怪・その8
「白いふくらはぎ」
母から聞いた話です。
母の母、つまり祖母は、
母が中学生の時に癌で亡くなったそうです。
母には当時小学生の弟が二人いて、
学校に通いながら母親代わりをしなければならず、
大変な毎日だったそうです。
ある日裏庭にいると、
台所からまな板を包丁で叩く、
リズミカルな音が聞こえてきたので不信に思って覗くと、
台所に掛けられた暖簾の下から、
白いふくらはぎが見えたそうです。
弟たちの足ではありません。
怖くなって、隣のおばさんを呼びに行きました。
おばさんはその状況を見て、
「○○さん、
子供たちのことは大丈夫やから、
成仏して。」
と言ってお経を唱えました。
すると白いふくらはぎはスーっと消えて、
包丁の音もしなくなったそうです。
(ミルキーウェイ)