おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson922
ニガテから自由になる

先日、絵の指導のエキスパートの話を聞いて、
ハッ! と気づかされた。

「私たちはニガテなものに向かったとき、
自分からその一番嫌な部分を探しに行っている」

そこから自分なりに、ニガテから自由になる糸口が
つかめた気がする。

例えばここに、「犬がニガテな人」がいるとする。

ちいさいころ犬に追いかけられ、
犬がきらいではないものの、
つい、噛まれそう・吠えられそう・追いかけられそうと
思ってしまい、恐くてそばに寄れない。
犬を見ると逃げまわってしまう。

この人は、ニガテな犬に遭遇したとき、
自分から一番恐い部分を探しに行っている。

犬の可愛い部分や安らぐ部分
いろいろあるのにそれらがまったく目に入らない。
自分から、吠えられそうな気配を探しに行き、
噛みつかれそうな鋭い牙に注目し、
逃げても追いつかれる足の速さを思って怯える。

これでは、毎回、きっちり、必ず、恐いし、
いつまでたってもニガテから脱却できない。
まずそのことに気づけるかどうか?

「ニガテが自分にロックをかけてることに気づく。」

あなた自身のニガテに置き換えて考えてみてほしい。

もともと自分が持っている自由な感じ方・視野・思考回路。
それを、ニガテ意識はグッと狭めてしまう。
一番嫌な・恐い・辛い焦点を自分から探しに行くように、
それ以外は目に入らなくなるように、
嫌だ・恐い・辛いとしか考えられなくなるように。
であればロックを解けばいい。それには、

「自分から良い部分を探しに行けばいいんじゃないか?」

ニガテなものの良い面を自分から探しに行く。
犬であれば、犬のかわいいとこ・楽しいとこを
自分から意識して探しに行く。

「目が可愛い」
「しっぽのふり方が愛らしい」
「人間ばかりの世の中じゃ息が詰まる、
動物がいることで環境をうるおしてくれてたのしい」

そんなふうに意識して良い面あげて、
自ら積極的に見つけに行く。

たとえ一度で克服できなくても、しょげずに、
「きょうは1個かわいいとこがみつかったぞ」
「きょうもまたひとつ素敵な面が感じられたぞ」
というふうに一歩一歩前進していき、やがて楽しみになる。

ほかならぬ自分の意志で決めたと思っていることも、
よくよく考えたら、まわりの大人から刷り込まれた先入観、
ということがある。私自身ある。

例えば、犬が恐いという人も、
「これが自分の性分だから、しかたがない」
と思っているかもしれないが、
よくよく考えたら、家族や友だちなど、
まわりの人から先入観を
刷り込まれていないだろうか。

「いや自分はちがう、
小さいころ追いかけられたトラウマだ」

という人も、ではなぜ、
「かわいい犬があとをついてきた」ではなく、
「追いかけられて恐い」と感じたのだろうか。
家族に犬が恐いという人がいたりしないだろうか。
そこから知らず知らずに恐いを受け継いでないだろうか。

「きょう犬に追いかけられて恐かった。」

と、こどものころに家族に話したとして、
家族全員が大の犬好きで、
「犬はかわいいのに何言ってんの」
と笑い飛ばしてくれたとしたら、
印象の残り方はだいぶちがってきたかもしれない。

いや、そもそも家族全員が大の犬好きで、
家に犬を飼ってる環境に育ったら、
犬がついてきたときの感じ方は違っていたかもしれない。

人前で話すのが恐いという人も、

実は無自覚に、
まわりから恐いという先入観を刷り込まれている。

親が恐がって
結婚式のスピーチを人になすりつける背中を見た、
自分は発表に抵抗がなかったのに、
大学の研究室の友だちが怯えてるのを見て、なんとなく、
自分にまで恐さが伝染してしまったとか、

ニガテ意識という先入観は、自分の可能性をロックする。

ネガティブ先入観に自分の可能性をやられるな。

人前で話すのがニガテという人も、
自分からわざわざ嫌な面を探しに行ってないか。
失敗したら・恥をかいたら・批判されて傷ついたらと、
それ以外が見えなくなってしまってないか。

「表現の楽しいとこ見つけに行こ!」としてみては。

自分の考えや想いが表現できる、解放される!
聞いてもらえる、わかってもらえる、深く理解される。
人と通じ合える・人間関係がスムーズになる
・楽しみになる。

きっと私たちは、そんなふうに少しずつ
ニガテから自由になっていける。

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「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.com までメールでお送りくださいね。
★仕事のご依頼はここに送らないでください。
山田ズーニーtwitter( @zoonieyamada )へお願いします。
または山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をおたずねください。

 


表現して人とつながる勇気のレッスン!



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河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
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無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

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「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
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山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
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現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。


●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

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2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
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題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

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上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
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連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
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『半年で職場の星になる!
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 ちくま文庫

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一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
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この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
 無料で聴けます

 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。



『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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