怪・その11

「あの子のお姉ちゃん」



私が小学生低学年の頃、

同級生の男の子のお家へ
何人かでゲームをやりに行った。

その子はお姉ちゃんが居たのだが
交通事故で亡くなったと
その子から教えて貰った。

お姉ちゃんのお部屋を見せてもらうと
私の勉強机のイスに使用している座布団と
同じ座布団を使っていた。

それがとても印象的だった。

数日が経ち、
自宅の祖父母の部屋で
夜、枕元の電気だけを付け、
祖父のベッドでイラストを描いていた、私。

同じ部屋に、祖母も寝ている。

部屋は枕元の電気以外、真っ暗だ。

ふと、
横から視線を感じた。

見てみると、白いモヤのような物体。

しかし目や口は黒く、
それが人の顔のように見える。
それと同時に、
ポニーテールの女の子だということが
なぜだか分かった。

じっと私を見ている。

あまりにびっくりして
初めてベッドから、私は落ちた。

寝ていた祖母の足元に、ドシンと。

祖母は何事かと起きたが、すぐにまた寝た。


私は心臓がドキドキしていた。

私は確信した。
あれはあの男の子のお姉ちゃんだ、と。


初めて霊らしきものを見た夏だった。

(a)

こわいね!
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2021-08-08-SUN