怪・その41

「母の不思議な体験」

私の母には、不思議な体験が3度ありました。

1度目は、防空壕にあった鏡の中でのことです。

見たことのないおしゃれな帽子をかぶった男性が
素敵な商店街(あとから、
いわゆるホコ天だったと分かったらしい)を
歩いていて、4歳の母に、
戦争がもうすぐ終わることを教えてくれたそうです。

2度目は、義弟(私の伯父)が亡くなった日。

その日はご遺体に会うことができず、
夜、床についていると、
義弟が寝室に入ってきて、
横顔しか見せてくれないので
「こっちを向いて」と頼んだが

「怖がるから右側は見せられない」、と。

事故で亡くなったので
右側を損傷してしまっていた、
ということを翌日知ったそうです。

3度目は、孫(私の息子)を
親戚のペンションに連れて行ったとき。

森の深いところに建っていて、
まわりには何もなく、
数日前、近くに雷が落ちて
テレビも故障しており、
早く床についたそうです。

窓際にベッドがあり、
その窓に背中を向けて、
孫を抱くように横になっていたところ、

突然全身が総毛立ち、
背中に強烈な視線と殺気を感じたそうです。

絶対振り向いちゃだめ! と思い

「私は〇〇(孫)を
愛してる愛してる愛してる」

と心で念じ続けていたところ、
おなかがカッとあつくなり、
それと同時に、気配が消えたそうです。

母は、
「私は悪いものは見ないから大丈夫〜!」
と言っておりましたね。
今は亡き、母の話です。

(あさみ)

こわいね!
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2020-09-01-TUE