怪・その12

「憑依されやすい妻」

12〜13年前の話です。

家内は憑依されやすい体質（？）のようで
これまでも、法事などの際に、
自分の意思とは関係なく
ご先祖様らしき人に憑依されることがありました。

その家内の祖父が亡くなり、
初七日の日の出来事です。

親戚が集まりお経をあげ終えた時に、
妻が心の中で

「三途の川を渡ってしまう前に、
何か言いたいことがあれば
自分の体を貸してあげる・・」

と思った瞬間、
祖父がどすん！　と入ってきたそうです。

そして、その場にいた親戚に
一人一人メッセージを伝え、
最後に周囲を見回し
「あれ？Nちゃん（家内）‥‥
　Nちゃんは？‥‥」

と家内の姿を探し、

「今、入ってるじゃないの！」

と祖母からつっこまれ、

「Nちゃん‥‥ありがとうね‥‥
しんどいのにごめんね。
じゃあもう行くから‥‥」

と言い残し、去って行かれました。

しっかり挨拶をして、
お別れができるなんて、
なかなか無いですよね。

家内いわく、
憑依されている間は
ものすごく吐き気がするそうです。

（ｂ）