怪・その15

「頭のすぐ後ろから」



かつて職場の後輩が、
書類を家まで届けてくれた時のこと。

車で来ていた彼が、
「もう帰るだけなんで、ドライブでも行きませんか?」
と誘ってくれました。

「じゃ、お言葉に甘えて」
と助手席に乗り込みました。

しばらく雑談を交わしながら夜の道をドライブしました。

皇居近くを走っていたら、突然後部座席の方から
「ワハハ」と低い男の笑い声が聞こえてきました。

私はビックリし、瞬時に
「ちょっとー、急にビックリした〜」
と思わず誰かにいたずらされた時のような反応で、
後ろを振り返ってしまいました。

その後、気付きました。
この車には2人しか乗っていないことを。

「ねぇ‥‥今の何?」

「‥‥あまり深く考えない方がいいですよ」

彼はいわゆる霊感の強いタイプで、
幼少期から色々なものが見えていたそうです。

窓は閉まっていたし、
外から聞こえてきたわけでもありません。

間違いなく、
私の頭のすぐ後ろから声が聞こえてきたのです。
(ゆうこ)

こわいね!
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2022-08-10-WED