きょうは映画好き同士のお話になるから、
ぼくは役に立たないだろうと思ってたんですけど、
観客としてはとてもおもしろかったです。
なんていうんだろう‥‥
だれにでもちゃんと通じる話ですよね。



まぁ、通じないとね。
娯楽の話なんだから。
映画好き同士の会話って、
いつもは飽きちゃうんですよ。
飲み屋とかでやってるやつは。
うーん、
あんまりオタクすぎるとね。
オタク度でいったら、
おふたりとも本当はすごくオタク度高いでしょう。
そうですね、
だから通じない話なら、もうそれはいくらでも。
いくらでもできるよ、ほんとうは。



そうかぁ(笑)。
でも、どんなにオタクな会話になったとしても、
ひけらかしてる感じとか、
勝負をしてる感じにならないのは、
たしかですよね。
そうね。
和田さんとぼくじゃ勝負にならないです。
三谷さんにとって、
和田さんの存在はやっぱり大きいですか。
それはもう。
子どものころに読んだものとか
出合ったものは、
いちばん自分の身になってるっていうか‥‥。
大人になってから知ったものとは、
重要度がぜんぜんちがいますよね。



分岐して行くチャートでいえば、
「男ですか? 女ですか?」っていうような、
ものすごく根本に近いところで
誰かの影響を受けてるとすれば、
その人は自分にとって大きいですよね。
だって、ぼくは本気で、
平野レミさんのような人と
結婚したいと思ってましたもん。
おお。
和田さんのエッセイに出てくる
レミさんがすごく素敵なんです。
レミさんのイラストも載っていて、
横顔のきれいな奥様だなぁ、と。
こんな人と結婚したいと、
ずっと憧れの方だったんです。
実際に会ってみたらそうでもなかった。
いや(笑)。
そんなことはないですけども‥‥。
どう思われました?
‥‥ちょっとだけ、イメージと違ってました。
一同 (笑)
まぁそんなようなところで、
三谷さんの監督5本目にかこつけての
たのしいおしゃべりを、
なんとなくぼくは締めようとしていますが‥‥。
あ、そうだ、ちょっと待って。
はい、なんでしょう。
5本目で思い出したんだけど、
ちょっとね、
映画監督の巨匠たちがね、
5本目に何をやったかを調べてみたの。
(ポケットからメモを取り出す)




一同 おぉー。
いきますよ。
まず、ジョン・ヒューストンはね、
『キー・ラーゴ』を。
『キー・ラーゴ』。
いいでしょう?
いいですね。
   
ヒッチコックと、ビリー・ワイルダーは、
ぼくらお互いに大好きな監督なんだけどさ、
このふたりは若いころにいっぱい作ってるから、
5本目っていうのを勘定しても、
あんまりおもしろくない。
だからそれは、なしでいきます。
はい。
マーティン・スコセッシは、
『タクシードライバー』です。
いいでしょ?
ミロシュ・フォアマン『カッコーの巣の上で』
それから、フランクリン・シャフナーが、
『猿の惑星』なんです。
出た、『猿の惑星』。
ノーマン・ジュイソンが、
『シンシナティ・キッド』
いいでしょ?
ジョン・シュレシンジャーが、
『真夜中のカーボーイ』。
アーサー・ペン『俺たちに明日はない』
だいたい、5本目なんですね。
そうなんです、5本目なんです。
数えてきたんです、ぼくは今日。
フランシス・コッポラ『ゴッド・ファーザー』
えっ。
ウィリアム・フリードキン
『フレンチ・コネクション』
それから、スピルバーグ。
スピルバーグは、『未知との遭遇』の特別編
っていうのが5本目なんだけれども、
ラストシーンがちょっと違うだけだから
それは勘定にいれません。
すると5本目は、『レイダース』なんです。
一同 はあああーー。
みんな、5本目がいいんだ。
だからね、
『ステキな金縛り』も、いいんです。
以上。
一同 おおーーーー!(拍手)
いっやぁ、和田さんすばらしい!
鳥肌がたちました。
しびれました。
そうかぁ、5本目っていうのは
監督をジャンプさせる作品ですね、いわば。
そうね。
こうなると、
名監督の6本目も知りたくなります。
一同 (笑)
三谷さんの6本目は、怪獣映画ですよ。
一同 (笑)
もう、ほんとに、
ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
まさに大団円で。
おもしろかったね、きょうは。




(鼎談はこれにて終了です。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました!)
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