怪・その45
「友人たちのその後」


あれはもう、30年くらい前のことです。

学校のある係で、私を入れて4人、
放課後に作業をしていました。

そのとき誰かが、

「知ってる?
 あの空き家、『出る』んだって」

と。

そして、これから行ってみよう、
ということになりました。

私は怖いので
「用事があるから」と行きませんでした。

「それに、やめた方がいいよ、そういうの」

と言いましたが、3人は、

「明日、報告するから♪」

と言って、

もうすっかり暗くなった帰り道、
3人は一緒に歩いていったのです
‥‥‥確かに。


次の日、ひとりの子に
「どうだった?」と聞いたところ、

「え? 何の話??」。

他の子も、

「何言ってんの?
 フツーに皆で帰ったじゃん」と。

私は何だか釈然としませんでしたが、
それ以上は何も言わず、
そのまま卒業、いつのまにか忘れていました。


そんな私たちが40を超えた年、
卒業以来、はじめての学年同窓会がありました。

名簿をみながら、

「やっぱり、もう、『故人』もいるのねー」

なんてながめながら、
ふと、気づきました。


あのときの3人が、みな、
「故人」となっているのです。


他に亡くなった方もいましたが、
それもふくめて学年全体で5人くらいでした。


3人とも、死因はどうやらまちまちなのですが、
時期は同じ20代前半でとのことでした。


いまだに私には、
とても、「偶然」とは思えないのです。

(K)
この話、こわかった! ほかのひとにも読ませたい。
前の話にもどる 「ほぼ日の怪談」にもどる 次の話も読んでみる
2011-09-02-FRI