『猿の惑星』は?
観ました。
今度の新作も観たいと思ってます。
あれはたぶん1968年とかですよね、できたのが。
うーん‥‥。
『2001年宇宙の旅』と同じ年でしょ?
『宇宙の旅』と『猿の惑星』は同じ年ですか。
そう。



あー、
ちょっと雰囲気が近いですね、何かね。
同じSFでも、ちょっと難解な『2001年』と、
ものすごくおもしろい『猿の惑星』とでさ、
やっぱりSFファンでも二派に分かれるんですよ。
『2001年』は興行的に当たったんですかね?
ぼくは観てるんですけど、
あれは映画館で
当たらなかったんじゃないですかね。
どうだろう?
当たった?
当たらないでほしいっていう気持ちさえあります。



一同 (笑)

評判で観に行ったけど、
正直なところ、ぼくはおもしろくなかった。

むずかしいもんね。
むずかしい。
そういうことされても困るみたいな話。
一同 (笑)
ぼくはいま、正直ですからね。
昔と違いますからね。
昔はもうちょっとわかった顔してましたよ。
モノリスとは‥‥」みたいな。
一同 (笑)
『2001年』は、むずかしかったけども、
あの猿が最初になんかこう、
棒を投げるじゃない? その投げたのが‥‥
宇宙船になる。
あのカットはすごいな。
あれだけで後世語られるくらいですよね。
ん? なんだか、
ぼくも映画の話をしてますね。
わりと、素直なファンとして、
おふたりと意見が合うかもしれないですね。
ぼくも100パーセント、
『猿の惑星』のほうですから。
ほら。
そうですよ。
だって観てるあいだずっとおもしろいもん、
『猿の惑星』は。
で、『2001年』は、
ほとんどの時間つまんないもん。
一同 (笑)
そうね。
言い切っていいと思います。



それが言えなかったんですよ。
いま、言える自分を楽しんでますよ、ほんとうに。
あとね、SFっていうことでいうと、恐竜。
恐竜。
恐竜が出るのは、ぼく好きだなぁ。
一同 (笑)
恐竜が出てくる映画、ぜんぶ好きですよ。
恐竜10万年?
『恐竜100万年』

糸井さんやけに、数字をまちがえますね。

100万年ね。
たいへんだよ、90万年ちがうと。
あの映画は、たしか三谷さんが初めて‥‥
はい。
ぼくが初めて映画館で観たのが、
『恐竜100万年』です。
あの映画はよかったですよね。
すごくよかったですよ、子どもながらに。
子どもながらに、
人類と恐竜って一緒にいたんだっけ?
っていう切ない疑問があったんですけど。
一緒にいないんですけどね(笑)。
うん。
いないけどね。
いなかったんですけど。
オーケーですよね、でも。
ぜんぜんオーケーです。
その『恐竜100万年』の前に、
『紀元前百万年』っていうのがあるんだけど、
これの恐竜がね、
トカゲ。
普通のトカゲに、
ちょっとこう、背びれみたいなのつけてさ、
それで撮ってるの。
クローズアップで撮るから、トカゲを。
それがうまく人間と合成してるからね、
怖いんですよ。
一同 (笑)
怖いですよ。
ぼくらは『ゴジラ』とかの着ぐるみで
慣れてるじゃないですか。
でも、ああいう生の生き物は。
生はね。
動きがものすごい素早い。
シュッと。
一同 (笑)
『ゴジラ』だと、
人間が入ってますから動きがこう。
カメラ都合を考えてますから。
うん、ゆっくりでね。
トカゲはカメラ都合考えないから。
バーッと走って行きますから、
それはすごい怖いですよ。
強いですね。
生のトカゲは強い。
ほんとに怖いんだ、シュシュッて。
こうやってしゃべってみると、
『ゴジラ』もだいたい観てるし、
映画観てますね、おれ。
「観てない、観てない」って言うけど。
最初の『ゴジラ』とか怖いですもんね。
怖いですね。
なかなか出てこない。
そうですね。
『モゲラ』とか、観ました?
「モゲラ」?
地底?
地底? なんだっけ。
海底? 『海底軍艦』? あれ?
『海底軍艦』は、田崎潤が出てるやつでしょう。
‥‥ご覧になってるじゃないですか。
一同 (爆笑)
ほんとだねぇ(笑)。
『ラドン』とか、あのあたりは観てる。
「ラドン」は阿蘇山ですね。
って、観てるなぁ、おかしいなぁ。
いま観ても「ラドン」はおもしろいですよ。
「ラドン」は出来がいいですね。
「ラドン」は出来がいいって、糸井さん、
立派なオタクの発言じゃないですか。
うーん‥‥。
怪獣ものも、いいね。
ぼく、いつか怪獣ものを、
やってみたいと思ってるんですよ。
今までみんなが避けてきたものを
ちゃんと描きたいと思って。
たとえば、怪獣の排せつとか。
一同 (笑)
臭いとか、もう相当だと思うんですよ。
洗ってないしね。
洗ってない。
犬だって、洗わないとすごい臭いますから。
そういうところをきちんと描いた
リアルな怪獣ものを。
生き物を観察するのに、
餌を食べてるのを見るのは、
それだけでたのしいですよね。
で、寝てる姿もいい。
そして実は、排せつもじっと見たくなる。
ですね。それは言えますね。
明らかに、犬のほうも
見られてるっていうのをわかってますよ。
警戒しながらするのは、
けっこう、一大事業ですよ。
とくに、外でする場合はね。
大怪獣が警戒しながら、こう、してるところを、
‥‥見たい気がしますね。
見たいですね。
見たいね。
そこを襲う別の怪獣、みたいな(笑)。
たしかにそういう恐竜映画は、ない。
ないね。
『ジュラシック・パーク』はいかがでした?
あれ、おもしろかった。
本物の恐竜に会えたみたいな、そういう感慨が。
かなりよかったよね。
あとやっぱり、本当に怖かった。
そう。
キッチンみたいな所に入ってきて‥‥。
ああー、あれは怖いね。
ヴェロキラプトルってやつですよね。
ちっちゃくて怖いって、怖いですよ。
怖いですよ。
すばしこくてね。
ぼくは、たばこのハイライトを置く感覚が
好きなんですよ。
現実の物と並べて、
大きさをわからせるような演出が。
キッチンという広さがわかる現実の場所で、
ああやって追いかけられると、
本当にいる感じが、ね(笑)。
あの設定は、リアルですよね。
ハイライトの話で思い出したんですが、
今回の映画で西田敏行さんが演じる幽霊も、
現実の場所にぽんと出てきますよね。
‥‥あ。
‥‥お。
‥‥いや、わざとじゃないですよ、
自然にいま、
『ステキな金縛り』の話になったんで。
まぁ、やっと、なったということだな。
一同 (笑)
いくらなんでも、
そろそろ話してほしいと思ってました。
一同 (笑)
(やっと、三谷さんの新作の話に。つづきます!)
2011-11-22 TUE