はじめてカメラを買ったんです。その10 素早さと、ゆっくりさ、どちらもいい。

講師

菅原 「さあ、GRを手に入れた冨田さん、
 たくさん見せてくださいね」

司会

「ハイ、きょうはわたしのダメ写真をいっぱいと
 よく撮れたかも、な写真を
 見ていただきます!」
「ダメ写真って」
「元気よくおっしゃられると
 逆にたのしみな気が」
司会
シェフ 「とみちゃんのは、その3その4でも
 話題になりましたね。
 きょうはさらに、くわしく!」
まず、この姪っ子の写真なんですが、
やけに青く撮れちゃったんです。
あかんぼの、ぷっくり赤いほっぺの感じとかが
なんだか出てなくて、不満!

菅原 カメラが勝手にやっちゃうんですね。
人間の眼っていうのが
とてもよくできているのに対して
カメラは追いついていませんから、
「こうでしょう」という判断が
間違っていることもあるんです。
撮ってみて、液晶で確認して
「あれ?」って思ったら、
ちょっと調整してあげたほうがいいですね。
前にお話ししていた
「ホワイトバランス」ですか?
菅原 そうそう。モードを変えて、
撮ってみるといいですね。
あとは、デジタルのいいところで、
あとでパソコンで色調製をする、
ということもできるからね。
それをあてにして撮るならば、
通常は「JPG(ジェイペグ)」モードで
保存しているところを
「RAW(ロウ)」モードでも
保存して、あとからパソコンで
「現像」するという手もありますよ。
上級編になるけれど、
いまは多くのカメラにRAWモードがあるので
いちどためしてみるといいでしょう。
ちょっとわたしには上級すぎですー。
RAWデータ。生っていうことですか。
菅原 そうそう。
そもそもね、デジタルカメラって
ものすごいことをこのカメラの中で
やっているんですよ。
「撮ってすぐ見られる」って、
ものすごいことなんですよ。
つまり、この小型の機械のなかで
即座に現像しているってことだから。
光がCCDに当たってデジタル化され、
それを見えるかたちに瞬時に変換する。
すごいことですよね。
シェフ 考えてみたら、たしかにすごいです。
そう考えたら「ちょっと青くなる」っていう、
カメラの失敗も許してあげたくなりますね。
菅原 ええ、カメラが失敗するのも
よくあることなんです。
カメラが、受け取った光の情報を
即座に見えるかたちにするときに
「JPG」というフォーマットで
あるていど圧縮して出すんですが、
「RAW」は、変換をせずに
そのままのデータを残しておくんです。
それを、パソコンに取り込んでから、
操作する人の意図にしたがって
現像をして、見られるかたちにする。
その現像ソフトは、カメラを買った時に
ついてきているんじゃないかな。
シェフ Photoshopでも、Graphic Converterでも、
新しいバージョンであれば
RAWデータの現像はできるようですね。
菅原 SILKYPIXという有名なシェアウエアも
ありますよ。現像専用のソフトです。
暗くなっちゃった写真、
明るくなっちゃった写真、
いずれも、RAWデータがあれば
かなり調整できるんです。

菅原さん、それはわたしには
むずかしすぎます〜!
むずかしいです‥‥。
なにがなんだか‥‥。
菅原 そうだね、これは、
いずれ興味が出てきたら、
ということで
「そういうものもあるんだ」とだけ
覚えておいてください。
すごく大事な記念写真を
撮ることになったら、
「RAW+L」というような、
RAWデータとJPGデータを
両方保存するモードが
カメラにあるはずなので
それで撮っておくと、
あとで安心ですよ、と。
はい、覚えておきますー。
菅原さん、こっちの赤ちゃんは
じょうずに撮れたんですよ。





なーんだ、とみさん、
ばっちりじゃないですか!
かわいい!
すっごく、いいじゃないですか〜!
シェフ こっちが見せたかったんだな。
でへへへへへ。
そうなの。これはいいなと思って!
菅原 とってもいいですよ。
シェフ おにいちゃんかな、が、
いもうとがかわいくてしかたない感じとか、
物語もあって。
菅原 GRにしてよかったでしょ(笑)。
ハイ! よかったですー。
じゃあこれも見てください。

きゃーっ、かわいい!
おもしろーい!
菅原 ほんとに、冨田さんは、
のびのび撮っていて、
ぼくも楽しくなってきますよ。
わたし、フラダンスを習っていて、
その仲間の子供なんです。
発表会でちゃんとお化粧して、
はりきっているところを
撮ってあげたくて。
シェフ 仲よくないと、撮れない写真だ。
わたしも、これくらい人に近づけたらなあ。
シェフ 親しい人なら、近づいちゃって大丈夫だよ。
なんだかね、カメラを持っている自分に
まだなじめないんです(笑)。
だから、カメラを向けるときに
どうしても照れちゃって。
シェフ そこらへんは、場数かなあ‥‥。
小川さん、大丈夫よー。
わたし、以前は、カメラって、
人を撮りたいときでも、
妙に時間がかかって、
待ってもらってるうちに
いい表情がなくなっちゃうなあって
思ってたんだけど、
GRにしてよかったのは、
電源をオンにして、すぐ撮れるところなの。
人を待たせないから、
雰囲気がこわれない気がする。
小川さんのカメラも新しいから
きっと平気よ!

そのカメラが使いこなせていない気が‥‥
菅原 そこをどうしたらいいのかは
ぼくにもよくわからないところなんですが、
無理して撮ることで、
カメラや、写真がきらいにならないでね。
「撮りたいな」っていう気持ちのときに
そばにカメラがあってよかった、
ということを重ねていくと、
そのうち、人も、半歩前にすすんで
撮れるようになるかもしれないよ。
それに、その瞬間をはやくおさめたいと
思うときもあれば、
ゆっくり撮る、その前後の時間も含めて
写真って、写るものだったりするから、
どちらがいいとも言えないと思うんです。
‥‥ごめんね、明解な答えがなくて。
とんでもないです!
かえって、ほっとしました。
(つづきます!)
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2008-08-14-THU