おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson1101
怒りは人を一瞬で「自分は正しい」に染める

私は、長いこと、
人は正義感にかられて怒る、
と思っていた。

あるいは、

人は怒ってしまった手前、
なんとなく、ばつが悪くて
自分を正当化するんだろう、と。

ところがそうじゃなく、

怒りには、
「自分のやってることが正しい、正義である」
と思わせる機能が備わってるんだと、
読んでいた本で知って、
私は怒りの専門家でもないし、
なんの検証もできないんだけど、
あまりにも腑に落ちてしまった。

「怒ってる人=自分は正しいと思ってる人」

ということだ。
ちょうどそれを本で見つける前、
私は久々に「怒って」いた。

ものすごく、ものすごく、
楽しみにしていたことが、
誰のせいでもなく流れてしまった。

私は、どこにぶつけていいかわからない
「怒り」を腹に秘めたまま、
家族と食事をした。

私にとって、怒りの定義は、
感情のメーターが振り切れたところだ。

秤(はかり)は、容量を超えてしまうと、
針が赤いゾーンに突入する、
まさに、あんな状態だ。

その時の私は、
ガッカリの感情が大きすぎて、
自分のキャパオーバー=「怒り」
になっていた。

そんなこととは知らない家族が、
たまたまドラマの話をした。

私には、それがどうも気に障り、
「さいきんドラマの見過ぎじゃないの?」
と言い返した。

家族の名誉のために言っておく、
家族は節度をもってドラマを見ている、
決して見過ぎなどではない。

けど腹に無自覚な怒りを溜めていた私には、
そうとしか思えない、

こりゃあ教えてやらなきゃならん、と、

当時、仕入れたばかりの知識を振りかざし、
「そういう受け身の情報を過剰摂取していると、
頭がダメになるんだ」と、理路整然と説明した。

家族が腑に落ちるはずもない。だって、ただの、
やつあたり、からの、とばっちり、なんだから。

けど、その時の私には、

「なんで? なんで? なんでこんな
分かりやすい説明がわからないの?」
と、おさまりがつかず、

次の日、
わざわざ図書館で本まで借りて、
家族に教えてやらなきゃならんと意気込んでいた。

で、図書館から帰る道すがら、

「自分はどうなの?」

という問いが、
自分の中からスポーンとわきあがった。

「自分はドラマを見過ぎたことはないの?」

ある。

私には、平日の夕方、
毎日連続で再放送されるドラマ、
それだけが一日の唯一の楽しみの日々があった。

「ドラマを見たことは自分に悪影響だったの?」

悪影響ではない。
それどころか、その当時、
会社を辞めて居場所がなかった私には、
毎日連続して見る顔ぶれ・人間関係が、
まるでご近所さんのようで、安心感を覚えた。

ドラマに救われた、励まされた。

はっ!

「私、じゃあなんで? 何を
家族に教えてあげようとしてんの?」

家族に振りかざそうとしていた本が、
私の右手の中で、みるみる軽く、
無意味な物体になっていった。

「恥ずかしい、自分は怒ってたんだ。」

と気づくと同時に
するすると怒りはほどけていった。

その直後、読んでた本で、運命のように、
この言葉を見つけた。

……………………………………

怒りのセットメニューには、
「自分のやっていることが正しい、正義である」
と思わせるという機能がついている。

『心の疲れをとる技術』下園壮太(朝日新書)

……………………………………

人間は、原始人のとき、
獣に襲われたり、
共同体の外の人間が食料を奪いに来たりして、
殺し合いになることもあった。

そんなときに、
「この敵にも親や子がいるかも」とか、
「殴ったらかわいそう」とか、
一瞬でも躊躇したら、自分が死ぬ。

「自分こそ正義だ」と信じ切っていなければ、
殺し合いで勝つことなどできない=死ぬ。

だから、怒りは「自分こそ正義」とセットで、
死ぬか生きるかのレベルで発動されてしまう。

もう、殺し合わなくても済む現代人にも、
ムダに、過剰に、生き死にレベルで、
怒りは、自分は正しいとセットで発動されてしまう。

これを知って見ると、あれこれ腑に落ちる。

ふだん冷静で賢い人が、
なんでこんな短絡的なことをSNSに書くのか、
と不思議に思ったことが何度かある。

根拠もないし、事実誤認もある、
にもかかわらずそういう時に限って、
自信満々で書いている。

あれは「怒り」だったんだ、と思えば、
自分こそ正義だと思い込まされているのだから、
腑に落ちる。

ということは、怒った時、
SNSに文章を書けば、
本人はいつになく自信満々で書くことができ、
でも、本人以外の読む人々には、
「コイツ自分が100%正しいと思っていやがる」
とお見通し、ということだ。

怒った人と、怒った人が、
話し合って決着をつけようとしても、
「私こそ正しい」「いや私こそ正しい」で、
どこまでいっても平行線になるのはあたりまえだ。

「では、怒りと怒りがぶつかる、
いわゆるケンカは、意味がないのだろうか?」

「怒り」は、顔や態度にあらわれて、
だれからも怒っているように見える状態だけが
怒りではない。

なかには、まったく態度にあらわさない、
言葉に出さない、表情一つ変えないで、
ひたすら怒りを自分の中にため込んでいく人もいる。

この状態の人は、
周りにも、自分にすらも、気づかれないまま、
「自分こそ正義」を溜め込んでいく。

「まわりの人はなんでこんなこともわからないの?」

「私以外の人は、みんな、なんで間違ってるの?」

なんで、なんで、を募らせていくうちに、
まわりの人が、世の中が、世界が、
どんどん愚かに、どんどん間違っているように見えていく。

つまり孤立していく。

こうなるよりは、
まるできょうだいげんかのように、
まだ怒りが単純でちいさいうちに、
素朴に、ストレートに、
怒りをぶつけあうほうが健康なように私は思う。

怒らないにこしたことはない、のだけれど。

ふだん、私たちは揺らいでいる。

いいことをしたと思っても、あとから
出過ぎたことをしたかもと心配になったり、
よくよく考えて正しいと決めたことでも、
人から何か言われて不安になったり‥‥、

でも、この揺らぎが大事なのかもしれない。

この揺らぎが消え去り、
100%自分が正しいと思えてきたら、
もしかしたらそれは、
怒りに思い込まされている正義、

「自分は怒っているのか?」

と自分に問おう、と私は思う。

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【満員御礼!】この講座は満席になりました。
キャンセル待ちも締め切りました。
たくさんのお申込みありがとうございました。

宣伝会議 表現力養成コース

編集・ライター養成講座20周年記念講座

山田ズーニー専門クラス
——–伝わる・揺さぶる!文章を書く

山田ズーニーです。
私は、これまで北は北海道から南は鹿児島まで、
大学・高校生から
ビジネスマン・プロのライターから作家まで
幅広い層に、数えきれないほど表現講座を開いてきました。
その原型が生まれたのが、
宣伝会議の編集・ライター養成講座でした。
現在も講師をつとめており、毎回、
受講者に次のような声をいただき手ごたえを感じています。

 

・自分の想いの根幹を探るという経験を
こんなにじっくりと時間をかけてやったことはなかった、
得難い経験でした。

・終了したとき、この講義の意図が
身体にしみわたるように理解できた。
コミュニケ―ションが苦手だったが、
非常に楽しく有意義に受講できた。

・自己開示が苦手だったが、一気に開くことができた。

・現実の出来事を多角的に見て、表現のヒントを探すことは
全ての実務に活かせると思います。

・自分の可能性を信じようと思えた。
自分はつまらない人間ではない。

今回20周年を記念して、ご担当者の、
「この先を行く特別な講座をひらきたい。
表現力をつけたい気持ちはあるものの、
そもそも自分に伝えたいことはあるのか、
と悩む人も多く、その人たちに、
自分を貫くテーマを発見したり、
相手の心に響くように伝えるコミュニケーション力を
つけたりできる場を提供したい。」
という志に共感しました。
2時間×12コマで、
文章表現の本格的な基礎づくりから始まって、
相手に伝わる表現、社会に説得力を持って書く、
さらに、自分にしか書けない主題を発見して書く!
までを責任を持ってサポートします。
ひとりでは気づけない自分の潜在力も、
多彩な仲間とともに引き出しあえるから開花します!
表現を通して他の受講者と心底通じ合える
「感動」の授業です。
心を揺さぶる文章を書きに、ぜひ、来てください。

あなたには書く力がある。

●詳細・お申し込み・お問い合わせは、すべて
こちらのページから
(株)宣伝会議 教育事業部 担当:小林Tel.03-3475-3030まで
*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。

 

●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。

 

ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
意志が芽生える。

さらに、

言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房</small



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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