怪・その10

「怖かった借家」



私が小学生の頃住んでいた借家の話です。

平屋でコの字型の一軒家でした。
住み始めてすぐ、
暗くて嫌な感じはしましたが
そう感じるのは私だけと思い、
何も言わず過ごしていました。

寝るときは和室で、
両親と弟の4人でいつも寝ていたのですが、
廊下から複数の足音や話し声が
定期的に聞こえて来るのです。

また、木の柱が家の中心にありましたが
だんだん人の顔の様なものが浮かんできていました。

気味が悪く、
一人で留守番するのがとても怖い家でした。

住んでいるうちに、
事故や病気が重なり、
気にした祖父がお清めのお酒など
対処をしましたが、変わりませんでした。

高校生までこの家に住んでいましたが、
足音や話し声のことは
怖くて家族には一切話しませんでした。

後日、実家を新築し、
この家を引っ越した後に
家族にこんなことはなかったか聞くと
父と弟は分からないと言い、
母は怖かったから黙っていた、と言っていました。

今考えると、
よく7年も住んでいたなぁと思います。

(S)

こわいね!
Fearbookのランキングを見る
2021-08-08-SUN