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おおらかなことば ~宮本茂さんにきく。 2004年初夏~

 


── 今後の展開っていうと、
また大きなくくりになってしまうんですけれども、
具体的に何が出るとか、そういう話は、
公開されるニュースをたのしみに待つことにして、
任天堂の向かう大きな方向性みたいなものを
うかがってよろしいでしょうか。
宮本 そうですね、まず、ゲームキューブは
去年の年末から大きく数を伸ばしたこともあって、
今後に向けて手応えを感じているところです。
実際に稼働している、
アクティブなマシンとして順調ですし、
ぼくらとしては、周辺機器を含めて、
ゲームキューブでまだまだいろんな遊びが
できるんじゃないかと思ってます。
たとえば、『ジャングルビート』
(『Donkey Kong Jungle Beat(仮称)』)
なんかは、日本のファンにも欧米のファンにも
すごく好評だったんですよ。
── タルコンガを使って遊ぶ
アクションゲームですね。


宮本 ええ。ああいうことがまだまだできると思うので。
ディーエスで新しい遊びを提案する一方で、
じゃあ、据置型マシンの将来は
どうなるのかということも
これからだんだんとお伝えしていけると思います。
携帯機と据置型マシン、
ゲームボーイアドバンスとディーエスと
ゲームキューブの3つを
きちんと売っていくことが
ぼくらの最大の仕事ですから。
── なるほど。宮本さんはずっと以前から
「ゲームの枠のなかだけで
 ハードどうしが争うのではなく、
 エンターテイメントのくくりのなかで
 ゲームという遊びを
 盛り上げていかなくてはならない」
とおっしゃってましたよね。
いまは、携帯電話に『ドラクエI』が
インストールされていたりして、
まさに、おっしゃっていたような時代に
来ているという印象があります。
宮本 はい。そのあたりは、たぶん、
ソニーさんもマイクロソフトさんも
徐々に気づいてきてますよね。
だから、今回のE3では、どの陣営からも
いわゆる次世代機の発表がなかったですよね。
── ああ、そうですね。

宮本 だからやっぱり、いまの世代のマシンでも
まだまだやるべきことはあるし、
みんなの興味は、次世代機という
スペックだけにはないということが、
認識としてできてきたんでしょう。
まあ、任天堂は以前から
ずっと、そういうスタンスですから。
先ほども言いましたけど、
「ゲームをする人」と
「ゲームをしない人」に分かれている状況、
「あ、私、ゲームしない人」みたいな
言いかたで区切られないようにすることが
いちばん大事なんやないかと思いますね。
あとは、まあ、
「開発者が開発をたのしいと思うこと」も
すごく重要なことだと思うので、
ま、たのしく開発をしていきたいと思います。
── わかりました。期待してます。
宮本 ええっと、今後のことでいうと、
まずいちばん最初にせなあかんのは、
ディーエスの正式名称を決めることですね(笑)。
── あ、そっか、仮称なんですね、これ(笑)。
宮本 どうしよっかなあ(笑)。
── 今日はどうもありがとうございました。


 

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2004-07-22-THU