怪・その38
「朝のベランダ」
私がまだ大阪に住んでいた頃の話しです。
今でもあれは何だったのかと
不思議な体験なのですが。
当時の部屋は、
ベッドの枕側がすぐガラス戸で、
ベランダになっていたため、
前日、カーテンを閉めず寝ていた私は、
朝の光で目を覚ましました。
朝の何時かはわかりませんが、
ふと、視線を感じて目線をベランダにやると、
ベランダの、隔て板と言うのでしょうか、
左隣の部屋との境にある、
ベランダを隔てている板の上から
こちらをじっと覗いている方と
目が合いました。
思わず目を逸らし、
また同じ場所をみると誰もいませんでした。
数秒の出来事です。
私は目が悪く、裸眼だとほぼ見えません。
でも、はっきりと、
覗いている方の首から上が見えたことに
あれは何だろう、と。
もし、人であれば、かなり背が高い人です。
怖さと不思議な感じが入り混じった感覚でした。
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