HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN

カッパとウサギの コーヒーさがし

第8回 京都モリカゲシャツで逢いましょう。
山下 床屋いった。
福田 ‥‥え?
山下 髪、切りましたよね。
福田 あ、はい、切ってきました。
山下 (撮る)
福田 そんなことで写真を撮らんでも(笑)。
山下 前髪もちょうどいい長さですね。
「くびまき」のモデルのときは長すぎでした。
あれは、前髪が目に入ってたでしょ?
福田 ‥‥まだ、その話を。
あの、山下さん。
山下 なんでしょう。
福田 きのう、友だちに言われたんです。
山下 また。
なんて言われたんですか?
福田 「福田は、出たがりや」って。
山下 出たがり。
福田 出たがり。
山下 福田さんは出たがりなんですか?
福田 いや、だから、そんなことはないんです。
すべて山下さんのさじ加減なんです。
山下さんがぼくの写真を
いっぱい載せるから
「出たがり」と言われるんです。
山下 たしかにいっぱい載せています。
だって、福田さんの顔はたのしいから‥‥。
福田 お願いですから、もっとコーヒーの写真を。
山下 ‥‥わかりました、コーヒーを。
福田 コーヒーメインに。
山下 コーヒーに焦点を。
福田 はい、よろしくお願いします。
山下 わかりました。

「ほぼ日のくびまき2009」男のくびまきスライドショーより
山下 さて、福田さん、
本題に入りますよ。
福田 入りましょう。
山下 すでにお知らせはしているのですが、
きたる、11月1日の日曜日に、
ぼくらふたりは京都にでかけます。
福田 京都に。
コーヒー淹れに。
山下 そう、「モリカゲシャツ キョウト」さんで、
その日いちにち、
11時から18時までコーヒーを淹れます。
福田 それはイベントのようなものでしょうか。
山下 くわしくはこちらをお読みいただきたいのですが、
11月1日からですね、
「ほぼ日手帳」の新作、
モリカゲシャツシリーズの第2弾が
販売されるのですよ。
福田 ほおー。
山下 その手帳カバーと同じデザインの
モリカゲシャツも発売されるんですね。
福田 それはおめでたいことです。
山下 で、それを記念して、11月1日から3日間、
「移動ほぼ日ストア」を
京都のモリカゲシャツさんで開催するんです。
福田 なるほど、なるほど。
山下 その1日目のイベントに、
「純喫茶 カッパとウサギ」が
招かれたというわけです。

(値段はイメージ、実際は無料です)
福田 大丈夫なんですかね、ぼくらで。
山下 ‥‥わかりません。
わかりませんが、一生懸命、淹れましょう。
福田 お客さんにコーヒーを
飲んでいただくんですよね。
山下 はい、来ていただいた方に無料で。
福田 無料で。
われわれは素人だから。
山下 そうです、プロではないので無料です。
福田 ‥‥みなさん、来てくれるでしょうか。
山下 ‥‥どう思います?
福田 わかりません、微妙です。
なにしろわしら一般人ですから。
山下 そうですね、一般人が頑張るのでみなさん、
よろしかったらぜひ足をお運びください。
あたたかいコーヒーと
福田さんのおもしろトークで
おもてなしいたします。
福田 やめてください(笑)。
山下 福田さんのおもしろトーク付きコーヒーは、
先着50名様くらいまでお飲みいただけます。
福田 おもしろトークは、付きません。
山下 付けましょうよ。
福田

無理でしょう。

山下 じゃあ、たのしいおしゃべりを
ぼくらふたりで。
福田 はい、ふつうのおしゃべりを。
つまりぼくらは「にぎやかし」ですよね?
山下 そうです、にぎやかしです。
メインはあくまで、シャツと手帳です。
福田 いいですね、
そういうポジションがいちばんいいですね。
脇役な感じで。
山下 ‥‥出たがりなのに?
福田 いやいやいや(笑)、
だから違いますって。
山下 すみません、失礼しました。
コーヒー中心で。
福田 コーヒー中心で。
山下 そうです、コーヒーです!
そもそもぼくらが
なんで今日集まったかというと。
福田 練習ですよね。
山下 そうです。
今回、京都に持っていく豆に、
ぼくはこちらを選びました。
福田 「マンモスコーヒー」というお店の豆ですね。
山下 はい、この前はじめてお店に行って飲んだんですが
とてもおいしくて。
福田 練馬のお店ですよね、最近評判の。
ぼくはまだ行ってないんですが。
山下 ぜひこちらの豆を今度のイベントに
使わせていただきたいと思って、
ブレンド豆を3種類、100グラムずつ買って、
家で淹れてみたんです。
福田 どうでした?
山下 おいしいんですよ。
ただ。
福田 ただ?
山下 お店で飲んだときの味には
当然およばない。
福田 ああー、それは書いておいたほうがいい。
山下さん、書いておいたほうがいいです。
ぼくらプロじゃないから、
それは書いておいたほうがいい、山下さん。
山下 そんなに何度も言わなくても
ちゃんと書きます(笑)。
それで、ですね、
「マンモスコーヒー」のご主人に
イベントの主旨を説明したんです。
福田 さすが、抜け目ないです。
山下 すごく親切な方で、
ほぼ日のことも知っててくれて、
それはそれは丁寧に教えてくださいました。
福田 ありがたいですねえ。
山下 きょうはその通りに淹れてみますね。
福田 はい。
たのしみですね、それは。
山下 ねえ、わくわくするでしょ?
こういうのが、
コーヒーのおもしろいところですよねえ。
見てください、この豆。

福田 きれいです。
山下 じゃあ、豆は福田さんに挽いていただいて。
福田 ほいほい。
山下 いそがず、挽いてくださいよ。
福田 はい、コーヒーは急がない。
(ガリガリガリガリ‥‥)
山下 はい。
着々と準備は進んでいるわけですが、
ここでひとつお知らせがあります。
福田 なんでしょう。
(ガリガリガリ‥‥)
山下 ポットを忘れました。
福田 (ガリッ)えーー。
山下 すみません。
福田 なにかかならず、ひとつ忘れますね。
山下 忘れますねー!
福田 まあでも、細かいとこは気にせず。
(ガリガリガリ‥‥)
山下 ありがとうございます。
なので今日は不本意ではありますが
ヤカンで淹れることにします。
福田 いいと思います。
(ガリガリガリ‥‥)
山下 京都のために、コーノ式のドリッパーも、
新しく2セット購入しました。
福田 白と黒を。
(ガリガリガリ‥‥)
山下 カップは、シンプルにこのようなものを。
福田 ああー、喫茶店っぽい。
ノリタケですね。
(ガリガリガリ‥‥カラカラカラカラ)
豆が挽けました。
山下 じゃあ、ドリッパーに移してと‥‥。
福田 ほいほい‥‥よいしょ。
山下 粉をたいらにして‥‥。
福田 トントントン‥‥。
山下 きれいですねー。
よし、カップをあたためておきますね。
山下 よし、と。
ここまではいつもと同じなんですが、
ここからがいつもと違うんです。
福田 ほう、どんなふうに。
山下 ぼくらはいつも80度くらいの
ぬるいお湯で淹れますよね。
福田 はい、まろやかになるように。
山下 ところが、
マンモスコーヒーのご主人は
「うちの場合は90度くらいの熱いお湯で」
とおっしゃるのです。
福田 90度ですか。
それは今までのコーヒーをやっている概念を
うちこわすような淹れ方ですね。
山下 ‥‥奇妙な日本語ですが
おっしゃりたいことはわかります。
ぼくらにとっては
びっくりの温度ですよね。
福田 そうです、それです。
山下 ポットは忘れましたが
温度計を持ってきました。
福田さん、ヤカンのお湯は何度ですか?
福田 えーと‥‥
火を止めて間もないので、90度ちょいです。
山下 それで淹れましょう。
福田 へえー。
山下 じゃ、いきますね。
ヤカンでうまくいくかどうか‥‥。
福田 山下さん。
山下 はい。
福田 集中。
山下 はい。
山下 ‥‥‥‥んんー。
どうしてもお湯が太くなってしまいます。
福田 そうみたいですね。
山下 ‥‥ああ、しかも、
お湯が注ぎ口から下に回り込んで
ボタボタと‥‥。
福田 そうなっちゃうんですよね。
山下 こんな具合に、豆ではなく、
周囲のペーパーにかかってしまうのは
とても良くないことなんです。
福田 はい。
で、蒸らしは?
山下 そこもポイントです。
蒸らしは必要ないと教わりました。
福田 あ、必要ない。
また概念をうちこわされました。
山下 マッチ棒くらいの太さのイメージでしょうか、
点滴のようにポタポタではなく、
わりとスーッとお湯をおとしていきます。
福田 いーい感じで膨らんでますねえ。
山下 ね。
香りがすばらしい‥‥。
福田 へえー、わりと早めにおとすんですね。
山下 はい、そう教わりました。
福田 なるほど、豆の焙煎具合とか、
お店の味の特徴によって、
淹れ方もいろいろなんですねー。
深いですねえ。
山下 さ、ここからはいつもと同じです。
ぼちぼち2杯分の目盛りに達しますよね。
福田 もうちょい、もうちょっと‥‥
はい、今です。
山下 そしたら最後までお湯をおとしきらずに
ドリッパーをはずす。
福田 はいりましたね。
山下 ゆらんゆらんと、混ぜます。
福田 ゆらんゆらん‥‥こぼさないでくださいよ。
山下 はい。
では、注ぎます。
福田 うん、きれいな色ですね。
山下 どうぞ。
福田 マンモスコーヒーブレンド、
いただきます。
山下 どうでしょう‥‥。
福田 ‥‥うん。
おいしいです。
熱いお湯で淹れたのにえぐみがなくて、
こんなにおいしくなるんですね。
山下 じゃあ、ぼくも。
福田 そのメガネの状態については
いちいち触れないことにしました。
山下 ‥‥ああ、おいしい。
これはやや苦みがあるタイプで、
酸味はすくないようです。
福田 酸っぱいコーヒーが苦手な人って
多いですよね。
山下 ですので当日は、
これよりちょっとマイルドで、
酸味もひかえたブレンドにしました。
福田 ‥‥当日、これと同じに淹れられれば、
大丈夫ですよね?
山下 今日と同じことができれば。
‥‥頑張りましょう!
福田 頑張りましょう!
山下 そういうわけでみなさん、
素人なりに一生懸命つとめますので。
福田 11月1日の日曜日は、
ぜひ京都に足を運んでいただけるとうれしいです。
山下 繰り返しになりますが、
イベントの詳細はこちら
ご確認くださいませ。
福田 ブラックが苦手な人には
ミルクと砂糖もご用意しておきます。
山下 せっかくなので、気軽に来てくださいねー。
福田 今の時期、京都はいいですよねー。
山下 それではみなさん‥‥
ふたり モリカゲシャツで逢いましょう!
  (まってまーす! つづきまーす!)

2009-10-29-THU

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