HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN

カッパとウサギの コーヒーさがし

第25回 栗原さんと マンモスコーヒー(前編)

みなさんこんにちは、
カッパとウサギの、頭にお皿をのせていない方です。
いつもお読みいただきありがとうございます。
過日オープンした
「カッパとウサギのコーヒー屋さん」では、
たのしいお買いものもありがとうございます。

その「コーヒー屋さん」には、
コーヒーの淹れ方(カッパとウサギ式)
という動画が置いてあります。
流れているすてきな音楽は、栗コーダーカルテットの
『ちょっとした幸せ』というナンバー。

「この曲をぜひ使わせてください!」というお願いを
栗コーダーカルテットのスタッフさんへ
お伝えしたときのことでした。
ご快諾のお返事メールに、
こんなメッセージが添えられていたのです‥‥。

「ちなみにその曲の作曲者、栗原正己が使っている豆は
 マンモスコーヒーだそうです。
 山下さんに伝えておいてくれ、と伝言たまわりました。」

マンモスコーヒーといえば‥‥
京都でのイベントでお世話になった
とてもおいしいコーヒー屋さんです。


カッパとウサギの、手に水掻きのない方は、
このときひらめいたと言います。

「そうだ、栗コーダーカルテットの栗原さんと
 ぼくらふたりでリクエストをして、
 マンモスコーヒーさんに
 オリジナルブレンドをつくってもらおう!」


カッパとウサギと栗原さんは、
メールのやりとりなどをかさねました。
そしてついにこの日、マンモスコーヒーに集まることに。


青梅街道に面したお店の、
大きな窓のそばの席に、3人で座り‥‥。


カッパとウサギと栗原さんの、
コーヒーのお話が、はじまりました。

※栗原正己さんのプロフィールはこちら


山下 きょうはよろしくお願いします。
栗原 よろしくお願いします。
福田 どうぞよろしくお願いします。
栗原 ‥‥なんでぼくが呼ばれているんだろう、
って思いますよね、読者のみなさんは。

山下 そのあたりの経緯については、
コーナーの最初でご説明させていただきますので。
福田 そもそも栗原さんは、
「マンモスコーヒー」の常連さんなんですよね、

栗原 ええ、そもそもはそれです。
そのことを山下さんに伝えたら、
こんなにたのしいことになってしまって(笑)。
山下 おつきあいくださって、
ほんとうにありがとうございます。
福田 じつはぼくたち3人はすでに、
新しいブレンドについて打ち合わせをしています。
ですよね?
山下 福田さん‥‥
話を進めてくださってありがとうございます。
そうです、ぼくらは打ち合わせをしました。
「どんなブレンドにするか」について。
福田 そしたら栗原さんが、
おもしろいアイデアを出してくださいました。
栗原 いやいや、たいしたアイデアじゃないんですが‥‥。
ぼくの場合、うちで淹れるコーヒーは
マンモスのミディアムブレンドが理想なんですね。
ですから、
「どういうブレンドをつくりたいか」
という意味では、もう十分とも言えるんです。

山下 なるほど、満ち足りている。
栗原 でも、しいて言うならば、
チョコレートに合うコーヒーがあればいいなと。
福田 チョコに合うコーヒー。
これはおもしろい! ということになって、
マンモスコーヒーさんに
そういうブレンドのリクエストをしたわけです。
山下 ‥‥福田さん。
流れるような進行をありがとうございます。
福田 で、きょうは、
それぞれが自分の好きなチョコを持ち寄る、
という約束で集まりました。
山下 はい。
福田 さっそく見せ合いましょう。
山下 ほんとにみごとな進行を‥‥。
じゃあ、せーので出しましょうか。
栗原 ちょっと待ってくださいね、
いまカバンから出すので‥‥。

山下 ‥‥ん?
なんですか福田さん、その箱は。
釣り帰りのおじさんみたいな。

福田 ぼくのチョコはこの中にあります。
山下 わかりました。
じゃあ、せえので、ドンと出しますよ。
栗原 はい。
福田 大丈夫です。
山下 せえのお‥‥!

山下 ドーン!

栗原 ‥‥‥‥‥‥おおーー。
福田 ほおーーー。
山下 ほお、ほお‥‥。
栗原 なるほどなるほど、そうきましたかー。
はいはいはい‥‥。
山下 それぞれにうかがいましょう。
まず、栗原さん。
栗原 ぼくはこの、ベルギーの、
ビスケットにチョコをコートしたやつと‥‥

栗原 「アーモンドラッシュ」です。

福田 アーモンドラッシュ!
栗原 ベルギーのほうは、
自分の使いかたとしては
ちょっとぜいたくな感じですね。
人が家に来たときとか。
で、アーモンドラッシュは真逆で
もっと気軽に食べます。
でもなかなか売ってないんですよ。

山下 アーモンドラッシュは知らなかった。
ブルボンですね。
栗原 そう、ブルボンなんです。
山下 ブルボンはいいですよねえ。
栗原 ブルボンはいいです。
福田 ‥‥はやくぼくのチョコも聞いてください。
山下 やけに急いでますね‥‥
じゃあ、福田さんのチョコは?
福田 ハーゲンダッツのチョコアイスです。

山下 ‥‥ああー!
それで全体的に急いでたんですか。
とけちゃうから。
福田 もう、ね、この暑さでしょう?
しかもぼくは自転車で来たんですよ。
炎天下。
アイスがとけるんじゃないかと、
もう、気が気じゃなくて。
山下 そのリスクをおかしてまで、
このチョコを持ってきたかったんですね。
福田 コーヒーに合うんです。
これを食べながら、舌にのせて、
コーヒーですこしずつとかしながら‥‥。

山下 はい、それはいい!
福田 醍醐味!
栗原 いいですね、冷たいものに熱いコーヒー。
山下 アイスクリームにエスプレッソをかける
デザートもありますよね。
栗原 ありますね。
山下 要は、それを口の中で再現する。
福田 そうです、じわあ‥‥っと。
山下 ちょっときもちわるいです。
福田 ふぉふぉふぉふぉ(←笑い声)
きもちわるいことないでしょう!
口の中が、おとぎの国ですよ。
山下 失礼しました、
口の中がおとぎの国、わかりました。
栗原 山下さんのは‥‥。
山下 ぼくはもう、昔からこれが好きで。

山下 アーモンドチョコとアルフォート。
コンビニで300円でおつりがきました。
栗原 いいですよね、定番でおいしい。
まちがえなく買えるっていうのもいいです。
福田 アルフォートは、刑務所で出るんです。
山下 あ、そうだ、そうでしたね。
何かで聞いたことあります。
福田 刑務所のおやつで、
これが出るとすごくうれしいっていう。
山下 いいコメントだなぁ‥‥それは経験から?
福田 な!
ちがいます、映画でみたんです!
『刑務所の中』っていう映画で。

山下 失礼しました。
とにかくぼくは、
アーモンドチョコが好きなんですよ。
栗原 ぼくもアーモンドチョコ派ですねぇ。
山下 栗原さんとぼくは、
持ってきたふたつのチョコが似てますよね。
ナッツ系と、ビスケット&チョコ系。
栗原 あのですね、たいせつなのはアタック感です。

山下 アタック感(笑)。
栗原 ナッツのアタック感はやっぱチョコに合いますよね。
ベルギーのこれも、
なかなかジャリッとしててアタック感があるんです。
福田 なるほど、アタック感。
山下 じゃあ、チョコレートを開けて、
コーヒーを待ちましょうか。
栗原 そうですね、開けて並べましょう。

福田 ぼくはもう、アイスが気が気じゃなくて‥‥。

山下 どうですか‥‥?

福田 ‥‥あ、ちょうどいいかも!
栗原 それは、むしろベストなとけ具合です。
福田 ありがとうございます!
よかった‥‥。

山下 なんか、すごいたのしいです!
河野さん あの‥‥失礼します。

栗原 あ、河野さん。
福田 マンモスコーヒーのご主人の、河野さん。
山下 福田さん、
読者に親切なわかりやすいセリフを
ありがとうございます。
河野さん ブレンド、お出ししますね。
山下 よろしくお願いします!

山下 きょうは、どういうブレンドを
ご用意いただいているんでしょう。
河野さん 2種類つくってみました。
まずはこれが、「その1」のブレンドです。
福田 その1。
河野さん チョコといっしょにということで、
すこしローストが強めの豆がいいのかなと思いました。
ただ強すぎるのもどうかと、
いわゆる中深煎りよりも、やや深煎り。
山下 微妙な‥‥。
河野さん やや強めのローストですが、
苦みはそれほど強くないんです。
華やかな風味で、
チョコレートで甘くなっている口を
さらりと流すような味わいです。

山下 たのしみですね‥‥。
河野さん では、お召し上がりください(去る)。
栗原 ‥‥いただきます。

福田 いただきます。
山下 いただきます。

栗原 ‥‥‥‥うん。
山下 ‥‥‥‥うん。

福田 ‥‥‥‥なるほど。
栗原 チョコアイスを食べながら‥‥。

福田 チョコをひとくち‥‥。

栗原 ‥‥‥‥うん。
福田 ‥‥うん。
山下 うん。
栗原 おいしい。
福田 そんなに深煎りの印象はないですね。
栗原 ただただ、うまいですね。
山下 ほんとだ‥‥
チョコがさらっと流れる‥‥。
福田 ‥‥これはブラジルなのかな?
栗原 お、そんなことがわかるんですか。
福田 いや、勘です。
山下 ‥‥それにしても、
なんでしょうかね、この光景は。

栗原 チョコを広げて、にぎやかに(笑)。
福田 はたから見たら、何をしてるのかと(笑)。
福田 なんか‥‥女子会?
山下 男子会でしょう。
栗原 男子会(笑)。
  (男子会は、後編へとつづきます)
カッパとウサギのコーヒー屋さん

栗コーダーカルテットの コンサートのご案内。

栗原さんの活動の中心である栗コーダーカルテット。
ここ最近は一年中がコンサートツアー!
といって言いくらいなのだそうです。
そんな中から、近々のおすすめを一本、ご紹介しますね。

栗コーダーカルテット ティアラ で コンサート !

1300名も入る大きな会場で、老若男女、ご家族でたのしめる、
そんな構成のコンサートが開かれるそうですよ。

他にもあちこちでコンサートがあるので、
情報は栗コーダーカルテットの
オフィシャルウェブサイトをご覧ください。

 



2012-08-27-MON

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