怪・その37

「違和感を祓う」

私の実家は社家で、
私自身も後を継ぎ神職として
お勤めさせていただいています。

そんな私が、
発掘調査のお手伝いをしていた頃のことです。

暑い暑い真夏の日、
いつものように実測したりしておりました。

お昼休みがあけ、
午後の業務に取り掛かったくらいから、
肩と背中に違和感を感じていました。

痛いというか、だるいというか‥‥。

作業員のおばちゃんに
休憩時間に揉んでもらったりしてたのですが、
一向に良くならず。
これはおかしい、
と思うのと同時に
すごく苦しく感じていました。

帰ったら父にお祓いしてもらおうと、
定時できりあげ、帰宅すると、
生憎父は外出しており不在。

このまま夜を迎えるのは絶対に嫌だ、
と、なぜか強く感じて、
夕暮れのお宮に1人であがりました。

お祓いの祝詞を唱え、
自分で自分を大幣で払ったとき、
後ろに並べていた椅子が

ガターン!

と大きな音を立てて動いたのです。

まるで、持ち上げて投げ下ろしたみたいに。

直ぐに振り返ったけれど、
椅子はそのままきれいに並べられています。

怖くなって、走って家まで帰りました。

気がつくと、肩と背中の違和感は消えていました。

父の仕事を手伝うようになり、
不思議で怖い体験が増えました‥‥。

(a)

こわいね!
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2020-08-29-SAT