怪・その30

「トイレは通り道」

娘が昨日20歳になり
いろんなことがあったなぁと
ひとり懐かしんでいたときに
思い出したんですが‥‥。

娘がまだ3、4歳の頃の話です。
当時、寝るときはいつも
寝室で家族揃って寝ていたのですが、
ある日、娘が風邪を引いたか何かで
私と娘だけリビング横の和室で
寝たときがありました。

和室には窓がなく、
リビングにつながる襖を閉めると
灯りがもれることもなく、
真っ暗になる部屋でした。

夕方、娘が目を覚まさないように
電気を暗めにつけて、
布団の横で洗濯物をたたんでいました。

かあちゃん。

と呼ばれ、
あら起こしてしまったかなと娘を見ると、

寝ながら私の背後を

じーっと見て

かあちゃんの後ろにいる人だれ?

と言われました。

‥‥誰もいるわけないやん。
怖いやん。

と思いながら、
でも悟られないよう気丈に振る舞いながら、

えー?
どんな人おるー?

と、震える手で洗濯物をたたみながら聞くと、

指輪してる女のひと〜。

と言いました。

うそやん!!
怖いやん!!
振り向けへん!!
どうしよう!!

と焦りながらも

ふーん、そっかあ〜。

と平静を装って洗濯物をたたみながら
なんとか答え、
でもまだ振り向けず、
少し顔が引きつってたと思います。

あ。
女のひとトイレの方にいった。

と娘が言うので

ん?? トイレ?

あ〜そういうことね。

かあちゃんの後ろの壁に入っていったんや!

そっかあ〜。
じゃあもう見えへんね!

うん。はいってった。
おらへん。

安心した私は
電気を思いっきり明るくつけて、
恐る恐る振り返り、
誰もいないことを確認しました。

その日は電気をつけたまま寝ましたし、
トイレは、
主人が帰ってきて確認してもらうまで
いけませんでした。

トイレは霊の通り道ってよく言いますけど
本当だったんですね‥‥。

(yu)

こわいね!
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