵抗すると、
もとに戻されました。

すると、
だらんとベッドから垂れている私の指を
誰かに舐められたのです。

ひとり暮らしをしている時、
夜中にふと目を覚ましました。

空気が変わっている感覚があり、
金縛りにあいました。

ベッドの上で動けない私の足元を、
段々と頭の方にむかって
誰かがゆっくりゆっくりと歩いているのです。
体がそのたびに、ベッドに沈むのです。

恐怖を感じつつも、
頭の方まで行ったら消えるだろうと思っていたのが、
また足元へと戻りました。
これで解放されると思った瞬間、
両足首をつかまれました。

金縛りは、
脳が起きているのに体が眠っている状態で
おこりやすいと言われますが、
霊能力のある占い師の方に言われたのが
「横の動きはただの金縛りで、
縦の動きは霊的なものである可能性が高い」
のだそう。

そうだとすると、
ベッドの上を歩いていたのは
霊的なものだったのか、
と思うと、あの日の怖さが蘇ります。

(ゆうこ)

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2023-08-27-SUN