怪・その49

「守られた家族」



今週あったお話なんです。

夜に慌てて帰ってきた息子が、
肩で息をしながら話したこと。

塾から自転車での帰り道、
普段は通らない抜け道を通ったそうです。

暗い中、ぽつんと街灯があり、
その下にカーブミラーがあって、

そのオレンジのカーブミラーの
ポール部分を
片腕を伸ばしてつかんで立っている

お婆さんらしき人がいたそうです。

赤いロングスカートをはいて、
上半身は白い服。

どこを見ているのか分からない。

「お婆さん、派手な服、夜10時すぎ、
カーブミラーを掴んで立っている?」

もしかして徘徊とかで
保護の連絡をした方がいいのかもしれない。

と思いながらその人に自転車で近づくと、
もの凄い鳥肌が立ったので、
急いで通り過ぎて、
振り返らず、自転車をこぎまくり
帰ってきたとのこと。

お婆さんだけど、人じゃないと思う、
何か分からない、と大騒ぎ。

しかし、ひとしきり話すと落ち着いたようで、
自分から、塩で体を洗うわと言い、
入浴を済ませ、自分の部屋に入っていきました。

その後すぐ、主人が煙草を吸うために
玄関を出た時、

壁の並びにエアコンの室外機があるのですが、

その影に、人でない、動物でもない、
黒い何かがいる。
うずくまっているのを感じたそうです。

自分は幽霊は見た事ないけど、何かがいる。

もしかして息子が見た何かが、
ついてきたのではないか、と、
主人が走って部屋に入ってきてそう訴えるので、
慌てて塩を玄関の外に撒いたりしました。

しばらくして、その気配は消えたようです。


じつはつい先週、主人がとある神社に行った際、
砂のお守りを頂いて帰っており、
それを玄関や家の外に少しずつ置いていたのです。

特に何かあったからという意味でもなく、
何かから守っていただけるかもしれないね、
いいことがあるといいね、
と無意識に置いたものでした。

だから、その何かはそれ以上近づけなかった、
家に入れなかったのだろうと感じました。
守ってもらったのだと家族で話しています。

(ke)

こわいね!
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2021-09-08-WED