読みなおす2003。
「ほぼ日」1年の名言を3日で読む!
今年も「ほぼ日」をたのしんでくださって、ありがとう。
前々から「一気に読んでみたい!」と要望の多かった
対談やインタビュー特集の数々を、年末の3日間で、
どーんと1年ぶん、まとめて、おとどけしちゃいますよ!
年末年始のTVに飽きたときなどに、ゆっくり味わってね。
「ほぼ日語録」と、年末ならではの「一気読み」をどうぞ。

2003年1月〜2003年4月の「ほぼ日語録」
●十文字美信的世界。
●男はどこへ行った?
●谷川俊太郎、kissなどを語る。
●会社はこれからどうなるのか?
●続・会社はこれからどうなるのか?
●バンドマンという幸福な商売
●ラストワルツを聴きながら。
●サムライ闘牛士登場?!
●小山薫堂さんと、軽めに食を語る。
2003年5月〜2003年8月の「ほぼ日語録」
●矢沢永吉の開けた新しいドア。
●『MOTHER』の気持ち。
●お父さんと、いっしょ。
●カンバセイション・ピース。
●書きあぐねている人のための
 小説入門。
●続・大村憲司を知ってるかい?
●笑問題・太田光の
 家族をつくったゲーム。
●娯楽映画の運命。
●男女が同居するということ。




なんだ、これは!

 
「岡本太郎は、20歳ぐらいまでは、朝、起きて、
 顔を洗って鏡を見るとね、嫌な顔してたんだって。
 ほんとに憂鬱な顔してたんですって。パリに留学して、
 自分のもともと抱えているものもあって、
 時代の洗礼、前衛芸術の運動もした、勉強もした。
 その時期に、自分の問いかけでいっぱいになっちゃって。
 どうしてかわからないけど、結局
 『安全な道か危険な道をとるか、どちらかだ』
 と思うに至ったんです。そのときに、
 危険な道をとるって、決然と、決めたんですって。
 彼は、日本に帰ってくるときに、
 もうああいうふうに、
 『自分は、岡本太郎としてやっていくんだ』
 ってことを覚悟して帰ってきたの。
 あの人ははじめからああいう人なんだ、なんて
 とんでもない、そんなことない。
 自分で覚悟してそうなったの。だから動じないのよ。
 どんなに、叩かれても突っつかれてもね」
 

(※「岡本太郎になろう」と決心した瞬間についての言葉。
  岡本敏子さんと糸井重里の対談一気読みは、こちらで



新宿二丁目のほがらかな人々。

 
「ぼくはゲイであることで、ずーっと悩みもしなかったし、
 完全に受け入れたほうだけど、後ろめたさはあった。
 だけどね、人間、どんどんどんどん年取ってくとね、
 自分がゲイであるという後ろめたさ以上の後ろめたさが
 いっぱいたまってくるの(笑)。
 たとえば、あんなときについた嘘とか、
 あんなときにした不正とか、
 あんなときにした、人をおとしめるような行為とか。
 ゲイだろうがストレートだろうが、
 そういうことはいっぱいあるんだよね。
 そんなことに比べて、ゲイってどういうことなんだろう?
 人に言えない後ろめたさって、ぼくのおやじも持ってて、
 おふくろも持ってるはずなのね。で、その数多くある
 後ろめたさのただひとつ、彼らと分かち合えない部分が、
 せいぜいゲイであることぐらいなのかな、と思うと、
 けっこう安心はするようになったよ。
 でも、未だにやっぱりどっかにあるね。
 強迫観念っていうか。
 だけど、だけどそれは、みんな持ってることだなって、
 思えるようにはなった」
 

(※ゲイであるということの、恍惚と不安にも触れた発言。
  今年も大好評だった、「ほがらかな人々」の対談集は、
  特に人気の4シリーズをまとめて一気読みしてみてね



シリコンの谷は、いま。

 
「僕が感じたCEOの役割は大きく3つあります。
 1)決断を下すこと
 2)責任を取ること
 3)社員をやる気にさせること
 このエピソードに挙げたCEOに限らず、
 どのCEOも会社が進むべき方向を明確に示します。
 方針は、CEOが考えたものではないかもしれませんが、
 その方針を自分のことのようにすらすらと話します。
 つまり、会社の進むべき方向について、
 人々の意見を聞いた上で、CEO自身が納得をした上で
 決断を下したということです。
 そして、その方針に従って会社が突き進んでいった
 結果についての責任はCEOが負います。
 シリコンバレーのCEOたちは社内での
 出世競争に勝ち残ってきた者というよりは、
 外からやってくるプロの仕事人の場合が多く、
 彼らは別の会社でCEOや会社の幹部として
 実績を挙げてきた人ばかりです。
 ですから、自分がCEOをやっている間、
 何事も起こらなければ良いという考えで
 会社を経営するわけにはいきません。
 成果を出せなければプロのCEOとしては失格です。
 CEOは自分の方針を幹部に伝えるだけでなく、
 社員一人一人に誰が会社を動かしているのかを見せ、
 会社を自分の思うように動かさなくてはなりません。
 社員たちに自分の方針を伝え、
 社員たちをやる気にさせなくてはなりませんから、
 CEOたちはスポーツチームのチームの
 キャプテンのような振る舞いをします。
 CEOもチームの一員であり、みんなで頑張って
 目標を達成していこうということを
 わかりやすい言葉で社員に伝えます。
 共感を得るためには、笑いも取らなければなりません。
 社員をうまく使おうと思ったら、コツがいるのです」
 

(※アメリカ、シリコンバレーの最先端のエンジニアの
  上田ガクさんによる会社論や仕事論には、大反響が!
  「シリコンの谷は、いま」の一気読みはこちらです



おとなの小論文教室。

 
「私にとって、いま振り返れば
 会社を辞めるか、やめないかというのは、
 つくづく、大きな問題ではなかった、と思う。
 大変な思いはしたが、大きな問題ではなかった。
 それよりも、表現するか、しないかが、
 大問題だったと思う。
 書くということで、自分の考えを、細々とでも、
 ずっと外にむかって表現しつづけたことを、
 いまは、命綱のように思う。
 私が会社を辞める決断をしたのは、
 13年やった小論文編集から異動になったときだった。
 頭は、ものわかりよく、異動を受け入れても、
 身体は、痛み・つらがっていた。
 あの瞬間、自分は『生きてたな!』と思う。
 思えばあのとき、のちのち表現しつづける
 切実なモチベーションが、体の中に生まれたのだ。
 何か、不測の事態で、
 それまで一所懸命やってきた自分の経験や歴史が、
 そこから繰り出される未来が、
 外から、急に断たれようとするとき、
 そういうときこそ、自分という存在は、
 もっとも激しく生きようとして、美しい。
 自分を表現しなければという切実な衝動が、
 これほど確かに、
 迷いなく、突き上げてくるときはないからだ。
 私の頭は、迷ったり、弱ったり、誤算があったりしたが、
 身体は、その時、そのことをちゃんと知っていてくれて、
 ちゃんと悔しがって、ちゃんと負けないでいてくれて、
 書いて表現することを、コツコツやりつづけてくれた。
 不測の事態で、自分のやってきたことが
 外から断たれようとするとき、
 悪いのは社会でも、自分でもない。
 悪いのは、それで自分が弱ってしまうことだ。
 そういうときこそ、
 表現への切実で美しい衝動が宿るとき。
 胸を張って自分を表現していこう!」
 

(※著書『あなたの話はなぜ「通じない」のか』がヒット。
  韓国で翻訳もされることになった山田ズーニーさんの、
  今年の言葉も、一気読みで味わえるようにしましたよ



今日のダーリン

 
「8月2日に禁煙をスタートさせて、
 今日まで1本も吸わずに過ごしてきた。
 3カ月も過ぎて、11月10日の誕生日まで禁煙が続いたら、
 いちおうの禁煙成功宣言をしようと決めていた。
 3カ月やそこらでの禁煙宣言は早すぎるということも、
 言えなくもない。
 しかし、そのあたりのことを厳密に考えると、
 死ぬまで禁煙できたと言い切れないことになりそうなので
 自分で『ここだ』と決めさせていただいた。
 というわけで、ワタクシ、本日、55歳の誕生日をもって、
 晴れて禁煙に成功したことを宣言させていただきます。
 未成年の時代から、つい先日までは、
 1日に80本も吸っていた人間としては、感無量です。
 よく喫煙者がタバコをやめると、
 過激にタバコを憎む人になったりもしますが、
 どうやら、ぼくの場合はそうはなってないようです。
 (そのへんが一部の方からはつっこまれそうですが)
 ただ、やめてよかったことが、
 いまごろになっていろいろ見えてきました。
 ニコチンやタールの害よりも、
 一酸化酸素を摂取しなくなったことで、
 息切れしにくくなったことが何より大きかったです。
 そのおかげで長い距離の散歩もできるわけですし、
 歩くことで得られる精神的肉体的な健康も、
 実感できるようになったわけですからねぇ」
 

(※11月10日の「今日のダーリン」は、禁煙成功宣言!
  読者のみなさんからの驚きのメールも相次ぎました)



2003年冬までの、他の発言の一気読みをしたい人は、
「おいしい店とのつきあい方」や、
「マリーな部屋」や、「ほめ道を往く」や、
「焼き肉が好きだ!」なんかもオススメですし、
「感心力がビジネスを変える!」なども、ぜひどうぞ。

一気読みではありませんが、
「智慧の実を食べよう」「オトナ語の謎」なども、
秋から冬にかけて、とても盛りあがった企画でしたよー。

あなたなりの「ほぼ日語録」も、
https://www.1101.com/home.html
https://www.1101.com/home2.html
で探してみてくださいね。

2003-12-31-WED

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