「カレーの恩返し」PRESENTS 2014 GW おうちのカレーアンケート 大・結果発表!!
 
6.作り方の工夫
田中 おうちのカレーアンケート・大結果発表、
今日はみなさんから教えていただいた
「作り方の工夫」をご紹介します。
前半ではいろんなおうちの「隠し味」、
後半では「作り方のコツ」をご紹介します。
甲野 どのおうちでもきっと本当に
さまざまな工夫をされているんだろうなー。
たのしみ!
隠し味
田中 では、さっそく「隠し味」からご紹介します。

まず、特に多かったのが
「チョコレート」そして「インスタントコーヒー」、
おまけで「ココア」を入れるというかた。
●最後の仕上げにチョコレート
(カカオ含有率の高いビター)を入れます。
●コーヒー豆又はチョコレート
●最後にインスタントコーヒーを入れる。
●ココアをひとさじいれてます。最近はお味噌も。
 これはめちゃ美味しくなりますわ。
●チョコレート、ピザソース、時々サワークリーム 
●嫁が見ていないスキにコーヒーを混ぜます。
甲野 チョコレートやコーヒーは、けっこうよく聞くかも。
コクが出そうだよね。
田中 また、「味噌」や「キャラメル」を入れるかたも。
●小さじ一杯の赤味噌。
●豆味噌(八丁味噌)をザラメで甘くして、
 隠し味に加える。
●お味噌をスプーン一杯入れます(甘さを出す)。
●マーマレードジャムとキャラメルを一粒いれます。
●ピーナッツバターを入れる。 
●バター。コクが全然違う。
甲野 たしかに、おいしくなりそう。
田中 また意外と多かったのが
「らっきょうの汁」や「福神漬けの汁」を
入れるという人。
●ラッキョウの酢を入れる
●福神漬けの汁を入れます。
(「いいとも」でやってたのですが、まろやかになります)
●キムチの素。仕上げの最後に入れます。
甲野 そうなんだ。ちょっと不思議な感じだけど、
カレーと一緒に食べるし、相性がいいのかな。
田中 また「トマト」も多かったです。
●トマトです。トマトの旨みはスゴいです。
 水分の半分はトマトで作っています。
●水の代わりにトマトホール缶を使用。
●トマトベースの野菜ジュースで作ると、
 あたかも数種類の野菜でベースを作ったかのような
 複雑な風味になって美味しいです。
●ドライトマトを入れる。ものすごくこくがでます。
●プチトマトを一緒に煮込みます。
甲野 ああ、おいしそう。
トマトはだしになるもんね。
田中 いろんなかたのコメントがすごくおいしそうだったので
先日はじめてカレーにトマトを使ってみたのですが、
すごくおいしかったですよ。

そして「果物・チャツネ」系の隠し味。
●実家がりんご農家なので、
 冬に作るカレーにはいつもりんごをすりおろしています。
●完熟したバナナ。潰して入れます。
●熟柿が手に入れば入れる 
●缶詰の黄桃をミキサーにかけて入れます。
●甘いチャツネを一瓶入れます。
●イチゴジャムが隠し味です。
甲野 あ、これもおいしそう。
甘くてとろっとした果物が多いのかな。
田中 つづきまして、「ソース」系です。
こちらもけっこういらっしゃいました。
●我が家は必ず焼肉のたれを入れます。
●一人で食べるときは、
 関西人の「心の友」ウスターソースをかけます。
●最後にケチャップを
 カレーの色が赤みを帯びるぐらいいれます。
●誰に話してもドン引きされてしまうのですが、
 辛く作りすぎたときは上からマヨネーズをかけます。
 一人の時にこっそりやってます。
甲野 ソースっていろんなスパイスが入ってるし、
きっとおいしいよね。
田中 実は「ソース」系で
ダントツで名前が登場していたのが
広島風お好み焼きの定番「オタフクソース」でした。
「ほぼ日」カレーチームの田口(広島出身)も
入れることがあるらしく、
「え、ふつうに入れるものかと思ってた」だそうです。
●元広島の住民としては、オタフクソースは欠かせません。
●お嫁に行って義父に教えて貰った味ですが、
 サラサラの薄めに作って、お皿に盛った後、
 仕上げに広島ならではの
 「おたふくソース」をかけて頂きます。
 もうこれなしでは食べられません!
●おたふくおこのみソースをドバッと。
●オタフクソースを各自入れます。
甲野 そうなんだ。
いろんな配合がちょうどいいのかな。
田中 そして、しょうゆ系の調味料を入れるかたも。
●おかしなことになっても、
 最後の手段は醤油とソースです。
 法事で集った親戚みんなのカレーを嫁の私が担当した際、
 義母にビビられましたが、味はまとまります。
●「なんでも醤油で仕上げればおさまりがいい」という
 醤油教を信仰しています。
●「めんつゆ」を少々入れます。
●魚醤の系統は多いかも。
 いかのいしる、はたはたのしょっつる、ナンプラー。
●ごま油、葱どっさり、しょうゆで
 麻婆豆腐風のカレーにします。
甲野 しょうゆ系の隠し味のカレーは、
2日目とかにカレーうどんにしたときにも
おいしそうだね。
田中 つづいて「お酒を使います」というかた。
●安いワインを1本、水の代わりに入れます。
●水の半量をビールや焼酎にすると、
 肉がいっそう柔らかくなります。
●ポークカレーのときは日本酒、
 ビーフカレーのときは赤ワイン、
 チキンカレーのときはウスターソース。
甲野 たしかにお酒は煮込みによく使うもんね。
田中 そして、隠し味が「お酢」。
●カレールーを使う時は、仕上げにお酢を加えます。
●酸味を加えるために、仕上げに「りんご酢」を、
 けっこう振り入れる。
●酢に昆布を浸して作った
 「昆布酢」(酢の方)を入れます。
●最後の仕上げにバルサミコ酢を垂らします。
 香り良く、あっさりとした後味になります。
甲野 へえええー、お酢を入れるんだ。
果物の酸味とは、また違う方向、という気がする。
田中 また案外多かったのが、「ジュース」を入れるかた。
特に人気は野菜ジュースでしたが、ほかのものもありました。
●無塩の野菜ジュースを1パックいれます。
 あと、ちょびっと醤油も。
●100%アップルジュースをたっぷり入れます。
 5皿分に100ccくらい。
●オレンジジュースを入れる。
●ウーロン茶を水の代わりに入れます。
●カルピスの原液をおたま一杯入れます。
甲野 け、けっこうな量のカルピス‥‥
多くないのかな?
田中 う~ん、どうなんでしょう。
濃いめのヨーグルトを足す感じなんでしょうか。

そして、スパイスを足す感じのかた。
肝臓にいいという事とカレー味っぽいからと理由で、
ウコンがたくさん入っています。
甲野 あ、うこんはターメリックだもんね。
これは、よくわかる。
田中 そして最後、強烈でした。
胃薬(顆粒状のもの)を1包か2包入れます。
食べ過ぎても胃もたれしません。
甲野 ええええーー!!!
‥‥そうなんだ、胃薬。
顆粒状、胃もたれしない‥‥。
ちょっとこちらは‥‥すごいね。
田中 しかも、もうひとりいらっしゃいました。
太田胃散をひとつまみは隠し味。
甲野 うわーー、はあ‥‥すごいなあ。

あ、でも、太田胃散って「生薬」だよね。
ちょっと調べてみていい?
ぱたぱたぱた‥‥(パソコンを叩く)。

太田胃散の成分は、多い順に、
ケイヒ(シナモン)、ウイキョウ(フェンネル)、
ニクヅク(ナツメグ)‥‥。
田中 あ。
甲野 一瞬変だと思ったけど、これ、ふつうだ。
スパイスだ。
たしかにこれは、ありなのかも。
田中 だけど、最初「胃薬」と見たときは、
ほんとびっくりしました。
甲野 うん、ちょっとすごかった。
作り方のコツ
田中 さて、つづいては、
いろんなおうちならではの
「作り方のコツ」を幅広くご紹介します。

まずは定番「たまねぎ」の使い方。
●「とくべつな作り方」はない!ですが、
 玉ねぎだけはじっくり丁寧に炒めます。
●無水で、玉ねぎ6個をブレンダーで潰し、
 玉ねぎの水分だけでつくります。
●玉ねぎは絶対淡路島産。甘味が違います。
●タマネギを炒める時にクミンを入れて炒めます。
甲野 あ、こういうの、ほっとする。
たまねぎ、大事だよね。
田中 前、カレーの味がどうしても決まらなかったときに
最後に後入れで
たっぷりの「炒めたまねぎ」を追加してみたときに、
一気に味がおいしくなって感動したことがあります。
甲野 うん、たまねぎは本当に変わると思う。
田中 たまねぎを炒める手間を軽減する方法も、
いろいろ教えていただきました。
●玉ねぎを炒めるときは、
 砂糖と50ccくらいの水を加えて強火で一気に炒めます。
 焦がさないように色付ける、
 ずるい方法だと思っています。
●玉ねぎを短時間で飴色にするには、やはり電子レンジ。
 シリコンスチーマーにスライスオニオンをたっぷり入れ、
 電子レンジで15分くらい加熱します
 (途中数回開けて、かき混ぜながら)。
 ほかほか湯気が熱く立ちこめるそいつを、
 バターで、おろしニンニクとともに炒めます。
 たまらないコクです。
●タマネギはスライスして凍らせたものをよく炒めます。
●玉ねぎを炒めるとき、
 その時間を楽しむために音楽をかけ、
 歌いながら、時には踊りながら、
 あるいはストレッチや筋トレしながら料理しています。
甲野 へえー、やってみよう。
そして最後の人の方法、いいなあ。
おいしくできそう。
田中 つづきまして、「じゃがいも」のコツ。
●じゃがいもは「きたあかり」を必ず使います。
 あと、機会は少ないですが
 「越冬じゃがいも」が手に入ると最高です。
●じゃがいもはタワシでよく洗って、皮ごと入れます。
 新じゃがだと特に美味しいです。
●ジャガイモは煮込まずに、
 食べるときにレンジでチンしてます。
 なんとなく、そっちのほうが好みです。
●ジャガイモはとろけるのがイヤなので、
 別に茹でて入れます。
●じゃがいもをすって入れると二日目の味が出ます。
甲野 カレーのじゃがいもって
「とかしたい」人と「とかしたくない」人とに
分かれるんだね。
田中 そうみたいです。
そして「とかしたくない」という人の理由としては
とけた味が好きじゃない、ということ以外に、
「冷凍すると味が変わるから」
「日持ちしにくくなるから」
というのもありました。

つづいて「スパイスを使ったコツ」。
●野菜とクミンを炒めてから作ると
 「インドっぽく」なる気がします。
●クミンシードを、油の中でゆっくりはじけさせます。
 たまに口の中で、プチっとポリっと噛むのですが、
 病みつきです。
●ご飯はタイ米か、日本米を油で炒めたクミンを
 一緒に入れて炊く「クミンライス」にしています。
●ごはんはサフランライスや、ターメリックライス、
 ガーリックバターライスに。
●ご飯にクローブを入れて炊いています。
●豚肉カレーには隠しシナモンがマストです。
 肉のくさみを消し、かつ甘みを引き立ててくれます。
●インド人の同僚に粉はひきたてがいいと言われたので、
 ホールシードは、可能な範囲で叩いています。
甲野 へえ~。
こういったちょっとしたコツを教えてもらえるの、
うれしいなあ。
田中 また、このあたりも勉強になりました。
●「ためしてガッテン」でやってた、
 「最初から弱火で煮込む」をやります。
 時間はかかりますが、煮崩れしないんですよ。
●いまいち味が決まらなかったときは、
 レトルトカレーを一袋入れると美味しくなります。
●「何かひと味足りないと思ったらそれは塩」と
 おっしゃったインド人シェフの方がいらしたそうで、
 その教えを守っています。
 何か足りないなと思った時は、
 ルウやその他の調味料ではなく
 塩を少しずつ加えて味をみます。
甲野 何か足りないと思ったら、塩。
そうなんだ。
田中 最後に、おいしそうだった
「炒めカレー」のコメントをご紹介します。
東京カリ~番長が紹介していた「炒カレー」。
 ルウをお湯で溶かしておいて、
 具を炒めたところに投入するだけ、というやりかた。
 おいしいし、むしろこちらのほうが
 スパイスの香りが立つので、いつもこのやり方です。
●インドの方に教えてもらった、
  15分で作る炒めカレーです。
 ローリエ、粒こしょう、クローブを油で温めたら、
 玉ねぎ、しょうが、にんにく、クミン粒を5分炒めます。
 肉、MDH社のカレー粉とクミンパウダー、塩を入れて
 また5分炒め、そこからトマト缶を入れてまた5分。
 仕上げに生クリームを入れたら出来上がり。
甲野 あ、このカリ~番長の「炒カレー」、すごくいいよ。
すぐ作れて、少量作るのが楽で、ほんとおいしい。
田中 あとインドの方の15分カレーもおいしそうですよね。
やってみたいです。

今回は特に充実してましたね。
みなさん、ありがとうございました。
読んでいるかたの役にも立つと、いいなあ。
甲野 そして、次は?
田中 はい、明日はみなさんの「人生でいちばんのカレー」。
いろんなエピソードが登場して、
これまでとはまた違った雰囲気の回になりそうです。
甲野 あ、それもおもしろそうだね。
「人生でいちばんのカレー」、自分ならどれだろう‥‥。
田中 またまたおもしろいですよ。
それでは、また明日~!

(つづきます)
2014-06-16-MON
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