怪・その14
「おかっぱの女の子」
30年近く前に職場の同僚から聞いたはなしです。
彼女は
「わたしの守護霊は
小さなおかっぱの女の子やねん」
と言っていました。
自宅で何度も姿を見たそうです。
あるときは2階へと階段を上がる後ろ姿、
あるときは閉めたはずの部屋の窓が開いていて、
驚いて空き地を見下ろしたら
赤いかすりの着物姿のおかっぱの女の子が
走っていた‥‥。
「自分は強く願えば大抵のことは叶うねん」
とも話していて、
それは守護霊のおかげだと思っているとも。
「ただね、体調崩したら
ふつうの倍くらいしんどいことがある」。
「自分ひとり分じゃないなって思うねん」
とも。
いま彼女がどうしているかわかりませんが、
その赤いかすりの着物姿の
小さなおかっぱ頭の女の子は
座敷わらしだったかもしれないなあって、
思ったりするのです。
(K)